13.2. 仮想ディスクの概要
Red Hat Virtualization は、事前割り当て (シックプロビジョニング) および スパース (シンプロビジョニング) ストレージオプションを備えています。
事前割り当て
事前に割り当てられた仮想ディスクは、仮想マシンに必要なすべてのストレージを事前に割り当てます。たとえば、仮想マシンのデータパーティション用に事前に割り当てられた 20 GB の論理ボリュームは、作成直後に 20GB のストレージスペースを占有します。
スパース
スパース割り当てを使用すると、管理者は仮想マシンに割り当てるストレージの合計を定義できますが、ストレージは必要な場合にのみ割り当てられます。
たとえば、20 GB のシンプロビジョニングされた論理ボリュームは、最初に作成されたときに 0 GB のストレージスペースを占有します。オペレーティングシステムがインストールされると、インストールされたファイルのサイズを占める可能性があり、データが最大 20GB のサイズまで追加されるにつれて大きくなり続けます。
ディスクの 仮想サイズ は、
ディスクの 実際のサイズ は、ストレージドメインとテンプレートの詳細ビューの Disks タブで確認できます。これは、これまでに仮想マシンに割り当てられたディスク容量です。事前に割り当てられたディスクは、Virtual Size および Actual Size に同じ値を示します。スパースディスクは、割り当てられているディスク容量に応じて、異なる値を表示する場合があります。
Cinder 仮想ディスクを作成する場合には、ディスクの形式およびタイプは Cinder によって内部で処理され、Red Hat Virtualization では管理されません。
次の表に、ストレージの種類と形式の可能な組み合わせを示します。
ストレージ | 形式 | タイプ | 注記 |
---|---|---|---|
NFS | Raw | 事前割り当て | 仮想ディスクに定義されたストレージの量に等しい初期サイズのファイルで、フォーマットはありません。 |
NFS | Raw | スパース | 初期サイズがゼロに近く、フォーマットされていないファイル。 |
NFS | QCOW2 | スパース | 初期サイズがゼロに近く、QCOW2 フォーマットのファイル。後続のレイヤーは QCOW2 形式になります。 |
SAN | Raw | 事前割り当て | 仮想ディスクに定義されたストレージの量に等しい初期サイズを持ち、フォーマットがないブロックデバイス。 |
SAN | QCOW2 | スパース | 初期サイズが仮想ディスクに定義されたサイズ (現在は 1 GB) よりもはるかに小さく、必要に応じてスペースが割り当てられる QCOW2 フォーマット (現在は 1 GB 刻み) のブロックデバイス。 |