9.4.3. サイト設定ファイルの上書きまたは拡張
クライアントシステム上の特定マウントポイントのサイトデフォルト値を無効にする場合に便利です。たとえば、次の条件を検討します。
- 自動マウント機能マップは NIS に保存され、
/etc/nsswitch.conf
ファイルには以下のディレクティブがあります。automount: files nis
auto.master
ファイルには、+auto.master
- NIS の
auto.master
マップファイルには、以下が含まれます。/home auto.home
- NIS の
auto.home
マップには以下が含まれています。beth fileserver.example.com:/export/home/beth joe fileserver.example.com:/export/home/joe * fileserver.example.com:/export/home/&
- ファイルマップ
/etc/auto.home
は存在しません。
このような状況でクライアントシステムが NIS マップの
auto.home
を無効にして、ホームのディレクトリーを別のサーバーからマウントする必要があると仮定します。この場合、クライアントは以下の /etc/auto.master
マップを使用する必要があります。
/home /etc/auto.home +auto.master
/etc/auto.home
マップにはエントリーが含まれます。
* labserver.example.com:/export/home/&
自動マウント機能で処理されるのは 1 番目に出現するマウントポイントのみになるため、
/home
には NIS auto.home
マップではなく、/etc/auto.home
のコンテンツが含まれます。
一方、サイト全体の
auto.home
マップにいくつかのエントリーを加えて拡大させたい場合は、/etc/auto.home
ファイルマップを作成して新しいエントリーを組み込みます。最後に、NIS の auto.home
マップを含めます。次に、/etc/auto.home
ファイルマップは以下のようになります。
mydir someserver:/export/mydir +auto.home
上記の NIS の
auto.home
マップがリストされると、ls /home が出力されます。
beth joe mydir
autofs は、読み取り中のファイルマップと同じ名前のファイルマップの内容を組み込まないため、上記の例は期待どおりに動作します。このように、autofs は、nsswitch 設定内の次のマップソースに移動します。