第1章 はじめに


本章では、Red Hat Enterprise Linux 7 のインストール直後に実行する必要のある基本的なタスクを説明します。

これらのアイテムには、通常はインストールプロセス中に実行済みとなるタスクが含まれている可能性がありますが、システムの登録など、実行する必要がないものもあることに注意してください。本章の各セクションではこのようなタスクを扱い、インストール中に必要な方法と、別セクションにある関連ドキュメントへのリンクを紹介します。

Red Hat Enterprise Linux 7 のインストールに関する詳細は Red Hat Enterprise Linux 7 インストールガイド を参照してください。

注記

本章では、実行すべきコマンドをいくつか紹介します。root 権限が必要なコマンドには # がついており、一般ユーザーが実行できるコマンドには $ がついています。

インストール後の一般的なタスクの詳細は、インストールガイドの Red Hat Enterprise Linux 7 インストール後 を参照してください。

インストール後のタスクはすべてコマンドラインから実行できますが、一部のコマンドは Web コンソール から実行することもできます。

Web コンソールの概要および使用できるタスク

Web コンソール はシステム管理ツールで、Web ブラウザーを通して監視サーバーおよび管理サーバーのユーザーインターフェイスを提供します。

Web コンソール は、以下のタスクを実行できます。

  • ハードウェア、インターネット接続、パフォーマンスの特徴など、基本的なシステム機能の監視
  • システムログファイルのコンテンツの分析
  • インターフェイス、ネットワークログ、パケットサイズなど、基本的なネットワーキング機能の設定
  • ユーザーアカウントの管理
  • システムサービスの監視および設定
  • 診断レポートの作成
  • カーネルダンプ設定の設定
  • SELinux の設定
  • システムサブスクリプションの管理
  • ターミナルへのアクセス

Web コンソール のインストールおよび使用の詳細は RHEL 7 の Web コンソールを使用したシステムの管理 を参照してください。

1.1. 環境の基本設定

環境の基本設定には以下が含まれます。

  • 日付と時刻
  • システムロケール
  • キーボードのレイアウト

通常、これらのアイテムの設定は、インストールプロセスに含まれます。

詳細は、インストール方法に応じた適切な資料を参照してください。

インストール後に、環境の基本的な特徴を再設定する必要がある場合は、このセクションの指示に従います。

1.1.1. 日付と時刻の設定について

正確な時間を維持することは、様々な理由で重要です。Red Hat Enterprise Linux 7 では、NTP プロトコルにより、時間の正確さが確保されます。ユーザー領域のデーモンは、カーネルで実行しているシステムクロックを更新します。システムクロックは、さまざまなクロックソースを使用して時間を維持します。

Red Hat Enterprise Linux 7 は以下のデーモンを使用して、NTP を実装します。

  • chronyd

    デフォルトでは、chronyd デーモンを使用します。これは chrony パッケージから利用できます。chronydNTP を設定および使用する方法は、18章chrony スイートを使用した NTP 設定 を参照してください。

  • ntpd

    ntpd デーモンは、ntp パッケージから利用できます。ntpd を使用した NTP の設定および使用に関する詳細は 19章ntpd を使用した NTP 設定 を参照してください。

デフォルトの chronyd ではなく ntpd を使用する場合は、chronyd を無効にし、19章ntpd を使用した NTP 設定 に従って ntpd をインストールして有効にし、設定する必要があります。

システムの現在日時の表示

システムの現在日時を表示するには、以下のいずれかのコマンドを使用します。

~]$ date
~]$ timedatectl

timedatectl コマンドを使用すると、より詳細な出力が得られます。出力には、ユニバーサル時間、現在使用しているタイムゾーン、Network Time Protocol (NTP) 設定ステータスなどの情報が含まれます。

日付と時刻の設定に関する詳細は、3章日付と時刻の設定 を参照してください。

1.1.2. システムロケールの設定について

システム全体にわたるロケール設定は /etc/locale.conf ファイルに保存され、システム起動の初期段階で systemd デーモンにより読み込まれます。/etc/locale.conf に設定したロケール設定は、個別のプログラムやユーザーが上書きしない限り、すべてのサービスやユーザーに継承されます。

システムロケールを処理する基本的なタスク

  • 利用可能なシステムロケール設定のリスト表示

    ~]$ localectl list-locales
  • システムロケール設定の現行ステータスの表示

    ~]$ localectl status
  • デフォルトのシステムロケール設定または変更

    ~]# localectl set-locale LANG=locale

システムロケールの設定に関する詳細は、2章システムロケールおよびキーボード設定 を参照してください。

1.1.3. キーボードレイアウトの設定

キーボードレイアウト設定では、テキストコンソールとグラフィカルユーザーインターフェイスで使用するレイアウトを管理します。

キーボードレイアウトを処理する基本的なタスクには、以下が含まれます。

  • 利用可能なキーマップのリスト表示

    ~]$ localectl list-keymaps
  • キーマップ設定の現行ステータスの表示

    ~]$ localectl status
  • デフォルトのシステムキーマップの設定または変更

    ~]# localectl set-keymap

キーボードレイアウトの設定に関する詳細は、2章システムロケールおよびキーボード設定 を参照してください。

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