第1章 概要
1.1. RHEL 9.5 における主な変更点
セキュリティー
新しい sudo RHEL システムロール を使用すると、RHEL システム全体で sudo 設定を大規模に一貫して管理できます。
OpenSSL TLS ツールキットがバージョン 3.2.2 にアップグレードされました。OpenSSL は、証明書圧縮エクステンション (RFC 8879) をサポートするようになり、Brainpool 曲線が TLS 1.3 プロトコル (RFC 8734) に追加されました。
ca-certificates プログラムは、OpenSSL ディレクトリー形式で信頼できる CA ルートを提供するようになりました。
crypto-policies パッケージが更新され、Java でのアルゴリズム選択の制御が拡張されました。
SELinux ポリシーでは、QEMU ゲストエージェントが制限されたコマンドを実行できるようにするブール値が提供されるようになりました。
NSS 暗号化ツールキットパッケージがアップストリームバージョン 3.101 にリベースされました。
詳細は、新機能 - セキュリティー を参照してください。
動的プログラミング言語、Web サーバー、およびデータベースサーバー
次の Application Streams の新しいバージョンが利用可能になりました。
- Apache HTTP Server 2.4.62
- Node.js 22
詳細は、新機能 - 動的プログラミング言語、Web サーバー、およびデータベースサーバー を参照してください。
コンパイラーおよび開発ツール
更新されたシステムツールチェーン
以下のシステムツールチェインコンポーネントが更新されました。
- GCC 11.5
- Annobin 12.70
パフォーマンスツールとデバッガーの更新
RHEL 9.5 では、以下のパフォーマンスツールおよびデバッガーが更新されました。
- GDB 14.2
- Valgrind 3.23.0
- SystemTap 5.1
- elfutils 0.191
- libabigail 2.5
更新されたパフォーマンスモニタリングツール
RHEL 9.5 では、以下のパフォーマンスモニタリングツールが更新されました。
- PCP 6.2.2
- Grafana 10.2.6
更新されたコンパイラーツールセット
次のコンパイラーツールセットが RHEL 9.5 で更新されました。
- GCC Toolset 14 (新規)
- LLVM Toolset 18.1.8
- Rust Toolset 1.79.0
- Go Toolset 1.22
詳しい変更点は、新機能 - コンパイラーと開発ツール を参照してください。
Web コンソール
cockpit-files
パッケージによって提供される新しい ファイルブラウザー を使用すると、RHEL Web コンソールでファイルとディレクトリーを管理できます。
詳細は、新機能 - Web コンソール を参照してください。
クラウド環境の RHEL
OpenTelemetry フレームワークを使用して、RHEL クラウドインスタンスからログ、メトリクス、トレースなどのテレメトリーデータを収集し、そのデータを AWS CloudWatch などの外部分析サービスに送信できるようになりました。
詳細は、新機能 - クラウド環境の RHEL を参照してください。