第14章 外部プロバイダー
14.1. Red Hat Virtualization における外部プロバイダーの紹介
Red Hat Virtualization Manager 自体によって管理されるリソースに加えて、Red Hat Virtualization は外部ソースによって管理されるリソースを利用することもできます。外部プロバイダーと呼ばれるこれらのリソースのプロバイダーは、仮想化ホスト、仮想マシンイメージ、ネットワークなどのリソースを提供できます。
Red Hat Virtualization は現在、以下の外部プロバイダーをサポートしています。
- ホストプロビジョニング用の Red Hat Satellite
- Satellite は、物理ホストと仮想ホストの両方のライフサイクルのすべての側面を管理するためのツールです。Red Hat Virtualization では、Satellite によって管理されるホストを、Red Hat Virtualization Manager に仮想化ホストとして追加して使用できます。Manager に Satellite インスタンスを追加した後、新しいホストを追加するときにその Satellite インスタンスで使用可能なホストを検索することにより、Satellite インスタンスによって管理されるホストを追加できます。Red Hat Satellite のインストール、および Red Hat Satellite を使用したホストの管理に関する詳細は、Red Hat Satellite Installation Guide および Red Hat Satellite Host Configuration Guide を参照してください。
- イメージ管理用の OpenStack Image Service (Glance)
- OpenStack Image Service は、仮想マシンイメージのカタログを提供します。Red Hat Virtualization では、これらのイメージを Red Hat Virtualization Manager にインポートして、フローティングディスクとして使用したり、仮想マシンに接続してテンプレートに変換したりできます。OpenStack Image Service を Manager に追加すると、どのデータセンターにも接続されていないストレージドメインとして表示されます。Red Hat Virtualization 環境の仮想ディスクは、仮想ディスクとして OpenStack Image Service にエクスポートすることもできます。
- ネットワークプロビジョニング用の OpenStack Networking (Neutron)
- OpenStack Networking は、ソフトウェア定義ネットワークを提供します。Red Hat Virtualization では、OpenStack Networking が提供するネットワークを Red Hat Virtualization Manager にインポートして、あらゆる種類のトラフィックを伝送し、複雑なネットワークトポロジーを作成するのに使用します。OpenStack Networking を Manager に追加した後に、手動でインポートして OpenStack Networking が提供するネットワークにアクセスすることができます。
- ストレージ管理用の OpenStack ボリューム (Cinder)
- OpenStack Volume は、仮想ハードドライブの永続的なブロックストレージ管理機能を提供します。OpenStack Cinder ボリュームは Ceph Storage によりプロビジョニングされます。Red Hat Virtualization では、OpenStack ボリュームストレージ上にディスクを作成することができます。このストレージは、フローティングディスクとして使用したり、仮想マシンにアタッチしたりできます。OpenStack ボリュームを Manager に追加した後に、OpenStack ボリュームが提供するストレージにディスクを作成することができます。
- 仮想マシンプロビジョニング用の VMware
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VMware で作成された仮想マシンは、V2V (
virt-v2v
) を使用して変換し、Red Hat Virtualization 環境にインポートできます。VMware プロバイダーを Manager に追加した後、それが提供する仮想マシンをインポートできます。V2V 変換は、インポート操作の一部として、指定されたプロキシーホストで実行されます。 - 仮想マシンプロビジョニング用の RHEL 5 Xen
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RHEL 5 Xen で作成された仮想マシンは、V2V (
virt-v2v
) を使用して変換し、Red Hat Virtualization 環境にインポートできます。RHEL 5 Xen ホストを Manager に追加した後、それが提供する仮想マシンをインポートできます。V2V 変換は、インポート操作の一部として、指定されたプロキシーホストで実行されます。 - 仮想マシンプロビジョニング用の KVM
- KVM で作成された仮想マシンは、Red Hat Virtualization 環境にインポートできます。KVM ホストを Manager に追加した後、KVM ホストが提供する仮想マシンをインポートできます。
- ネットワークプロビジョニング用の Open Virtual Network (OVN)
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Open Virtual Network (OVN) は、ソフトウェア定義のネットワークを提供する Open vSwitch (OVS) 拡張機能です。Manager に OVN を追加した後、既存の OVN ネットワークをインポートし、Manager から新しい OVN ネットワークを作成できます。
engine-setup
を使用して、Manager に OVN を自動的にインストールすることもできます。 - ネットワークプロビジョニング用の外部ネットワークプロバイダー
- サポート対象の外部ソフトウェア定義のネットワークプロバイダーには、OpenStack REST API を実装するプロバイダーが含まれます。OpenStack Networking (Neutron) とは異なり、Neutron エージェントはホスト上の仮想インターフェイスドライバーの実装としては使用されません。代わりに、仮想インターフェイスドライバーは、外部ネットワークプロバイダーの実装者が提供する必要があります。
すべての外部リソースプロバイダーは、入力にあった単一のウィンドウを使用して追加されます。Red Hat Virtualization 環境で提供されるリソースを使用するには、リソースプロバイダーを追加する必要があります。