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19.2. IdM のパスワードポリシー

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パスワードは、Identity Management (IdM) ユーザーが IdM Kerberos ドメインに対して認証する最も一般的な方法です。パスワードポリシーでは、このような IdM ユーザーのパスワードが満たす必要条件を定義します。

注記

IdM パスワードポリシーは基礎となる LDAP ディレクトリーで設定されますが、Kerberos Key Distribution Center (KDC) はパスワードポリシーを強制的に使用します。

パスワードポリシー属性 は、IdM でのパスワードポリシーの定義に使用できる属性をリスト表示します。

表19.1 パスワードポリシーの属性
属性説明

Max lifetime

パスワードのリセットが必要になるまでの、パスワードの有効期間 (日) の上限です。デフォルト値は 90 日です。

この属性が 0 に設定されている場合、パスワードの有効期限は切れないことに注意してください。

Max lifetime = 180

ユーザーパスワードは 180 日間のみ有効です。有効期限が経過すると、IdM は変更を求めるプロンプトを表示します。

Min lifetime

パスワードを変更してから次に変更操作を行うまでに最小限開ける必要のある時間。

Min lifetime = 1

ユーザーがパスワードの変更後に、次に変更するまでに最低でも 1 時間待機する必要があります。

History size

保存される以前のパスワード数。パスワードの履歴にあるパスワードを再利用できませんが、保存されていない以前のものは使用できます。

History size = 0

この場合、パスワード履歴は空になり、ユーザーは以前のパスワードをどれでも再利用できます。

Character classes

パスワードで使用する必要のある文字クラスの数。文字クラスは次のとおりです。

* 大文字

* 小文字

* 数字

* コンマ (,)、ピリオド (.)、アスタリスク (*) などの特殊文字

* 他の UTF-8 文字

1 つの文字を複数回連続で使用すると、文字クラスが 1 つ減少します。以下に例を示します。

* Secret1 には、大文字、小文字、数字の 3 つの文字クラスがあります。

* Secret111 には、大文字、小文字、数字が含まれていますが、1 を 繰り返し使用使用したため、ペナルティが -1 で文字クラスが 2 つになりります。

Character classes = 0

必要なクラスのデフォルト数は 0 です。番号を設定するには、--minclasses オプションを指定して ipa pwpolicy-mod コマンドを実行します。

この表の下に記載されている 重要 の注意事項も併せて参照してください。

Min length

パスワードの最小長。

追加のパスワードポリシーオプション のいずれかが設定されていると、パスワードの最小長は 6 文字です。

Min length = 8

8 文字未満のパスワードは使用できません。

Max failures

IdM がユーザーアカウントをロックするまでのログイン試行の最大失敗数。

Max failures = 6

ユーザーがパスワードを誤って 7 回入力すると、IdM はユーザーアカウントをロックします。

Failure reset interval

失敗したログイン試行回数を IdM がリセットするまでの時間 (秒単位)。

Failure reset interval = 60

Max failures で定義されたログイン試行回数が 1 分以上経過すると、ユーザーはユーザーアカウントがロックされる心配なく再ログインを試みることができます。

Lockout duration

Max failures で定義された回数のログイン試行に失敗した後にユーザーアカウントがロックされる時間 (秒単位)。

Lockout duration = 600

アカウントがロックされると、10 分間ログインできません。

重要

国際文字や記号を使用できないハードウェアセットが各種ある場合には、文字クラス要件に英語と共通記号を使用してください。パスワードの文字クラスポリシーの詳細は、Red Hat ナレッジベースの What characters are valid in a password? を参照してください。

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