6.8. ファイルシステムおよびストレージ
multipathd
は、応答しない代わりにメッセージを表示するようになる
以前は、multipathd show maps topology
コマンドまたはマルチパスデバイスなしで他のコマンドを実行すると、コマンドがハングしてタイムアウトし、他の応答がありませんでした。この更新により、multipathd
コマンドは、ハングやタイムアウトが発生することなく、返す出力がない場合に ok
を表示するようになりました。
Jira:RHEL-44569[1]
multipath
がパスをネイティブの multipathd
NVMe デバイスに正しく関連付けるようになる
以前は、multipath
コマンドは正しいパスを表示する代わりに、namespace 1 を持つネイティブ multipathd
NVMe デバイスを、パス内の最初の定義された namespace として表示していました。この修正により、multipath
はネイティブの multipathd
NVMe デバイスをリストする際に、そのデバイスへのパスを正しく一致させるようになりました。その結果、multipath
を使用してネイティブの multipathd
NVMe デバイスを表示するときに、パスの namespace ID が NVMe デバイスの namespace ID と一致する正しいパスが表示されます。
Jira:RHEL-28068[1]
multipathd
の flush_on_last_del
パラメーターの変更により、サービスがハングする問題が解決される
以前は、最後のパスが削除された未使用のマルチパスデバイスを自動的に削除しようとすると、multipathd
がハングする可能性がありました。この場合、マルチパスデバイスは、使用可能なパスがないときに IO をキューするように設定されていました。
この修正により、キューイングが無効になり、multipathd
はマルチパスデバイスを自動的に削除するようになりました。デバイス上でキューイングが無効になっていない場合、multipathd
は自動削除を試行しません。これを実現するには、flush_on_last_del
パラメーターに yes
または no
とともに次のオプションを設定できます。
-
always
:always
またはyes
に設定すると、最後のパスが削除されたときにmultipathd
は常にキューイングを無効にします。 -
unused
: これはデフォルトのオプションです。unused
またはno
に設定すると、最後のパスが削除され、デバイスが未使用の場合、multipathd
はキューイングを無効にします。 -
never
:never
に設定すると、最後のパスが削除されたときにmultipathd
はキューイングを無効にしません。
その結果、最後の既知のパスが無効である未使用のマルチパスデバイスを自動的に削除しようとしているときに、multipathd
が応答しなくなることがなくなりました。
Jira:RHEL-30272[1]
/etc/fstab
にマウントポイントとして NVMe-FC デバイスを追加すると、システムが正常に起動する
以前は、nvme-cli nvmf-autoconnect systemd
サービスの既知の問題により、Non-volatile Memory Express over Fibre Channel (NVMe-FC) デバイスを /etc/fstab
ファイルのマウントポイントとして追加すると、システムが起動できませんでした。その結果、システムは緊急モードに入っていました。この更新により、NVMe-FC デバイスをマウントした際に、システムが問題なく起動するようになりました。
Jira:RHEL-8171[1]
オペレーティングシステムのインストール中に LUN が表示されるようになる
以前は、特に iSCSI iBFT (Boot Firmware Table) に保存されている CHAP (Challenge-Handshake Authentication Protocol) 認証による iSCSI ハードウェアオフロードが関係する場合、システムはファームウェアソースからの認証情報を使用していませんでした。その結果、インストール中に iSCSI ログインが失敗しました。
udisks2-2.9.4-9.el9
ファームウェア認証の修正により、この問題は解決され、インストールおよび初回起動時に LUN が表示されるようになりました。
Bugzilla:2213769[1]