8.5. シェルおよびコマンドラインツール
pkla-compact バイナリーは、polkit が logind-session-monitor イベントで呼び出されたときに実行される
以前は、polkit アクションの認可の再検証は、ログイン、ログアウト、セッション状態の変更など、すべてのユーザーの logind-session-monitor イベントによってトリガーされていました。さらに、各 CheckAuthorization 要求が、polkit-pkla-compat バイナリーを実行してレガシー .pkla 設定ファイルを (システムにそのようなファイルが存在しない場合でも) チェックしていました。そのため、polkit デーモンによる CPU 使用率が増加していました。
現在、polkit アクションに関連する logind-session の変更のみが反映されます。セッションの状態が変更されると、セッションに関連付けられた polkit オブジェクトが再検証 (CheckAuthorization) をトリガーします。更新を成功させるには、GNOME-shell を再起動 (log out to login screen and re-login または reboot) する必要があります。
polkit-pkla-compat バイナリーはソフト依存関係になりました。その結果、/etc/polkit-1/localauthority、/etc/polkit-1/localauthority.conf.d、/var/lib/polkit-1/localauthority およびそれらのサブディレクトリーに .pkla ファイルが存在しない場合にのみ、polkit-pkla-compat バイナリーをアンインストールすることで CPU の負荷を軽減できます。
Jira:RHEL-39063[1]
不足している sieve スクリプトに対する dovecot の安定性の向上
以前は、dovecot は、オプションの sieve スクリプトを適切に追跡していませんでした。その結果、不足しているスクリプトのパスのハッシュグループが別のスクリプトのハッシュグループと一致した場合、メールの配信中に LDA プロセスがクラッシュする可能性がありました。
この修正により、これらのスクリプトの比較と処理が修正されたため、不足しているオプションのスクリプトを処理するときに dovecot がクラッシュしなくなりました。
Jira:RHEL-37160[1]
nvram コマンドの print-config オプションでセグメンテーション違反が発生しない
以前は、nvram コマンドを print-config オプション付きで実行すると、セグメンテーション違反が発生していました。セグメンテーション違反は、コードが varlen インデックスに存在するデータの制限を超えてメモリーにアクセスしようとしたため発生していました。varlen インデックスは、ユーザーが提供する文字列の長さです。
この更新では、データの長さが varlen インデックスを超えるかどうか確認する条件が追加されました。これにより、制限を超えるメモリーへのアクセスが阻止され、セグメンテーション違反を防ぐことができます。
Jira:RHEL-23624[1]
nvram --nvram-size コマンドでセグメンテーション違反が発生しない
以前は、nvram-size コマンドがデフォルトのサイズ値を超えると、セグメンテーション違反が発生していました。
nvram: WARNING: expected 268435456 bytes, but only read 15360!
nvram: WARNING: expected 268435456 bytes, but only read 15360!
この修正により、無限 while ループを回避してセグメンテーション違反を防ぐために、nvram-size のチェック条件が追加されました。
Jira:RHEL-23619[1]
ReaR が、URL 内の IPv6 アドレスを囲む角括弧を想定どおりに解釈するようになる
以前は、OUTPUT_URL および BACKUP_URL 内の角括弧が正しく解釈されませんでした。ホスト名の代わりに IPv6 アドレスを指定する場合は、アドレスを角括弧で囲む必要があります。たとえば、localhost の場合は [::1] になります。括弧が正しく解釈されなかったため、sshfs:// または nfs:// URL で IPv6 アドレスを使用できませんでした。
その結果、ユーザーが BACKUP_URL または OUTPUT_URL で角括弧で囲まれた IPv6 アドレスを使用して sshfs:// または nfs:// スキームを使用した場合、ReaR は次のようなエラーメッセージを表示して途中で中止しました。
ERROR: Invalid scheme '' in BACKUP_URL
ERROR: Invalid scheme '' in BACKUP_URL
この更新により、ReaR は sshfs:// および nfs:// URL を解析する際に、角括弧をシェルのメタ文字として解釈しないように修正されました。これで、sshfs:// または nfs:// スキームを使用する BACKUP_URL および OUTPUT_URL で、括弧で囲まれた IPv6 アドレスを使用できるようになりました。以下に例を示します。
OUTPUT_URL=nfs://[2001:db8:ca2:6::101]/root/REAR
OUTPUT_URL=nfs://[2001:db8:ca2:6::101]/root/REAR
この修正が実装される前は、引用符とバックスラッシュ文字を使用してバグを回避することができました。次に例を示します。
OUTPUT_URL="nfs://\[2001:db8:ca2:6::101\]/root/REAR"
OUTPUT_URL="nfs://\[2001:db8:ca2:6::101\]/root/REAR"
注記: 回避策を使用している場合は、更新プログラムを適用した後にバックスラッシュ文字を削除してください。