4.2. KVM の制限
以下の制限が KVM hypervisor に適用されます:
- 不変 TSC ビット
- 不変タイムスタンプカウンタ(Constant Time Stamp Counter)のないシステムは 追加の設定を必要とします。関連した問題を修復するためにこの不変タイムスタンプカウンタが あるかどうかを判定するための詳細には 17章KVM ゲストのタイミング管理 を参照して下さい。
- メモリーオーバーコミット
- KVM はメモリーオーバーコミットをサポートし、ゲストメモリーをスワップ内に格納 できます。ゲストは何回もスワップされると実行が遅くなります。KSM (Kernel SamePage Merging) が使用されるときは、スワップ サイズがオーバーコミット比率のサイズであることを確認して下さい。
- CPU オーバーコミット
- 物理プロセッサコア毎に10以上の仮想 CPU を持つことはサポートされていません。 そして物理プロセッサコアの数を越えたオーバーコミットの仮想 CPU の数は 特定の仮想化ゲストで問題になる可能性があります。CPU のオーバーコミットはリスクを伴い、不安定の原因になります。CPU のオーバーコミットに関する ヒントと推薦については 「KVM でオーバーコミット」 を参照して下さい。
- 仮想化 SCSI デバイス
- SCSI 模倣は現時点ではサポートされていません。仮想化 SCSI デバイスは KVM 内では 完全に無効になっています。
- 仮想化 IDE デバイス
- KVM はゲスト毎に最大6つの仮想化(模倣)IDE デバイスに制限されています。
- Para-virtualized デバイス
- Para-virtualized デバイスは
virtio
ドライバーと PCI デバイスを使用します。現時点では、ゲストは最大 32 PCI デバイスまでに 制限されています。一部の PCI デバイスはゲストの実行に重要なものであり、これらの デバイスは削除できません。デフォルトで以下のようなデバイスが必須です:- ホストブリッジ
- ISA ブリッジと usb ブリッジ(usb と isa のブリッジは同じデバイスです)
- グラフィックカード(Cirrus か qxl のドライバーを使用)
- メモリーバルーンデバイス
ゲスト用に最大利用可能な32 の PCI デバイスの内、4つは削除できません。このことは、 ゲスト毎に、28 PCI スロットのみが追加デバイス用に利用できると言うことです。それぞれの para-virtualized ネットワーク、又はブロックデバイスが1つのスロットを使用します。 そのため、各ゲストは para-virtualized ネットワークと para-virtualized ディスクデバイスと VT-d を使用している他の PCI デバイスの組合せから 28 までの追加デバイスを使用できることになります。 - 移行の制限
- ライブ移行は同じベンダー(即ち、Intel と Intel、あるいは AMD と AMD)のみからの CPU 群で 可能になります。ライブ移行には、No eXecution (NX) ビットは 両方の CPU 用にオンでもオフでもセット しなければなりません。