1.3. Linux カーネル RPM パッケージの概要
カーネル
RPM は、ファイルを含まないメタパッケージで、以下の必須サブパッケージが正しくインストールされるようにします。
kernel-core
-
Linux カーネル (
vmlinuz
) のバイナリーイメージが含まれています。 kernel-modules-core
- コア機能を実現するための基本的なカーネルモジュールが含まれています。これには、最も一般的に使用されるハードウェアが適切に機能するために不可欠なモジュールが含まれます。
kernel-modules
-
kernel-core
に存在しない残りのカーネルモジュールが含まれます。
kernel-core
サブパッケージと kernel-modules-core
サブパッケージを一緒に仮想化環境とクラウド環境で使用すると、RHEL 9 カーネルのブート時間を短縮し、ディスクサイズを抑えることができます。通常、このようなデプロイメントには kernel-modules
サブパッケージは不要です。
任意のカーネルパッケージは、以下の例のようになります。
kernel-modules-extra
- まれなハードウェア用のカーネルモジュールと、読み込みがデフォルトで無効になっているモジュールが含まれます。
kernel-debug
- カーネル診断ができるように複数のデバッグオプションが有効になっているカーネルが含まれます。デバッグオプションが有効になっているとパフォーマンスが低下します。
kernel-tools
- Linux カーネル操作のツールとサポートドキュメントが含まれています。
kernel-devel
-
kernel
パッケージに対して、モジュールをビルドするのに十分なカーネルヘッダーと makefiles を含んでいます。 kernel-abi-stablelists
-
RHEL カーネル ABI に関連する情報が含まれています。これには、強化を支援するための外部 Linux カーネルモジュールおよび
dnf
プラグインで必要なカーネルシンボルのリストが含まれます。 kernel-headers
- Linux カーネルと、ユーザー空間ライブラリーおよびプログラムとの間のインターフェイスを指定する C ヘッダーファイルが含まれます。ヘッダーファイルは、ほとんどの標準プログラムを構築するのに必要な構造と定数を定義します。
kernel-uki-virt
RHEL カーネルの統合カーネルイメージ (UKI) が含まれています。
UKI は、Linux カーネル、
initramfs
、およびカーネルコマンドラインを単一の署名付きバイナリーに結合し、UEFI ファームウェアから直接起動できるようにします。kernel-uki-virt
には、仮想環境およびクラウド環境で実行するために必要なカーネルモジュールが含まれており、kernel-core
サブパッケージの代わりに使用できます。重要kernel-uki-virt
は、RHEL 9.2 のテクノロジープレビュー機能として提供されます。