31.7. Ansible を使用して IdM に SRV レコードを存在させる手順
DNS サービス (SRV) レコードは、ドメインで利用可能なサービスのホスト名、ポート番号、トランスポートプロトコル、優先度、および加重を定義します。Identity Management (IdM) では、SRV レコードを使用して、IdM サーバーとレプリカを特定できます。
以下の手順に従って、Ansible Playbook を使用して、SRV レコードが IdM DNS に存在することを確認します。以下の手順で使用する例では、IdM の管理者が 10 50 88 idm.example.com の値を指定して _kerberos._udp.idm.example.com SRV レコードを追加します。この例では、以下の値を指定します。
- サービスの優先度を 10 に設定します。
- サービスの加重を 50 に設定します。
- サービスが使用するポートを 88 に設定します。
前提条件
次の要件を満たすように Ansible コントロールノードを設定した。
- Ansible バージョン 2.14 以降を使用している。
-
Ansible コントローラーに
ansible-freeipa
パッケージがインストールされている。 - ~/MyPlaybooks/ ディレクトリーに、IdM サーバーの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を使用して Ansible インベントリーファイル を作成している (この例の場合)。
-
この例では、secret.yml Ansible vault に
ipaadmin_password
が保存されていることを前提としています。
-
ターゲットノード (
ansible-freeipa
モジュールが実行されるノード) が、IdM クライアント、サーバー、またはレプリカとして IdM ドメインに含まれている。 - IdM 管理者パスワードを把握している。
- idm.example.com ゾーンが存在しており、IdM DNS が管理する。IdM DNS にプライマリー DNS ゾーンを追加する方法は、Ansible Playbook を使用した IdM DNS ゾーンの管理 を参照してください。
手順
/usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/dnsrecord
ディレクトリーに移動します。$ cd /usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/dnsrecord
インベントリーファイルを開き、設定する IdM サーバーが
[ipaserver]
セクションに記載されていることを確認します。たとえば、Ansible に対して server.idm.example.com を設定するように指示するには、次のコマンドを実行します。[ipaserver] server.idm.example.com
Ansible Playbook ファイル (ensure-SRV-record-is-present.yml) のコピーを作成します。以下に例を示します。
$ cp ensure-SRV-record-is-present.yml ensure-SRV-record-is-present-copy.yml
- ensure-SRV-record-is-present-copy.yml ファイルを開いて編集します。
ipadnsrecord
タスクセクションで以下の変数を設定して、ファイルを調整します。-
ipaadmin_password
変数は IdM 管理者パスワードに設定します。 -
name
変数は _kerberos._udp.idm.example.com に設定します。 -
srv_rec
変数は '10 50 88 idm.example.com' に設定します。 zone_name
変数は idm.example.com に設定します。今回の例で使用するように変更した Ansible Playbook ファイル:
--- - name: Test multiple DNS Records are present. hosts: ipaserver become: true gather_facts: false tasks: # Ensure a SRV record is present - ipadnsrecord: ipaadmin_password: "{{ ipaadmin_password }}" name: _kerberos._udp.idm.example.com srv_rec: ’10 50 88 idm.example.com’ zone_name: idm.example.com state: present
-
- ファイルを保存します。
Playbook を実行します。
$ ansible-playbook --vault-password-file=password_file -v -i inventory.file ensure-SRV-record-is-present.yml
関連情報
- IdM の DNS レコード
-
/usr/share/doc/ansible-freeipa/
ディレクトリーのREADME-dnsrecord.md
ファイル -
/usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/dnsrecord
ディレクトリーのサンプル Ansible Playbook