6.3. Ansible Playbook での IdM ユーザーのデフォルトシェルの設定
シェルとは、コマンドを受け入れて変換するプログラムです。Red Hat Enterprise Linux (RHEL) では、bash
、sh
、ksh
、zsh
、fish
など、複数のシェルが利用できます。Bash
(または /bin/bash
) は、ほとんどの Linux システムで一般的なシェルです。通常は、RHEL のユーザーアカウントのデフォルトシェルです。
以下の手順では、Ansible Playbook を使用して、IdM ユーザーのデフォルトシェルとして別のシェルである sh
を設定する方法を説明します。
前提条件
- IdM 管理者パスワードを把握している。
次の要件を満たすように Ansible コントロールノードを設定した。
- Ansible バージョン 2.14 以降を使用している。
-
Ansible コントローラーに
ansible-freeipa
パッケージがインストールされている。 - ~/MyPlaybooks/ ディレクトリーに、IdM サーバーの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を使用して Ansible インベントリーファイル を作成している (この例の場合)。
-
この例では、secret.yml Ansible vault に
ipaadmin_password
が保存されていることを前提としています。
-
ターゲットノード (
ansible-freeipa
モジュールが実行されるノード) が、IdM クライアント、サーバー、またはレプリカとして IdM ドメインに含まれている。
手順
-
必要に応じて、Ansible Playbook
retrieve-config.yml
を使用して、IdM ユーザーの現在のシェルを特定します。詳細は、Ansible Playbook での IdM 設定の取得 を参照してください。 inventory.file
などのインベントリーファイルを作成して、そのファイルにipaserver
を定義します。[ipaserver] server.idm.example.com
Ansible Playbook
/usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/config/ensure-config-options-are-set.yml
ファイルを開いて編集します。--- - name: Playbook to ensure some config options are set hosts: ipaserver vars_files: - /home/user_name/MyPlaybooks/secret.yml tasks: # Set defaultlogin and maxusername - ipaconfig: ipaadmin_password: "{{ ipaadmin_password }}" defaultshell: /bin/bash maxusername: 64
以下を変更してファイルを調整します。
-
ipaadmin_password
変数で設定した IdM 管理者のパスワード -
defaultshell
変数で設定されている IdM ユーザーのデフォルトのシェルが/bin/sh
に設定されます。
-
- ファイルを保存します。
Ansible Playbook を実行します。Playbook ファイル、secret.yml ファイルを保護するパスワードを格納するファイル、およびインベントリーファイルを指定します。
$ ansible-playbook --vault-password-file=password_file -v -i path_to_inventory_directory/inventory.file /usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/config/ensure-config-options-are-set.yml
検証
IdM で新しいセッションを開始すると、デフォルトのユーザーシェルが変更されていることを確認できます。
IdM 管理者として
ipaserver
にログインします。$ ssh admin@server.idm.example.com Password: [admin@server /]$
現在のシェルを表示します。
[admin@server /]$ echo "$SHELL" /bin/sh
ログインしているユーザーが
sh
シェルを使用している。