17.2. ファームウェア支援ダンプメカニズムの有効化
IBM POWER システムのクラッシュダンプ機能は、ファームウェア支援ダンプ (fadump
) メカニズムを有効にすることで強化できます。
セキュアブート環境では、GRUB ブートローダーは、Real Mode Area (RMA) と呼ばれるブートメモリー領域を割り当てます。RMA のサイズは 512 MB で、ブートコンポーネント間で分割されます。コンポーネントがサイズの割り当てを超えると、GRUB はメモリー不足 (OOM) エラーで失敗します。
RHEL 9.1 以前のバージョンのセキュアブート環境では、ファームウェア支援ダンプ (fadump
) メカニズムを有効にしないでください。GRUB ブートローダーが次のエラーで失敗します。
error: ../../grub-core/kern/mm.c:376:out of memory. Press any key to continue…
システムは、fadump
設定のためにデフォルトの initramfs
サイズを増やした場合にのみ回復可能です。
システムを回復するための回避策については、記事 System boot ends in GRUB Out of Memory (OOM) を参照してください。
前提条件
- システムの root 権限がある。
手順
-
kexec-tools
パッケージをインストールします。 crashkernel
のデフォルト値を設定します。# kdumpctl reset-crashkernel --fadump=on --kernel=ALL
オプション: デフォルト値の代わりにブートメモリーを予約します。
# grubby --update-kernel ALL --args="fadump=on crashkernel=xxM"
xxM
は必要なメモリーサイズ (メガバイト単位) です。注記ブート設定オプションを指定するときは、
kdump
を有効にしてカーネルを再起動して設定をテストします。kdump
カーネルの起動に失敗した場合は、crashkernel
の値を徐々に増やして、適切な値を設定します。変更を有効にするために再起動します。
# reboot