8.13. Identity Management
pam_console
モジュールが非推奨となる
RHEL 9.5 では、pam_console
モジュールが非推奨となり、今後のリリースで削除される予定です。pam_console
モジュールは、物理コンソールまたは端末にログインしたユーザーにファイル権限と認証機能を付与し、コンソールのログイン状態とユーザーの存在に基づいてこれらの権限を調整します。pam_console
の代わりに、systemd-logind
システムサービスを使用することもできます。設定の詳細は、logind.conf (5) の
man ページを参照してください。
Jira:RHELDOCS-18158[1]
BDB バックエンドが 389-ds-base
で非推奨となる
389-ds-base
で使用される Berkeley Database (BDB) バージョンを実装する libdb
ライブラリーは、RHEL 9.0 では非推奨になりました。その結果、Directory Server は BDB バックエンドを非推奨にしました。BDB のサポートは、Directory Server の将来のメジャーバージョンでは削除されます。
代わりに、Directory Server はテクノロジープレビューとして利用可能な Lightning Memory-Mapped Database (LMDB) を使用してインスタンスを作成できるようになりました。
Jira:RHELDOCS-19064[1]
sss_ssh_knownhostsproxy
ツールは廃止されました
sss_ssh_knownhostsproxy
は非推奨となり、RHEL 10 ではより効率的なツールに置き換えられます。sss_ssh_knownhostsproxy は
、RHEL 9 では下位互換性のために保持され、RHEL 10 では削除されます。ssh KnownHostsCommand
オプションのサポートは、今後のリリースで追加される予定です。
Jira:RHELDOCS-19115[1]
OpenDNSSec の SHA-1
が非推奨になりました
OpenDNSSec は、SHA-1
アルゴリズムを使用したデジタル署名および認証レコードのエクスポートに対応しています。SHA-1
アルゴリズムの使用に対応しなくなりました。RHEL 9 リリースでは、OpenDNSSec の SHA-1
が非推奨になり、今後のマイナーリリースで削除される可能性があります。また、OpenDNSSec のサポートは、Red Hat Identity Management との統合に限定されます。OpenDNSSec はスタンドアロンでは対応していません。
SSSD 暗黙的なファイルプロバイダードメインが、デフォルトで無効化される
/etc/shadow
などのローカルファイルからユーザー情報を取得し、/etc/groups
からのグループ情報をグループ化する SSSD 暗黙的 files
プロバイダードメインが、デフォルトで無効になりました。
SSSD を使用してローカルファイルからユーザーおよびグループ情報を取得するには、次のコマンドを実行します。
SSSD を設定します。以下のいずれかのオプションを選択します。
sssd.conf
設定ファイルでid_provider=files
を使用して、ローカルドメインを明示的に設定します。[domain/local] id_provider=files ...
sssd.conf
設定ファイルでenable_files_domain=true
を設定して、ファイル
プロバイダーを有効にします。[sssd] enable_files_domain = true
ネームサービススイッチを設定します。
# authselect enable-feature with-files-provider
ユーザー情報のキャッシュと同期を復元するには、シンボリックリンクを作成して、
shadow-utils
とsssd_cache
の統合を有効にします。# ln -s /usr/sbin/sss_cache /usr/sbin/sss_cache_shadow_utils
Jira:RHELPLAN-100639[1], Jira:RHEL-56352
SSSD files
プロバイダーは非推奨に
SSSD files
プロバイダーは Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 9 で非推奨になりました。files
プロバイダーは、RHEL の将来のリリースから削除される可能性があります。
Jira:RHELPLAN-139805[1]
AD および IdM の enumeration
機能が非推奨になりました
enumeration
機能を使用すると、Active Directory (AD)、Identity Management (IdM)、および LDAP プロバイダーに対して、引数なしで getent passwd
または getent group
コマンドを使用することで、すべてのユーザーまたはグループをリスト表示できます。Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 9 では、AD および IdM に対する enumeration
機能のサポートは廃止されました。RHEL 10 では、AD および IdM に対する enumeration
機能は削除されます。
libsss_simpleifp
サブパッケージが非推奨になりました
libsss_simpleifp.so
ライブラリーを提供する libsss_simpleifp
サブパッケージは、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 9 で非推奨になりました。libsss_simpleifp
サブパッケージは、RHEL の今後のリリースから削除される可能性があります。
Samba で SMB1 プロトコルが非推奨になりました
Samba 4.11 以降、安全でない Server Message Block バージョン 1 (SMB1) プロトコルは非推奨となり、今後のリリースでは削除される予定です。
セキュリティーを向上させるために、デフォルトでは、Samba サーバーおよびクライアントユーティリティーで SMB1 が無効になっています。
Jira:RHELDOCS-16612[1]