22.2. OpenLMI のインストール
OpenLMI は RPM パッケージのコレクションとして配布され、これには CIMOM、個別の CIM プロバイダー、およびクライアントアプリケーションが含まれます。これにより、管理システムとクライアントシステムの区別ができ、必要なコンポーネントのみをインストールできるようになります。
22.2.1. 管理システムへの OpenLMI のインストール
管理システム は、OpenLMI クライアントツールを使用して監視および管理が可能なシステムです。管理システムに OpenLMI をインストールするには、以下のステップに従います。
シェルプロンプトで、
root
で以下のコマンドを入力し、tog-pegasus パッケージをインストールします。yum install tog-pegasus
これで OpenPegasus CIMOM とすべての依存関係がシステムにインストールされ、
pegasus
ユーザーのユーザーアカウントが作成されます。以下のコマンドを
root
で実行して、必要な CIM プロバイダーをインストールします。yum install openlmi-{storage,networking,service,account,powermanagement}
これでストレージ、ネットワーク、アカウント、および電源管理用の CIM プロバイダーがインストールされます。Red Hat Enterprise Linux 7 で配布される CIM プロバイダーの完全リストは、表22.1「利用可能な CIM プロバイダー」 を参照してください。
/etc/Pegasus/access.conf
設定ファイルを編集して、OpenPegasus CIMOM への接続が許可されるユーザーのリストをカスタマイズします。デフォルトでは、pegasus
ユーザーのみがリモートとローカルの両方で CIMOM にアクセスできます。このユーザーアカウントを有効にするには、root
で以下のコマンドを実行して、ユーザーのパスワードを設定します。passwd pegasus
tog-pegasus.service
ユニットをアクティブにして OpenPegasus CIMOM を起動します。現行セッションでtog-pegasus.service
ユニットをアクティブにするには、root
でシェルプロンプトに以下を入力します。systemctl start tog-pegasus.service
tog-pegasus.service
が起動時に自動的に開始するように設定するには、root
で以下を入力します。systemctl enable tog-pegasus.service
リモートマシンから管理システムに対話するする場合は、TCP 通信をポート
5989
で有効にします (wbem-https
)。現行セッションでこのポートを開くには、root
で以下のコマンドを実行します。firewall-cmd --add-port 5989/tcp
ポート
5989
を TCP 通信用に永続的に開いておくには、root
で以下を入力します。firewall-cmd --permanent --add-port 5989/tcp
これで、「LMIShell の使用」 の説明にあるように、管理システムに接続して OpenLMI クライアントツールを使用して対話できます。管理システムで直接 OpenLMI 操作を実行する場合は、「クライアントシステムへの OpenLMI のインストール」 で説明されている手順も完了してください。
22.2.2. クライアントシステムへの OpenLMI のインストール
管理システムと対話する基となるのが、クライアントシステム です。通常のシナリオでは、クライアントシステムと管理システムは別の 2 つのマシンにインストールされますが、管理システムにクライアントツールをインストールして、直接対話することも可能です。
クライアントシステムに OpenLMI をインストールするには、以下の手順を実行します。
シェルプロンプトで
root
として以下を入力し、openlmi-tools パッケージをインストールします。yum install openlmi-tools
これにより、CIM オブジェクトにアクセスするためのインタラクティブクライアントおよびインタプリターである LMIShell と、そのすべての依存関係がシステムにインストールされます。LMIShell は OpenPegasus が提供します。
- 「OpenPegasus 用に SSL 証明書を設定する」 の説明に従って、OpenPegasus 用の SSL 証明書を設定します。
これで、「LMIShell の使用」 で説明されているように、LMIShell クライアントを使用して管理システムと対話できるようになりました。