6.9. 高可用性およびクラスター
grep
ユーティリティーにパイプした場合に pcs
出力がラップされなくなりました
以前は、'pcs' 出力が別のプロセスにパイプされた場合、出力幅のデフォルトが 80 文字に設定されていました。これにより、grep
ユーティリティーを使用して出力内の特定の行を簡単に検索できませんでした。今回の変更により、pcs
は grep
にパイプされたときに出力をラップしなくなりました。
pcsd
プロセスが、必ず適切かつ迅速に停止するようになりました
以前は、pcsd
プロセスの作成方法が原因で、プロセス終了時にデッドロックが生じることがありました。その場合、プロセスは systemd
タイムアウトの後にしか終了しませんでした。今回の修正により、プロセス作成方法が変更され、プロセス停止時にデッドロックが発生しなくなりました。そのため、pcsd
は短時間で正常に停止します。
SBD オプションの pcs
検証
以前は、pcs stonith sbd enable
コマンドで SBD を有効にし、無効な SBD オプションの値を指定すると、SBD の誤設定が発生していました。pcs
コマンドラインインターフェイスが更新され、SBD オプションの値が検証されるようになりました。無効な値の場合、pcs
はエラーを報告し、SBD 設定を作成または更新しません。
Booth あ~日とレーターノードから Booth 設定を削除する機能
以前は、pcs booth destroy
コマンドを実行して Booth 設定を Booth アービトレーターノードから削除すると、エラーが発生していました。これは、コマンドがクラスターの一部ではないノードから Booth 設定を削除しなかったために発生していました。現在は、Booth アービトレーターから Booth 設定を削除できるようになりました。
pcs
は、フェンシングレベルが 9 を超えるフェンシングトポロジーを検証しなくなりました
Pacemaker クラスターリソースマネージャーは、9 より大きいフェンシングトポロジーレベルを無視します。9 より大きいレベルを設定すると、フェンシングが失敗する可能性があります。今回の更新により、pcs
コマンドラインインターフェイスで 1 から 9 の値のフェンシングレベルを設定できるようになり、フェンシングトポロジーが正しく機能するようになりました。
CIB マネージャーのサイズが、非同期クライアントからの要求のたびに無制限に増大しなくなりました。
以前は、CIB マネージャーが非同期クライアントから要求を受信すると、少量のメモリーが漏洩していました。これにより、CIB マネージャープロセスのサイズが徐々に増大していました。今回の修正により、非同期クライアントの関連メモリーが解放され、CIB マネージャープロセスのサイズが無制限に増大しなくなりました。
crm_node -i
コマンドがノード ID を正しく解析するようになりました
以前は、crm_node -i
および同等の crm_node --cluster-id
コマンドが、予想どおりにローカルノードのクラスター ID を表示するのではなく、"Node is not known to cluster" というメッセージを表示することがありました。この修正により、ノード ID が適切に解析され、コマンドが意図したとおりに動作するようになりました。