9.3. NFS クライアント設定
mount コマンドは、クライアント側に NFS 共有をマウントします。形式は以下のようになります。
# mount -t nfs -o options server:/remote/export /local/directory
このコマンドは、以下のような変数を使用します。
- オプション
- マウントオプションのカンマ区切りリスト。有効な NFS マウントオプションの詳細については、「一般的な NFS マウントオプション」 を参照してください。
- server
- マウントするファイルシステムをエクスポートするサーバーのホスト名、IP アドレス、または完全修飾ドメイン名
- /remote/export
- サーバー からエクスポートされるファイルシステムまたはディレクトリー、つまり、マウントするディレクトリー
- /local/directory
- /remote/export がマウントされているクライアントの場所
Red Hat Enterprise Linux 6 で使用される NFS プロトコルのバージョンは、mount オプションの nfsvers または vers で識別されます。デフォルトでは、mount は mount -t nfs で NFSv4 を使用します。サーバーが NFSv4 に対応していない場合、クライアントはサーバーがサポートしているバージョンに自動的にステップダウンします。サーバーでサポートされていない特定のバージョンを渡すために nfsvers/vers オプションを使用した場合は、マウントに失敗します。レガシーの理由により、ファイルシステムタイプ nfs4 も利用可能です。これは、mount -t nfs -o nfsvers=4 host:/remote/export /local/directory を実行することと同じになります。
詳細は man mount を参照してください。
NFS 共有が手動でマウントされた場合は、再起動時に共有は自動的にマウントされません。Red Hat Enterprise Linux は、ブート時にリモートファイルシステムを自動的にマウントするために、
/etc/fstab
ファイルおよび autofs サービスの 2 つの方法を提供します。詳細は、「/etc/fstab
を使用した NFS ファイルシステムのマウント」 および 「autofs」 を参照してください。
9.3.1. /etc/fstab
を使用した NFS ファイルシステムのマウント
別のマシンから NFS 共有をマウントする別の方法は、
/etc/fstab
ファイルに行を追加することです。その行には、NFS サーバーのホスト名、エクスポートされるサーバーディレクトリー、および NFS 共有がマウントされるローカルマシンディレクトリーを記述する必要があります。/etc/fstab
ファイルを変更するには、root でなければなりません。
例9.1 構文の例
/etc/fstab
の行の一般的な構文は以下の通りです。
server:/usr/local/pub /pub nfs defaults 0 0
このコマンドを実行する前に、マウントポイント
/pub
がクライアントマシンに存在している必要があります。この行をクライアントシステムの /etc/fstab
に追加した後に、コマンド mount /pub
を使用すると、マウントポイント /pub
がサーバーからマウントされます。
/etc/fstab
ファイルは起動時に netfs サービスで参照されるため、NFS 共有を参照する行は、ブートプロセス中に手動で mount コマンドを入力するのと同じ効果があります。
NFS エクスポートをマウントする有効な
/etc/fstab
エントリーには、以下の情報が含まれている必要があります。
server:/remote/export /local/directory nfs options 0 0
変数 server、/remote/export、/local/directory、および options は、NFS 共有を手動でマウントする際に使用されるものと同じです。各変数の定義については、「NFS クライアント設定」 を参照してください。
注記
/etc/fstab
を読み取る前に、マウントポイント /local/directory はクライアントに存在している必要があります。そうしないと、マウントは失敗します。
/etc/fstab
の詳細は、man fstab を参照してください。