21.4. ブロックデバイスとファイルシステムの表示
21.4.1. lsblk コマンドの使用
lsblk
コマンドを使用すると、利用可能なブロックデバイスのリストを表示できます。blkid
コマンドよりも詳細な情報が提供され、出力フォーマットを細かく制御できるようになります。udev から情報を読み取るため、root
以外のユーザーも使用できます。ブロックデバイスのリストを表示するには、シェルプロンプトで以下のコマンドを入力します。
lsblk
リスト表示された各ブロックデバイスについて lsblk
コマンドが表示するのは次のとおりです。デバイス名 (NAME
)、メジャーデバイス番号 (MAJ:MIN
) およびマイナーデバイス番号 (MAJ:MIN
) を表示します。デバイスが読み取り専用 (RO
) の場合は、そのサイズ (SIZE
)、そのタイプ (TYPE
)、デバイスがマウントされている場所 (MOUNTPOINT
) が表示されます。以下に例を示します。
~]$ lsblk NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINT sr0 11:0 1 1024M 0 rom vda 252:0 0 20G 0 rom |-vda1 252:1 0 500M 0 part /boot `-vda2 252:2 0 19.5G 0 part |-vg_kvm-lv_root (dm-0) 253:0 0 18G 0 lvm / `-vg_kvm-lv_swap (dm-1) 253:1 0 1.5G 0 lvm [SWAP]
デフォルトでは、lsblk
はツリーのような形式でブロックデバイスをリスト表示します。情報を通常のリストとして表示するには、-l
コマンドラインオプションを追加します。
lsblk
-l
たとえば、以下のようになります。
~]$ lsblk -l NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINT sr0 11:0 1 1024M 0 rom vda 252:0 0 20G 0 rom vda1 252:1 0 500M 0 part /boot vda2 252:2 0 19.5G 0 part vg_kvm-lv_root (dm-0) 253:0 0 18G 0 lvm / vg_kvm-lv_swap (dm-1) 253:1 0 1.5G 0 lvm [SWAP]
利用可能なコマンドラインオプションのリストは、lsblk(8) の man ページを参照してください。
21.4.2. blkid コマンドの使用
blkid
コマンドを使用すると、利用可能なブロックデバイスに関する低レベルの情報を表示できます。root
権限が必要であるため、root
以外のユーザーは lsblk
コマンドを使用する必要があります。これを行うには、root
で次のコマンドを実行します。
blkid
リスト表示された各ブロックデバイスについて blkid
コマンドは、汎用一意識別子 (UUID
)、ファイルシステムのタイプ (TYPE
)、ボリュームラベル (LABEL
) などの属性を表示します。以下に例を示します。
~]# blkid /dev/vda1: UUID="7fa9c421-0054-4555-b0ca-b470a97a3d84" TYPE="ext4" /dev/vda2: UUID="7IvYzk-TnnK-oPjf-ipdD-cofz-DXaJ-gPdgBW" TYPE="LVM2_member" /dev/mapper/vg_kvm-lv_root: UUID="a07b967c-71a0-4925-ab02-aebcad2ae824" TYPE="ext4" /dev/mapper/vg_kvm-lv_swap: UUID="d7ef54ca-9c41-4de4-ac1b-4193b0c1ddb6" TYPE="swap"
デフォルトでは、blkid
コマンドはすべての利用可能なブロックデバイスをリスト表示します。特定のデバイスの情報のみを表示するには、コマンドラインでデバイス名を指定します。
blkid device_name
たとえば、/dev/vda1
に関する情報を表示するには、root
で以下のコマンドを入力します。
~]# blkid /dev/vda1 /dev/vda1: UUID="7fa9c421-0054-4555-b0ca-b470a97a3d84" TYPE="ext4"
また、上記のコマンドを -p
および -o udev
のコマンドラインオプションと共に使用して、詳細情報を取得することもできます。このコマンドを実行するには、root
権限が必要な点に注意してください。
blkid -po udev device_name
以下に例を示します。
~]# blkid -po udev /dev/vda1 ID_FS_UUID=7fa9c421-0054-4555-b0ca-b470a97a3d84 ID_FS_UUID_ENC=7fa9c421-0054-4555-b0ca-b470a97a3d84 ID_FS_VERSION=1.0 ID_FS_TYPE=ext4 ID_FS_USAGE=filesystem
利用可能なコマンドラインオプションのリストは、blkid(8) の man ページを参照してください。
21.4.3. findmnt コマンドの使用
findmnt
コマンドは、現在マウントされているファイルシステムのリストを表示します。シェルプロンプトで以下を入力してください。
findmnt
リスト表示された各ファイルシステムについて findmnt
コマンドが表示するのは、次のとおりです。ターゲットマウントポイント (TARGET
)、ソースデバイス (SOURCE
)、ファイルシステムタイプ (FSTYPE
)、および関連するマウントオプション (OPTIONS
)。以下に例を示します。
~]$ findmnt TARGET SOURCE FSTYPE OPTIONS / /dev/mapper/rhel-root xfs rw,relatime,seclabel,attr2,inode64,noquota ├─/proc proc proc rw,nosuid,nodev,noexec,relatime │ ├─/proc/sys/fs/binfmt_misc systemd-1 autofs rw,relatime,fd=32,pgrp=1,timeout=300,minproto=5,maxproto=5,direct │ └─/proc/fs/nfsd sunrpc nfsd rw,relatime ├─/sys sysfs sysfs rw,nosuid,nodev,noexec,relatime,seclabel │ ├─/sys/kernel/security securityfs securityfs rw,nosuid,nodev,noexec,relatime │ ├─/sys/fs/cgroup tmpfs tmpfs rw,nosuid,nodev,noexec,seclabel,mode=755 [output truncated]
デフォルトでは、findmnt
はツリーのような形式でファイルシステムをリスト表示します。情報を通常のリストとして表示するには、-l
コマンドラインオプションを追加します。
findmnt
-l
たとえば、以下のようになります。
~]$ findmnt -l TARGET SOURCE FSTYPE OPTIONS /proc proc proc rw,nosuid,nodev,noexec,relatime /sys sysfs sysfs rw,nosuid,nodev,noexec,relatime,seclabel /dev devtmpfs devtmpfs rw,nosuid,seclabel,size=933372k,nr_inodes=233343,mode=755 /sys/kernel/security securityfs securityfs rw,nosuid,nodev,noexec,relatime /dev/shm tmpfs tmpfs rw,nosuid,nodev,seclabel /dev/pts devpts devpts rw,nosuid,noexec,relatime,seclabel,gid=5,mode=620,ptmxmode=000 /run tmpfs tmpfs rw,nosuid,nodev,seclabel,mode=755 /sys/fs/cgroup tmpfs tmpfs rw,nosuid,nodev,noexec,seclabel,mode=755 [output truncated]
特定のタイプのファイルシステムのみをリスト表示するよう選択することも可能です。これを行うには、-t
コマンドラインオプションに続けてファイルシステムタイプを追加します。
findmnt
-t
type
たとえば、すべての xfs
ファイルシステムをリスト表示するには、以下のコマンドを入力します。
~]$ findmnt -t xfs
TARGET SOURCE FSTYPE OPTIONS
/ /dev/mapper/rhel-root xfs rw,relatime,seclabel,attr2,inode64,noquota
└─/boot /dev/vda1 xfs rw,relatime,seclabel,attr2,inode64,noquota
利用可能なコマンドラインオプションのリストは、findmnt(8) の man ページを参照してください。
21.4.4. df コマンドの使用
df
コマンドは、システムのディスク領域の使用量についての詳しいレポートを表示します。シェルプロンプトで以下を入力してください。
df
リスト表示された各ファイルシステムについて df
コマンドが表示するのは次のとおりです。名前 (Filesystem
)、サイズ (1K-blocks
または Size
)、使用容量 (Used
)、利用可能な領域のサイズ (利用可能
)、領域使用量のパーセンテージ (%
)、およびファイルシステムがマウントされている場所 (Mounted on
)。以下に例を示します。
~]$ df Filesystem 1K-blocks Used Available Use% Mounted on /dev/mapper/vg_kvm-lv_root 18618236 4357360 13315112 25% / tmpfs 380376 288 380088 1% /dev/shm /dev/vda1 495844 77029 393215 17% /boot
デフォルトでは、df
コマンドは 1 キロバイトブロック単位でパーティションのサイズを、キロバイト単位で使用中および利用可能なディスク領域の容量を表示します。メガバイトおよびギガバイトで情報を表示するには、コマンドラインオプション -h
を指定して、df
が人間が判読可能な形式で値を表示します。
df
-h
たとえば、以下のようになります。
~]$ df -h Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on /dev/mapper/vg_kvm-lv_root 18G 4.2G 13G 25% / tmpfs 372M 288K 372M 1% /dev/shm /dev/vda1 485M 76M 384M 17% /boot
利用可能なコマンドラインオプションのリストは、df(1) の man ページを参照してください。
21.4.5. du コマンドの使用
du
コマンドはディレクトリー内のファイルが使用している領域を表示します。現在の作業ディレクトリー内のサブディレクトリー用のディスク使用量を表示するには、オプションなしで以下のコマンドを実行します。
du
以下に例を示します。
~]$ du
14972 ./Downloads
4 ./.mozilla/extensions
4 ./.mozilla/plugins
12 ./.mozilla
15004 .
デフォルトでは、du
コマンドはキロバイト単位でディスク使用量を表示します。メガバイトおよびギガバイトで情報を表示するには、コマンドラインオプション -h
を指定して、df が人間が判読可能な形式で値を表示します。
du
-h
たとえば、以下のようになります。
~]$ du -h
15M ./Downloads
4.0K ./.mozilla/extensions
4.0K ./.mozilla/plugins
12K ./.mozilla
15M .
du
コマンドは、リストの最後で常に現在のディレクトリーの合計量を表示します。この情報のみを表示するには、-s
コマンドラインオプションを指定します。
du
-sh
以下に例を示します。
~]$ du -sh
15M .
利用可能なコマンドラインオプションのリストは、du(1) の man ページを参照してください。
21.4.6. システムモニターツールの使用
System Monitor ツールの File System
タブは、グラフィカルユーザーインターフェイスでファイルシステムおよびディスク領域の使用量を表示します。
コマンドラインから System Monitor ツールを起動するには、シェルプロンプトで gnome-system-monitor
と入力します。この結果、System Monitor ツールが表示されます。また、GNOME デスクトップで Super キーを押してアクティビティーの概要を入力する場合は、System Monitor
と入力し、Enter を押します。この結果、System Monitor ツールが表示されます。Super キーはキーボードまたはその他のハードウェアに応じて様々なキーで表示されますが、多くの場合、Windows または Command キーとして通常は Spacebar の左側に表示されます。
File Systems (ファイルシステム)
タブをクリックしてファイルシステムのリストを表示します。
図21.3 システムモニター — ファイルシステム
リスト表示されている各ファイルシステムについて、システム System Monitor ツールはソースデバイス (Device
)、ターゲットマウントポイント (Directory
)、およびファイルシステムタイプ (Type
) 、そのサイズ (Total
)、利用可能な容量 (Available
)、および使用中 (Used
) が表示されます。