17.3. Linux RAID サブシステム
Linux の RAID は以下のサブシステムから構成されます。
Linux ハードウェア RAID のコントローラードライバー
Linux には、ハードウェア RAID コントローラーに固有の RAID サブシステムがありません。特殊な RAID チップセットを使用するため、ハードウェア RAID コントローラーには独自のドライバーが含まれます。これらのドライバーにより、システムは通常のディスクとして RAID セットを検出できるようになります。
mdraid
mdraid サブシステムは Linux 向けのソフトウェア RAID ソリューションとして設計されており、Linux 下のソフトウェア RAID に対する推奨ソリューションです。このサブシステムでは独自のメタデータ形式を使用します。一般的にはネイティブの mdraid メタデータと呼ばれます。
mdraid は外部メタデータとして知られる他のメタデータ形式にも対応しています。Red Hat Enterprise Linux 6 は、外部のメタデータで mdraid を使用して ISW/IMSM (Intel ファームウェア RAID) セットにアクセスします。mdraid セットは、mdadm ユーティリティーで設定および制御されます。
dmraid
Device-mapper RAID や dmraid はディスクをひとつの RAID セットにまとめるメカニズムを提供するデバイスマッパーのカーネルコードを参照します。この同じカーネルでは RAID 設定のメカニズムは提供していません。
dmraid は完全にユーザー領域で設定され、各種のオンディスクメタデータ形式への対応を容易にしています。したがって、dmraid は、さまざまなファームウェア RAID 実装で使用されます。dmraid は Intel ファームウェア RAID もサポートしますが、Red Hat Enterprise Linux 6 は mdraid を使用して Intel ファームウェア RAID セットにアクセスします。