17.4. SNMP トラップを送信するための Red Hat Virtualization Manager の設定
Simple Network Management Protocol トラップを 1 つ以上の外部 SNMP マネージャーに送信するように Red Hat Virtualization Manager を設定します。SNMP トラップには、システムイベント情報が含まれます。これらは、Red Hat Virtualization 環境を監視するために使用されます。SNMP マネージャーに送信されるトラップの数およびタイプは、Red Hat Virtualization Manager 内で定義できます。
この手順では、トラップを受信するように 1 つ以上の外部 SNMP マネージャーを設定し、以下の情報があることを前提としています。
- SNMP マネージャーとして機能するマシンの IP アドレスまたは完全修飾ドメイン名。必要に応じて、マネージャーがトラップ通知を受け取るポートを決定します。デフォルトでは UDP ポート 162 です。
- SNMP コミュニティー。複数の SNMP マネージャーは単一のコミュニティーに所属できます。管理システムとエージェントは、同じコミュニティー内にある場合にのみ通信できます。デフォルトのコミュニティーは
public
です。 - アラートのトラップオブジェクト識別子。Red Hat Virtualization Manager は、デフォルトの OID 1.3.6.1.4.1.2312.13.1.1 を提供します。この OID が定義されると、すべてのトラップタイプがイベント情報とともに SNMP マネージャーに送信されます。デフォルトのトラップを変更すると、生成されたトラップが Manager の管理情報ベースに準拠するのを防ぎます。
注記
Red Hat Virtualization Manager は、
/usr/share/doc/ovirt-engine/mibs/OVIRT-MIB.txt
および /usr/share/doc/ovirt-engine/mibs/REDHAT-MIB.txt
で管理情報ベースを提供します。続行する前 に、SNMP マネージャーに MIB を読み込みます。
デフォルトの SNMP 設定値は、Manager のイベント通知デーモン設定ファイル
/usr/share/ovirt-engine/services/ovirt-engine-notifier/ovirt-engine-notifier.conf
にあります。次の手順で概説する値は、このファイルで提供されているデフォルト値またはサンプル値に基づいています。ovirt-engine-notifier.conf
ファイルを編集するのではなく、オーバーライドファイルを定義して、アップグレードなどのシステムの変更後も設定オプションを保持することが推奨されます。
手順17.3 Manager での SNMP トラップの設定
- Manager で SNMP 設定ファイルを作成します。
# vi /etc/ovirt-engine/notifier/notifier.conf.d/20-snmp.conf
- SNMP マネージャー、SNMP コミュニティー、および OID を以下の形式で指定します。
SNMP_MANAGERS="manager1.example.com manager2.example.com:162" SNMP_COMMUNITY=public SNMP_OID=1.3.6.1.4.1.2312.13.1.1
- SNMP マネージャーに送信するイベントを定義します。
例17.1 イベントの例
すべてのイベントをデフォルトの SNMP プロファイルに送信します。FILTER="include:*(snmp:) ${FILTER}"
重大度ERROR
またはALERT
のすべてのイベントをデフォルトの SNMP プロファイルに送信します。FILTER="include:*ERROR(snmp:) ${FILTER}"
FILTER="include:*ALERT(snmp:) ${FILTER}"
VDC_START のイベントを指定されたメールアドレスに送信します。FILTER="include:VDC_START(snmp:mail@example.com) ${FILTER}"
VDC_START 以外のすべてのイベントをデフォルトの SNMP プロファイルに送信します。FILTER="exclude:VDC_START include:*(snmp:) ${FILTER}"
これは、ovirt-engine-notifier.conf
で定義されるデフォルトのフィルターです。このフィルターを無効にしたり上書きフィルターを適用しないと、通知は送信されません。FILTER="exclude:*"
VDC_START
は、使用可能な監査ログメッセージの例です。監査ログメッセージの完全なリストは、/usr/share/doc/ovirt-engine/AuditLogMessages.properties
にあります。または、SNMP マネージャー内で結果をフィルターリングします。 - ファイルを保存します。
ovirt-engine-notifier
サービスを開始し、このサービスが起動時に開始することを確認します。# systemctl start ovirt-engine-notifier.service # systemctl enable ovirt-engine-notifier.service
SNMP マネージャーをチェックして、トラップを受け取っていることを確認します。
注記
通知サービスを実行するには、
SNMP_MANAGERS
、MAIL_SERVER
、またはその両方を /usr/share/ovirt-engine/services/ovirt-engine-notifier/ovirt-engine-notifier.conf
またはオーバーライドファイルで適切に定義する必要があります。