第6章 バグ修正
ここでは、ユーザーに重大な影響を与えるバグで、Red Hat Enterprise Linux 9.5 で修正されたものについて説明します。
6.1. インストーラーおよびイメージの作成
キックスタートインストールで dhcpclass
オプションが正しく適用されるようになりました
キックスタート設定の適用は、NetworkManager API を使用して NetworkManager から Anaconda に移動されます。以前は、Anaconda は %pre
セクションで指定されたコマンドのみを処理していました。インストール中に、この変更により、キックスタートネットワークコマンドの dhcpclass
オプションが省略され、ネットワーク設定が誤って適用されました。この更新では、NetworkManager API を使用した Anaconda の dhcpclass
オプションの処理が修正されました。その結果、キックスタート設定で定義された dhcpclass
オプションがインストールプロセス中に適切に適用されるようになりました。
仮想ネットワークデバイスを設定する際のインストーラーの安定性が向上する
以前は、GUI で既存の仮想ネットワークデバイス (チームやボンディングなど) 上に VLAN ネットワークデバイスを作成すると、インストーラーがクラッシュすることがありました。これは、基盤となるデバイスの状態が変更されたときに、新しいデバイス状態に合わせてユーザーインターフェイスの設定を更新する際に発生しました。
この更新により、GUI でネットワークの状態を更新するプロセスが、仮想デバイスの状態の変化を処理するように最適化されました。その結果、GUI で設定される仮想ネットワークデバイスに関する変更によってインストーラーがクラッシュすることはなくなりました。
古くなったネットワークリンク設定ファイルによって OS が起動できなくなることがなくなりました
以前は、RHEL インストーラーはインストール中に古い /etc/systemd/network/
リンク設定ファイルを作成していました。古い設定ファイルは、意図したネットワーク設定に干渉します。これにより、NVMe over TCP から起動する場合にシステムが起動できなくなります。この修正により、ユーザーは /etc/systemd/network/10-anaconda-ifname-nbft*.link
ファイルを手動で削除し、dracut -f
コマンドを実行して initramfs を
再生成する必要がなくなりました。