4.3. コマンドラインバージョン
X を実行していない場合でも仮想コンソールやリモートのターミナルから Red Hat Update Agent を実行することができます。 X を実行している場合でもコマンドラインバージョンを使用したい場合は、 次のコマンドを使用するとグラフィカルなインターフェースを表示しないよう強制することができます。
up2date --nox
up2date --nox
Red Hat Update Agent のコマンドラインバージョンを使用すると高度な機能を実行させたり、 ほとんどまたはまったく対話を必要としない動作を行わせることができます。 例えば、 次のコマンドは対話なしでシステムを更新します。 新しいパッケージをダウンロードしてからインストールを行います (インストールを行うよう設定している場合)。
up2date -u
up2date -u
Red Hat Update Agent のコマンドラインバージョンは次の引数をとります。
オプション | 説明 |
---|---|
-? 、 --usage | 利用可能なオプションを簡単に説明します。 |
-h 、 --help | 使用できるオプションを一覧表示して終了します。 |
--arch=architecture | up2date にパッケージのこのアーキテクチャを強制的にインストールさせます。 --update 、 --list 、 --dry-run との併用は無効です。 |
--channel=channel | チャンネルラベルを使用して更新元のチャンネルを指定します。 |
--configure | Red Hat Update Agent のオプションを設定します。 詳しい説明は 「設定」 を参照してください。 |
-d , --download | パッケージのダウンロードのみを行いインストールはしません。 この引数は設定オプションである 取り込んだ後でパッケージをインストールしない (Do not install packages after retrieval.) を一時的に上書きします。 手動でパッケージをインストールしたい場合にこのオプションを使用します。 |
--dbpath=dir | 一時的に使用する代替の RPM データベースを指定します。 |
--dry-run | パッケージのダウンロードとインストール以外は全て実行します。 実際にインストールを行う前に依存関係やその他の要件を確認したい場合に便利です。 |
-f 、 --force | パッケージのインストールを強制します。 このオプションはファイル、 パッケージ、 及び設定のスキップ一覧を一時的に上書きします。 |
--firstboot | 初めての起動の場合に画面中央にポップアップが表示されます。 |
--get | 依存関係を解決せずに指定のパッケージを取りこみます。 |
--get-source | 依存関係を解決せずに指定のソースパッケージを取り込みます。 |
--gpg-flags | キーリングなど GPG が起動されるフラグを表示します。 |
--hardware | RHN にあるこのシステムのハードウェアプロファイルを更新します。 |
-i 、 --install | パッケージをダウンロードしてからインストールを行います。 この引数は設定オプションである 取り込んだ後でパッケージをインストールしない (Do not install packages after retrieval.) を一時的に上書きします。 |
--installall=<channel-label> | 特定のチャンネルから利用できるパッケージをすべてインストールします。 |
--justdb | データベースにパッケージを追加するだけでインストールは行いません。 |
-k 、 --packagedir | パッケージをダウンロードする前に、 そのパッケージの検索を行うディレクトリのパスをコロンで区切って指定します。 |
-l 、 --list | システムに関連したパッケージを一覧表示します。 |
--list-rollbacks | 利用可能なパッケージロールバックを表示します。 |
--nodownload | パッケージのダウンロードは一切行いません。 テスト時に便利です。 |
--nosig | パッケージ署名の確認に GPG を使用しません。 このオプションは保存した設定オプションを一時的に上書きします。 |
--nosrc | ソースパッケージ (SRPM) はダウンロードしません。 |
--nox | X の実行を試行しません。 Red Hat Update Agent のコマンドラインバージョンを起動します。 |
-p 、 --packages | このシステムプロファイルに関連したパッケージを更新します。 |
--proxy=proxy URL | 使用する HTTP Proxy を指定します。 |
--proxyPassword=proxy password | 認証済みの HTTP Proxy と併用するパスワードを指定します。 |
--proxyUser=proxy user ID | 認証済み HTTP Proxy と併用するユーザー名を指定します。 |
--register | RHN にこのシステムを登録 (または再登録) します。 詳細な説明については 「登録」 を参照してください。 |
--serverUrl=server URL | パッケージの取り込み先となる代替サーバーを指定します。 |
--showall | ダウンロード可能なパッケージをすべて一覧表示します。 |
--show-available | 利用可能なパッケージで現在インストールされていないパッケージを一覧表示します。 |
--show-channels | 各パッケージに関連付けられたチャンネル名を表示します。 |
--show-orphans | システムがサブスクライブしているチャンネル内にないパッケージで現在インストールされているパッケージをすべて一覧表示します。 |
--show-package-dialog | パッケージのインストールダイアログを GUI モードで表示します。 |
--solvedeps=dependencies | 依存関係の解決に必要なパッケージを検索しダウンロードしてからインストールを行います。 |
--src | ソースパッケージと共にバイナリ RPM もダウンロードします。 |
--tmpdir=directory | 設定したパッケージディレクトリを一時的に上書きします。 デフォルトの場所は /var/spool/up2date になります。 このオプションは設定した場所に十分な領域がない場合に便利です。 |
-u 、 --update | 関連する全パッケージでシステムを更新します。 |
--undo | 最後のパッケージセットの更新を元に戻します。 |
--upgrade-to-release=release version | 指定したチャンネルにアップグレードします。 |
--uuid=uuid | Alert Notification ツールで生成された固有のユーザー ID を渡します。 |
-v 、 --verbose | 更新中に追加の出力を表示します。 |
--version | up2date のバージョン情報を表示します。 |
--whatprovides=dependencies | コンマで区切られた依存関係一覧を解決するパッケージを表示します。 |
注記
システムに現在パッケージを収納しているチャンネルへのアクセスがなくても、
--solvedeps
と --whatprovides
のオプションを使用すると任意の RPM の依存関係を解決することができます。
4.3.1. Red Hat GPG キーをインストールする リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Red Hat Update Agent のグラフィカルバージョンを初めて実行する場合、 Red Hat GPG キーのインストールが求められます。 このキーは Red Hat Network からダウンロードされたパッケージの認証に必要になります。 Red Hat Update Agent を初めて起動する際にコマンドラインバージョンを使用する場合は手作業で Red Hat GPG キーをインストールする必要があります。 キーをインストールしていないと次のようなメッセージが表示されます。
Your GPG keyring does not contain the Red Hat, Inc. public key. Without it, you will be unable to verify that packages Update Agent downloads are securely signed by Red Hat.
Your GPG keyring does not contain the Red Hat, Inc. public key.
Without it, you will be unable to verify that packages Update Agent downloads
are securely signed by Red Hat.
注記
GPG キーはユーザーごとにインストールしなければなりません。 Red Hat Network で使用するキーをインストールするには root としてログインしキーをインポートします。
キーのインストール方法は RPM のバージョンによって異なります。 Red Hat Enterprise Linux 3 で同梱されるバージョン 4.1 から始める場合、 RPM を使用して GPG キーをインポートできます。 root としてシェルプロンプトで次のコマンドを発行します。
rpm --import /usr/share/doc/rpm-4.1/RPM-GPG-KEY
rpm --import /usr/share/doc/rpm-4.1/RPM-GPG-KEY rpm --import /usr/share/doc/rpm-4.1/RPM-GPG-KEY rpm --import /usr/share/doc/rpm-4.1/RPM-GPG-KEY
Red Hat Enterprise Linux 2.1 に同梱されているような旧式の RPM バージョンの場合は、
gpg
を使用します (root になる)。
/usr/bin/gpg --import /usr/share/rhn/RPM-GPG-KEY
/usr/bin/gpg --import /usr/share/rhn/RPM-GPG-KEY
はじめて Red Hat GPG キーをダウンロードする場合は、 https://www.redhat.com/security/team/key.html から取得することができます。 例を示します。
テキストファイルを保存して、 使用している RPM のバージョンに適用できる方法でキーリングにこのファイルをインポートします。
4.3.2. 手作業によるパッケージのインストール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Red Hat Update Agent または RHN Web サイトでソフトウェア更新のダウンロードのみでインストールは行わない選択している場合は RPM を使用して手作業で更新をインストールする必要があります。
更新のインストールを行うには、 ダウンロードしたパッケージを収納しているディレクトリに移動します。 デフォルトのディレクトリは
/var/spool/up2date
です。 コマンド rpm -Uvh *.rpm
を入力します。 パッケージのインストールが終了したら、 その更新パッケージはもう必要がなくなるので削除しても構いません。
パッケージをインストールしたら、 システムプロファイルを更新して再度ダウンロードのプロンプトが表示されないようにする必要があります。 詳細は 「システムプロファイルを同期する」 で確認してください。
4.3.3. システムプロファイルを同期する リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Red Hat Update Agent により最新のパッケージがインストールされるよう設定を行っている場合、 Red Hat Network に保存してあるシステムプロファイルはパッケージのインストール後に更新されます。 ただし、 Red Hat Update Agent を使用して最新の RPM パッケージをダウンロードした場合、 Web サイトから RPM パッケージをダウンロードした場合、 自分で RPM パッケージをアップグレード/インストール/削除した場合は、 システムプロファイルは自動的には更新されません。 RHN サーバーに更新したシステムプロファイルを送信する必要があります。
ローカルの Red Hat Enterprise Linux 5 システムにある RPM パッケージ一覧と Red Hat Network 上のそれを同期する場合は次のコマンドを実行します。
rhn-profile-sync
rhn-profile-sync
このコマンドを実行すると、 RHN のシステムプロファイルがシステム上にインストールされた最新のソフトウェアバージョンを反映します。
Red Hat Enterprise Linux 4 システムの場合、 次のコマンドを使用してパッケージ一覧を更新します。
up2date -p
up2date -p
4.3.4. ログファイル リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Red Hat Update Agent はシステム上で行われる全ての動作を
/var/log/up2date
ファイルにログ記録していきます。 ファイルは標準の循環式ログメソッドを使用します。 したがって、 ログは /var/log/up2date.1
、 /var/log/up2date.2
、 /var/log/up2date.3
の順で記録されます。 ログファイルは Red Hat Update Agent によって行われた動作を記録します。 たとえば、 RPM データベースが開かれたとき、 システムプロファイルからの情報取得のため Red Hat Network に接続したとき、 ダウンロードされたパッケージについて、 Red Hat Update Agent を使用してインストールしたパッケージについて、 インストール後にシステムから削除されたパッケージについてなどです。 ユーザー自身がパッケージのインストールや削除を選択した場合はこのファイルには記録されません。 Red Hat Network ではRed Hat Update Agent により行われた動作ではない動作についてはユーザーが記録をつけておくことをお勧めします。