第8章 仮想ブロックデバイス


この章では、仮想化ゲストに於けるブロックデバイスのインストールと設定を扱います。ブロックデバイスと言う用語はストレージデバイスの各種形態を示します。

8.1. 仮想化フロッピィディスクコントローラの作成

フロッピィディスクコントローラは、多くの旧来のオペレーティングシステムで必要になります。特にドライバーのインストールで必要です。現時点では、物理的な フロッピィディスクデバイスは仮想ゲストからアクセスできません。しかし、フロッピィ ディスクイメージの作成と仮想化フロッピィドライブからのアクセスはサポートされて います。このセクションでは、仮想化フロッピィデバイスを取り扱います。
フロッピィディスクのイメージファイルが必要です。フロッピィディスクイメージファイルは dd コマンドを使用して作成します。 /dev/fd0 の部分は使用する フロッピィデバイスの名前とディスクの名前で入れ替えます。
# dd if=/dev/fd0 of=~/legacydrivers.img

注記

para-virtualized ドライバーは物理フロッピィデバイスを完全仮想化ゲストにマップすることが できます。para-virtualized ドライバーの使用法に関する詳細は 14章Xen Para-virtualized ドライバー でお読み下さい。
この例は、/var/lib/libvirt/images/rhel5FV.img にイメージを 配置した完全仮想化 Red Hat Enterprise Linux のインストールを実行している virt-manager で 作成されたゲストを使用します。Xen hypervisor がこの例で使用されています。
  1. 実行中のゲストで virsh を使用して ゲストイメージ用に XML 設定ファイルを作成します。
    # virsh dumpxml rhel5FV > rhel5FV.xml
    
    これが、セッティング構成を XML ファイルとして保存して、このファイルの編集により ゲストで使用される操作とデバイスをカスタマイズ出来ます。virsh XML 設定ファイルの 使用法に関する詳細には、29章カスタムの libvirt スクリプト作成 を参照して下さい。
  2. ゲスト用にフロッピィディスクイメージを作成
    # dd if=/dev/zero of=/var/lib/libvirt/images/rhel5FV-floppy.img bs=512 count=2880
    
  3. 以下のコンテンツを追加します。必要な箇所では使用するゲストの設定 XML ファイルに変更します。この例は、ファイルベースイメージを使用したフロッピィデバイスの 模倣です。
    <disk type='file' device='floppy'>
            <source file='/var/lib/libvirt/images/rhel5FV-floppy.img'/>
            <target dev='fda'/>
    </disk>
    
  4. ゲストを停止します。
    # virsh stop rhel5FV
    
  5. XML 設定ファイルを使用してゲストを再スタートします。
    # virsh create rhel5FV.xml
    
フロッピィデバイスはこの時点で、ゲスト内で利用可能となりホスト上に イメージファイルとして保存されます。
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