11.18. クラウド環境の RHEL
Nutanix AHV で LVM を使用する RHEL 9 仮想マシンのクローンを作成または復元すると、ルート以外のパーティションが表示されなくなる
Nutanix AHV ハイパーバイザーをホストとする仮想マシン (VM) で RHEL 9 ゲストオペレーティングシステムを実行する場合、スナップショットから VM を復元するか VM をクローンすると、ゲストが論理ボリューム管理 (LVM) を使用している場合は VM 内の非ルートパーティションを消失させることがあります。これにより、以下の問題が発生します。
- スナップショットから仮想マシンを復元すると、仮想マシンは起動できず、緊急モードに入ります。
- クローンを作成して作成した仮想マシンは起動できず、緊急モードに入ります。
これらの問題を回避するには、仮想マシンの緊急モードで以下を行います。
-
rm/etc/lvm/devices/system.devices
の LVM システムデバイスファイルを削除します。 -
vgimportdevices -a
を実行して LVM デバイス設定を再作成します。 - 仮想マシンを再起動します。
これにより、クローン化または復元された VM を正しく起動できます。
または、問題が発生しないようにするには、VM のクローンを作成する前、または VM のスナップショットを作成する前に、次の手順を実行します。
-
/etc/lvm/lvm.conf
ファイル内のuse_devicesfile = 0
行のコメントを解除します。 initramfs
を再生成します。これを行うには、仮想マシンで次の手順を実行し、<kernelVersion> を再構築するカーネルの完全なバージョンに置き換えます。現在の
initramfs
設定をバックアップします。cp /boot/initramfs-<kernelVersion>.img /boot/initramfs-<kernelVersion>.img.bak
# cp /boot/initramfs-<kernelVersion>.img /boot/initramfs-<kernelVersion>.img.bak
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow initramfs
をビルドします。dracut -f /boot/initramfs-<kernelVersion>.img <kernelVersion>
# dracut -f /boot/initramfs-<kernelVersion>.img <kernelVersion>
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
- 仮想マシンを再起動して、正常に起動したことを確認します。
Bugzilla:2059545[1]
ESXi で RHEL 9 ゲストをカスタマイズすると、ネットワークの問題が発生することがある
現在、VMware ESXi ハイパーバイザーでの RHEL 9 ゲストオペレーティングシステムのカスタマイズは、NetworkManager キーファイルでは正しく機能しません。その結果、ゲストがそのようなキーファイルを使用している場合、IP アドレスやゲートウェイなどのネットワーク設定が正しくなくなります。
詳細と回避策は、VMware ナレッジベース を参照してください。
Bugzilla:2037657[1]
cloud-init
によってプロビジョニングされ、NFSv3 マウントエントリーで設定された場合、Azure で RHEL インスタンスが起動しない
現在、仮想マシンが cloud-init
ツールによってプロビジョニングされ、仮想マシンのゲストオペレーティングシステムで /etc/fstab
ファイルに NFSv3 マウントエントリーがある場合、Microsoft Azure クラウドプラットフォームで RHEL 仮想マシンの起動に失敗します。現在、この問題に対する回避策はありません。
Bugzilla:2081114[1]
kmemleak
オプションが有効になっていると、大規模な仮想マシンがデバッグカーネルで起動できない場合がある
RHEL 9 仮想マシンをデバッグカーネルで起動しようとすると、マシンカーネルが kmemleak=on
引数を使用している場合、次のエラーで起動が失敗することがあります。
Cannot open access to console, the root account is locked. See sulogin(8) man page for more details. Press Enter to continue.
Cannot open access to console, the root account is locked.
See sulogin(8) man page for more details.
Press Enter to continue.
この問題は主に、ブートシーケンスに多くの時間を費やす大規模な仮想マシンに影響します。
この問題を回避するには、マシン上の /etc/fstab
ファイルを編集し、追加のタイムアウトオプションを /boot
および /boot/efi
マウントポイントに追加します。以下に例を示します。
UUID=e43ead51-b364-419e-92fc-b1f363f19e49 /boot xfs defaults,x-systemd.device-timeout=600,x-systemd.mount-timeout=600 0 0 UUID=7B77-95E7 /boot/efi vfat defaults,uid=0,gid=0,umask=077,shortname=winnt,x-systemd.device-timeout=600,x-systemd.mount-timeout=600 0 2
UUID=e43ead51-b364-419e-92fc-b1f363f19e49 /boot xfs defaults,x-systemd.device-timeout=600,x-systemd.mount-timeout=600 0 0
UUID=7B77-95E7 /boot/efi vfat defaults,uid=0,gid=0,umask=077,shortname=winnt,x-systemd.device-timeout=600,x-systemd.mount-timeout=600 0 2
Jira:RHELDOCS-16979[1]
Hyper-V enlightenments を有効にしても CPU の最適化が改善されない場合がある
Windows ゲストオペレーティングシステムを使用する仮想マシン (VM) では、Hyper-V enlightenments を有効にしても、仮想マシンの CPU 使用率が期待どおりに改善されない場合があります。現在、この問題に対する回避策はありません。
Jira:RHEL-17331[1]