11.2. 仮想ディスクの概要
Red Hat Virtualization は、事前 割り当て (シックプロビジョニング)および Sparse (シンプロビジョニング)ストレージオプションを備えています。
- 事前割り当て事前に割り当てられた仮想ディスクは、仮想マシンに必要なすべてのストレージを事前に割り当てます。たとえば、仮想マシンのデータパーティション用に事前に割り当てられた 20 GB の論理ボリュームは、作成直後に 20GB のストレージスペースを占有します。
- スパーススパース割り当てを使用すると、管理者は仮想マシンに割り当てるストレージの合計を定義できますが、ストレージは必要な場合にのみ割り当てられます。たとえば、20 GB のシンプロビジョニングされた論理ボリュームは、最初に作成されたときに 0 GB のストレージスペースを占有します。オペレーティングシステムがインストールされると、インストールされたファイルのサイズを占める可能性があり、データが最大 20GB のサイズまで追加されるにつれて大きくなり続けます。
ディスクのサイズは、各仮想マシンおよびテンプレートの Disks サブタブに一覧表示されます。ディスク の仮想サイズ は、仮想マシンが使用できるディスク領域の合計量です。これは、ディスクの作成または編集時に Size (GB) フィールドに入力した数です。ディスクの Actual Size は、これまでに仮想マシンに割り当てられたディスク容量です。事前に割り当てられたディスクは、両方のフィールドに同じ値を表示します。スパースディスクは、割り当てられたディスク領域の量に応じて、Virtual Size フィールドの値から Actual Size フィールドに異なる値を表示する場合があります。
注記
Cinder 仮想ディスクを作成する場合には、ディスクの形式およびタイプは Cinder によって内部で処理され、Red Hat Virtualization では管理されません。
次の表に、ストレージの種類と形式の可能な組み合わせを示します。
ストレージ | 形式 | タイプ | 注記 |
---|---|---|---|
NFS または iSCSI/FCP | RAW または QCOW2 | スパースまたは事前割り当て | |
NFS | RAW | 事前割り当て | 仮想ディスクに定義されたストレージの量に等しい初期サイズのファイルで、フォーマットはありません。 |
NFS | RAW | スパース | 初期サイズがゼロに近く、フォーマットされていないファイル。 |
NFS | QCOW2 | スパース | 初期サイズがゼロに近く、QCOW2 形式であるファイル。後続のレイヤーは QCOW2 形式になります。 |
SAN | RAW | 事前割り当て | 仮想ディスクに定義されたストレージの量に等しい初期サイズのブロックデバイスで、フォーマットはありません。 |
SAN | QCOW2 | スパース | 初期サイズが仮想ディスクに定義されたサイズ(現在は 1 GB)よりもはるかに小さく、必要に応じて領域を割り当てる QCOW2 フォーマット(現在は 1 GB の増分)を持つブロックデバイス。 |