第1章 Red Hat Network 概要
ソフトウェアパッケージの新しいバージョンに関する説明書を読んでインストールしようと思ったけれどその説明書が見つからなかったという経験はありませんでしたか?
インターネット検索エンジンや RPM リポジトリ で RPM を探そうしたら聞いたこともないサイトにリンクされていたことはありませんか?
RPM を探していたが自分でコンパイルしなければならないソースファイルしか見つけられなかったことはありませんでしたか?
システムに最新のパッケージがインストールされているかどうかを確認するためにあちこちの Web サイトにアクセスし何時間も時には何日も費したことはありませんか、 また数ヵ月以内に同じことを繰り返さなければならなかったことはありませんか?
Red Hat Network (RHN) を利用すればこんな悩みから解消されます。 RHN はシステムのソフトウェア管理のすべてのニーズに応えるソリューションを提供します。
Red Hat Network は単独の Red Hat Enterprise Linux システム、 または複数の Red Hat Enterprise Linux システム群から成るネットワークを管理することができるインターネットソリューションです。 セキュリティの通知、 バグ修正の通知、 機能強化の通知 (まとめてエラータ通知と呼ばれる) のすべてが Red Hat または独自にカスタム化したコレクションから直接ダウンロードできます。 また、 更新がリリースされたら直ちにシステムに直接配信するようスケジュールすることもできます。
Red Hat Network の主な構成要素は以下のようになります。
- Red Hat Update Agent
- Red Hat Network Web サイト (中央 RHN サーバー、 RHN Satellite、 または RHN Proxy Server 経由で提供される)
- Red Hat Network Daemon
- Red Hat Network Registration Client - Red Hat Enterprise Linux 2.1 のみを稼動しているシステム専用です。
Red Hat Update Agent (
up2date
) は Red Hat Network への初期接続を提供します。 Red Hat Enterprise Linux 3 およびそれ以降のシステムは Red Hat Update Agent を使用して RHN に登録を行います。 固有の RHN ユーザー名とパスワードの作成、 ハードウェアプロファイルの作成にシステムのハードウェア検索、 パッケージプロファイルの作成にインストールされいるソフトウェアパッケージの検索などがそれぞれ登録に必要になります。 これらの情報を RHN に送信すると RHN からシステムに固有のシステム ID が返されます。 登録が完了すると、 Red Hat Update Agent でチャンネルのサブスクリプション、 パッケージのインストール、 システムプロファイルの管理などができるようになります。 詳細については 4章Red Hat Update Agent を参照してください。
Red Hat Update Agent は RHN のベースコンポーネントとして 1 台のシステムを管理できるよう設計されています。 Red Hat Update Agent を使用するとシステムのスーパーユーザーがエラータを表示してシステムに適用することができます。 各システムの Red Hat Update Agent の設定など、 大規模なシステム導入の際のプロビジョニング、 モニタリング、 管理などが RHN Web インターフェースで容易に行えるようになります。
Red Hat Network Daemon (
rhnsd
) は 1 つのサービスとしてバックグラウンドで実行され、 設定した間隔で通知や更新に関して Red Hat Network をプローブします (5章Red Hat Network Daemon を参照)。 このデーモンは Web サイト経由で更新またはその他の動作をスケジュールする場合に必要となります。
Red Hat Enterprise Linux 5 は 2章
rhn_register
クライアント に記載されている rhn_register
アプリケーションを使用します。 Red Hat Enterprise Linux 3 と 4 の場合はその登録機能が Red Hat Update Agent 内に組み込まれています。
本ガイドでは Red Hat Network 関連用語が多く使用されています。 『Red Hat Network リファレンスガイド』 をお読み頂く際は、 必要に応じて用語の解説を 用語解説 で参照してください。
注記
RHN サービスレベルの比較表については、 http://www.redhat.com/rhn/compare/ を参照してください。
1.1. Update リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHN Update サービスは Red Hat Enterprise Linux システムが 1 台または小規模の Red Hat Enterprise Linux システム群を管理するユーザーに理想的なサービスになります。 Update への更新サブスクリプションは https://www.redhat.com/apps/commerce/rhn/ で購入できます。
各 Update サブスクリプションにつき次のようなサービスをお受け取りになれます。
- ソフトウェアのダウンロード — Red Hat Network のサブスクリプションを購入しているお客様には迅速なダウンロードが可能な ISO イメージがご利用頂けます。
- 負荷が高くなる時期でも優先的なアクセスを提供 — Red Hat が大容量エラータをリリースする際には、 優先アクセスを有するユーザーの方が迅速に更新パッケージにアクセスできるよう保証しています。
- RHN サポートへのアクセス — 有料の Red Hat Network をご利用頂いているお客様には RHN 関連の質問に対し Web によるサポートでお応えしています。
- エラータ通知、 複数システム — 複数システムに対する複数サブスクリプションとは、 これら複数の全システムに対するエラータ関連のエラータ通知を送信するということです。 影響を受けるシステム数に関係なく、 1 エラータに対して配信される電子メールは 1 通のみになりますので注意してください。
- エラータ更新、 複数システム — 各システムでボタンをクリックするだけで複数のシステムの更新を迅速に行うことができます。