第30章 ストレージデバイスへのパスの削除
マルチパスを使用するデバイスへのパスを削除する場合(デバイスの他のパスに影響を与えずに)、一般的な手順は以下のようになります。
手順30.1 ストレージデバイスへのパスの削除
- システムのアプリケーション、スクリプト、ユーティリティーの
/dev/sd または
または major:minor 番号などのデバイスのパスベースの名前への参照を削除します。これは、今後追加される異なるデバイスが現在のデバイスには間違いにならないようにするために重要です。/dev/
disk/by-path - echo offline > /sys/block/sda/device/state を使用して、パスをオフラインにします。これにより、このパスのデバイスに送信された後続の I/O が即座に失敗します。device -mapper-multipath は、デバイスへの残りのパスを引き続き使用します。
- SCSI サブシステムからパスを削除します。そのためには、コマンド echo 1 > /sys/block/ device-name /device/delete コマンドを使用します(
例
: 手順29.1「デバイスの完全削除」)。
手順30.1「ストレージデバイスへのパスの削除」 の実行後に、実行中のシステムからパスを安全に削除できます。この処理が行われている間は、I/Oを停止する必要はありません。device-mapper-multipath は、設定されたパスグループ化やフェイルオーバーポリシーに従って、I/O を残りのパスに再ルーティングします。
ケーブルの物理削除など、その他の手順に SCSI バスの再スキャンを行い、オペレーティングシステムの状態が変更を反映させることは推奨していません。これにより、I/O タイムアウトが原因で遅延が発生し、デバイスが予想外に削除される可能性があります。相互接続の再スキャンを実行する必要がある場合は、34章ストレージ Interconnect のスキャン の説明に従って I/O が一時停止している間に実行する必要があります。