第28章 システム管理に関連する Red Hat Customer Portal Lab


Red Hat Customer Portal Labs のツールは、パフォーマンスの向上、問題のトラブルシューティング、セキュリティー問題の特定、および設定の最適化を実行するユーザーをサポートするために設計されたツールです。この付録では、システム管理に関連する Red Hat カスタマーポータルの概要を解説します。すべての Red Hat Customer Portal Labs ツールは Customer Portal Labs から入手できます。

iSCSI Helper

iSCSI Helper は、インターネットプロトコル (IP) ネットワーク越しにブロックレベルのストレージを提供し、サーバーの仮想環境でストレージプールを使用できるようにします。

iSCSI Helper では、入力した設定に基づいて、iSCSI ターゲット (サーバー) または iSCSI イニシエーター (クライアント) のロールに合わせてシステムを設定するスクリプトを生成します。

NTP 設定

NTP (ネットワークタイムプロトコル) 設定 を使用して、以下の設定を行います。

  • NTP サービスを実行しているサーバー
  • NTP サーバーと同期しているクライアント

Samba Configuration Helper

Samba Configuration Helper は、基本的なファイルと、Samba を通してプリンター共有を提供する設定を作成します。

  • Server をクリックして、基本的なサーバー設定を指定します。
  • Shares をクリックして、共有するディレクトリーを追加します。
  • Server をクリックして、割り当てるプリンターを個別に追加します。

VNC Configurator

VNC Configurator は、VNC (仮想ネットワークコンピューティング) サーバーを Red Hat Enterprise Linux サーバーでインストールおよび設定するために設計されています。

VNC Configurator を使用して、VNC サービスを Red Hat Enterprise Linux サーバーでインストールおよび設定するように最適化された、オールインワンのスクリプトを生成します。

Bridge Configuration

Bridge Configuration は、Red Hat Enterprise Linux 5.4 以降を使用する KVM 等のアプリケーションに、ブリッジ接続のネットワークインターフェイスを設定するために作成されました。

Network Bonding Helper

管理者は、Network Bonding Helper を使用して、ボンディングカーネルモジュールおよびボンディングネットワークインターフェイスを使用して、複数のネットワークインターフェイスコントローラーを 1 つのチャンネルにまとめることができます。

Network Bonding Helper を使用すると、複数のネットワークインターフェイスを 1 つのボンディングインターフェイスとして機能させることができます。

LVM RAID Calculator

LVM RAID Calculator は、ストレージオプションを指定した後に、所定の RAID ストレージの論理ボリューム (LVM) を作成するのに最適なパラメーターを決定します。

LVM RAID Calculator を使用して、所定の RAID ストレージに LVM を作成する一連のコマンドを生成します。

NFS Helper

NFS Helper を使用すれば、新しい NFS サーバーやクライアントの設定が簡単に行えます。手順に従って、エクスポートとマウントのオプションを指定します。次に、ダウンロード可能な NFS 設定スクリプトを生成します。

Load Balancer Configuration Tool

Load Balancer Configuration Tool は、Apache をベースとするロードバランサーと JBoss/Tomcat アプリケーションサーバーとの間の最適なバランスを生成します。

Load Balancer Configuration Tool を使用して設定ファイルを作成し、お使いの環境のパフォーマンスを向上させる方法を提案します。

Yum Repository Configuration Helper

Yum Repository Configuration Helper は、単純な Yum リポジトリーを設定するために設計されています。

Yum Repository Configuration Helper を使用して以下の設定を行います。

  • ローカルの Yum リポジトリー
  • HTTP/FTP ベースの Yum リポジトリー

File System Layout Calculator

File System Layout Calculator は、ユーザーが、現在のストレージまたは予定されるストレージを記述したストレージオプションを提供した後に、ext3、ext4、xfs のファイルシステムの作成に最適なパラメーターを決定します。

File System Layout Calculator を使用して、指定された RAID ストレージに所定のパラメーターを持つファイルシステムを作成するコマンドを生成します。

RHEL Backup and Restore Assistant

RHEL Backup and Restore Assistant は、バックアップと復元のツールと、Linux における一般的なシナリオに関する情報を提供します。

対象ツール:

  • dump および restore: ext2、ext3、または ext4 のファイルシステムのバックアップ
  • tar および cpio: たとえばテープドライブをバックアップする際に使用される、ファイルおよびフォルダーのアーカイブまたは復元
  • rsync: バックアップ操作の実行と、ファイルとディレクトリーの同期
  • dd: 関連するファイルシステムやオペレーティングシステムとは独立してブロックごとにファイルをコピーする場合。

対象シナリオ:

  • 障害回復
  • ハードウェアの移行
  • パーティションテーブルのバックアップ
  • 重要なフォルダーのバックアップ
  • 増分バックアップ
  • 差分バックアップ

DNS Helper

DNS Helper は、種類の異なる DNS サーバーの設定に、サポートを提供します。

DNS Helper は、DNS サーバーを自動的に作成および設定するための bash スクリプトを生成するために使用します。

AD Integration Helper (Samba FS - winbind)

AD Integration Helper は、 Samba File System サーバーを Active Directory (AD) サーバーに接続するときに使用します。

AD Integration Helper を使用して、ユーザーが提供する基本的な AD サーバー情報を基にしたスクリプトを生成します。生成されたスクリプトは、Samba、Name Service Switch (NSS)、Pluggable Authentication Module (PAM) を設定します。

Red Hat Enterprise Linux Upgrade Helper

Red Hat Enterprise Linux Upgrade Helper は、Red Hat Enterprise Linux バージョン 6.5、6.6、6.7、または 6.8 をバージョン 7.x へアップグレードする際のサポートを提供するために作られています。

Registration Assistant

Registration Assistant は、お使いの Red Hat Enterprise Linux 環境に最適な登録オプションの選択をサポートします。

Rescue Mode Assistant

Rescue Mode Assistant は、Red Hat Enterprise Linux のレスキューモードで、以下の問題の解決をサポートします。

  • root パスワードのリセット
  • SOS レポートの生成
  • ファイルシステムチェック (fsck) の実行
  • GRUB の再インストール
  • 初期 RAM ディスクイメージの再構築
  • Root ファイルシステムのサイズ縮小

Kernel Oops Analyzer

Kernel Oops Analyzer は、カーネルクラッシュの解決をサポートするように作られています。

Kernel Oops Analyzer を使用して、1 つ以上のカーネル oops メッセージを含むテキストまたはファイルを入力し、ユーザーの事例に最適なソリューションを特定します。

Kdump ヘルパー

Kdump Helper は、Kdump メカニズムを設定するために作られています。

Kdump Helper を使用してスクリプトを生成し、メモリー内のデータを vmcore と呼ばれるダンプファイルへダンプするよう Kdump をセットアップします。

SCSI デコーダー

SCSI decoder は、SCSI エラーメッセージの理解を容易にするため、SCSI エラーメッセージを /log/* ファイルまたはログファイルのスニペットにデコードするように作られています。

SCSI decoder は、各 SCSI エラーメッセージを個別に診断し、問題を効果的に解決するためのソリューションを提示します。

Red Hat Memory Analyzer

Red Hat Memory Analyzer は、SAR ユーティリティーが取得した情報に基づき、ユーザーのシステムのメモリー使用量を視覚化します。

Multipath Helper

マルチパスヘルパー は、Red Hat Enterprise Linux 5、6、7 でマルチパスデバイスに最適な設定を作成します。

Multipath Helper を使用して、カスタムエイリアスやデバイスブラックリストといった高度なマルチパス設定を作成します。

また、Multipath Helper は、確認に使用する multipath.conf ファイルも提供します。必要な設定が終了したら、サーバーにインストールスクリプトをダウンロードして実行します。

Multipath Configuration Visualizer

Multipath Configuration Visualizer は SOS レポートにあるファイルを分析し、マルチパス設定を視覚化した図面を提供します。Multipath Configuration Visualizer を使用すると以下を表示できます。

  • サーバーの HBA (Host Bus Adapters)、ローカルデバイス、および iSCSI デバイスを含むホストコンポーネント
  • ストレージのストレージコンポーネント
  • サーバーとストレージとの間のファブリック、またはイーサネットのコンポーネント
  • 上記の全コンポーネントのパス

.xz、.gz、.bz2 のフォーマットに圧縮された SOS レポートをアップロードするか、クライアント側の分析のためにソースとして選択したディレクトリーに SOS レポートを抽出することができます。

Red Hat I/O Usage Visualizer

Red Hat I/O Usage Visualizer は、SAR ユーティリティーが取得した I/O デバイス使用統計を視覚化して表示します。

Storage/LVM Configuration Viewer

Storage / LVM configuration viewer は、SOS レポートに含まれるファイルを分析し、Storage/LVM 設定を視覚化した図面を作成します。

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