4.9. ファイルシステムおよびストレージ
tmpfs
ファイルシステムのファイルシステムクォータがサポートされるようになる
この更新により、システム管理者はファイルシステムクォータを実装して、tmpfs
ファイルシステム上でユーザーが消費できる容量やメモリーを制限し、メモリー枯渇を防止できるようになりました。
Jira:RHEL-7768[1]
NVMe/TCP による NVMe TP 8006 インバンド認証がサポートされるようになる
RHEL 9.2 でテクノロジープレビューとして導入された NVMe over Fabrics (NVMe-oF) の NVMe TP 8006 インバンド認証が、完全にサポートされるようになりました。この機能は、NVMe Technical Proposal 8006 で定義されている NVMe-oF 用の DH-HMAC-CHAP インバンド認証プロトコルを提供します。詳細は、nvme-connect(1)
man ページの dhchap-secret
および dhchap-ctrl-secret
オプションの説明を参照してください。
cryptsetup
がバージョン 2.7 にリベース
cryptsetup
パッケージがバージョン 2.7 にリベースされました。これには、kdump
が有効なシステムで Linux Unified Key Setup (LUKS) 暗号化デバイスをサポートするための libcryptsetup
パッケージの改善が含まれています。
Jira:RHEL-32377[1]
Dax 機能が Ext4 と XFS でサポートされるようになる
以前はテクノロジープレビューとして提供されていた Ext4 および XFS ファイルシステムの直接アクセス (DAX) 機能が、完全にサポートされるようになりました。DAX を使用すると、アプリケーションが永続メモリーをアドレス空間に直接マップできるようになり、パフォーマンスが向上します。詳細は Creating a file system DAX namespace on an NVDIMM を参照してください。
Jira:RHELDOCS-19196[1]
EROFS ファイルシステムがサポートされるようになる
EROFS は、組み込みデバイスやコンテナーなど、さまざまな読み取り専用ユースケースに適した軽量の汎用読み取り専用ファイルシステムです。必要に応じて、重複排除と透過的な圧縮を提供します。
詳細は、erofs のドキュメント を参照してください。
nvme-cli
と cryptsetup
が NVMe SED 上の Opal 自動化で利用可能に
NVMe 自己暗号化ドライブ (SED) は、ドライブに保存されるデータを保護するために、ハードウェア暗号化テクノロジーの Opal ストレージ仕様をサポートしています。以前は、NVMe SED で Opal をサポートするには、データにアクセスするためのパスワードを管理するために手動での操作が必要でした。
この更新により、nvme-cli
と cryptsetup
を使用して暗号化管理とドライブのロック解除を自動化できるようになります。
NVMe SSD で NVMe SED オプションを使用するには、次のコマンドを実行します。
- SED Opal のロック機能を確認するには、以下を実行します。
nvme sed discover /dev/nvme0n1
# nvme sed discover /dev/nvme0n1
Locking Features:
Locking Supported: Yes
Locking Feature Enabled: No
Locked: No
- SED Opal デバイスをロックのために初期化するには、以下を実行します。
- SED Opal デバイスをロックするには、以下を実行します。
- SED Opal デバイスのロックを解除するには、以下を実行します。
- SED Opal デバイスのパスワードを変更するには、以下を実行します。
nvme sed password /dev/nvme0n1
# nvme sed password /dev/nvme0n1
Password:
New Password:
Re-enter New Password:
- SED Opal デバイスのロックを解除するには、以下を実行します。
- SED Opal デバイスをリセットし、完全に消去して元に戻し、ロックを無効にするには以下を実行します。
注意: NVMe ディスク上のデータの消去を回避するには、-e
パラメーターを指定せずに nvme sed revert
を使用してください。
デバイスは、/dev/nvme0
などの NVMe キャラクターデバイス、/dev/nvme0n1
などの NVMe ブロックデバイス、または mctp:<net>,<eid>[:ctrl-id]
形式の mctp
アドレスのいずれかです。
nvme-cli を使用して RHEL 10 で NVMe OPAL デバイスを使用するコマンドの例は以下のとおりです。
- NVMe ディスクを初期化、ロック、ロック解除し、ロック解除後にディスク上のデータが変更されていないことを確認します。