24.3. ディスクレスクライアントのエクスポートしたファイルシステムの設定
エクスポートしたファイルシステムのルートディレクトリー (ネットワーク上のディスクレスクライアントが使用) は、NFS 経由で共有されます。
/etc/exports
に root ディレクトリーを追加して、root ディレクトリーをエクスポートするように NFS サービスを設定します。その手順は、「/etc/exports
設定ファイル」 を参照してください。
ディスクレスクライアントに完全に対応できるようにするために、root ディレクトリーには Red Hat Enterprise Linux の完全なインストールが含まれている必要があります。これは、以下のように rsync を使用して実行中のシステムと同期できます。
# rsync -a -e ssh --exclude='/proc/*' --exclude='/sys/*' hostname.com:/ /exported/root/directory
hostname.com を、rsync を介して同期する稼働中のシステムのホスト名に置き換えます。
/exported/root/directory
を、エクスポートしたファイルシステムへのパスに置き換えます。
または 、--installroot オプションを指定して yum を使用して、Red Hat Enterprise Linux を特定の場所にインストールすることもできます。以下に例を示します。
yum groupinstall Base --installroot=/exported/root/directory
エクスポートするファイルシステムは、ディスクレスクライアントが使用できるようにする前に追加で設定する必要があります。空き領域が足りない場合は、次の手順を実行します。
手順24.2 ファイルシステムの設定
- エクスポートしたファイルシステムの
/etc/fstab
を、以下の設定を含む(最低でも)設定します。none /tmp tmpfs defaults 0 0 tmpfs /dev/shm tmpfs defaults 0 0 sysfs /sys sysfs defaults 0 0 proc /proc proc defaults 0 0
- ディスクレスクライアントが使用するカーネル (
vmlinuz-kernel-version
) を選択し、tftp の boot ディレクトリーにコピーします。# cp /boot/vmlinuz-kernel-version /var/lib/tftpboot/
- ネットワークサポートで
initrd
(つまりinitramfs-kernel-version.img
)を作成します。# dracut initramfs-kernel-version.img kernel-version
作成されたinitramfs-kernel-version.img
を tftp のブートディレクトリーにコピーします。 /var/lib/tftpboot
内のinitrd
およびカーネルを使用するように、デフォルトのブート設定を編集します。この設定は、エクスポートしたファイルシステム (/exported/root/directory
) を読み書きとしてマウントするよう、ディスクレスクライアントの root に指示を出します。これを行うには、/var/lib/tftpboot/pxelinux.cfg/default
を以下のように設定します。default rhel6 label rhel6 kernel vmlinuz-kernel-version append initrd=initramfs-kernel-version.img root=nfs:server-ip:/exported/root/directory rw
server-ip
を、tftp サービスおよび DHCP サービスが置かれているホストマシンの IP アドレスに置き換えます。
これで、NFS 共有がディスクレスクライアントにエクスポートできるようになりました。これらのクライアントは、PXE 経由でネットワーク経由で起動できます。