第5章 クラスターに関するデータの収集
サポートケースを作成する際、ご使用のクラスターに関するデバッグ情報を Red Hat サポートに提供していただくと Red Hat のサポートに役立ちます。
以下を提供することが推奨されます。
5.1. must-gather ツールについて リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
				oc adm must-gather CLI コマンドは、以下のような問題のデバッグに必要となる可能性のあるクラスターからの情報を収集します。
			
- リソース定義
 - サービスログ
 
				デフォルトで、oc adm must-gather コマンドはデフォルトのプラグインイメージを使用し、./must-gather.local に書き込みを行います。
			
または、以下のセクションで説明されているように、適切な引数を指定してコマンドを実行すると、特定の情報を収集できます。
1 つ以上の特定の機能に関連するデータを収集するには、以下のセクションに示すように、イメージと共に
--image引数を使用します。以下に例を示します。
oc adm must-gather \ --image=registry.redhat.io/container-native-virtualization/cnv-must-gather-rhel9:v4.19.6
$ oc adm must-gather \ --image=registry.redhat.io/container-native-virtualization/cnv-must-gather-rhel9:v4.19.6Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 監査ログを収集するには、以下のセクションで説明されているように
-- /usr/bin/gather_audit_logs引数を使用します。以下に例を示します。
oc adm must-gather -- /usr/bin/gather_audit_logs
$ oc adm must-gather -- /usr/bin/gather_audit_logsCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記- ファイルのサイズを小さくするために、監査ログはデフォルトの情報セットの一部として収集されません。
 - 
											Windows オペレーティングシステムでは、
oc rsyncコマンドで使用するためにcwRsyncクライアントをインストールし、PATH変数に追加します。 
				oc adm must-gather を実行すると、ランダムな名前を持つ新規 Pod がクラスターの新規プロジェクトに作成されます。データはその Pod 上で収集され、現在の作業ディレクトリー内の must-gather.local で始まる新しいディレクトリーに保存されます。
			
以下に例を示します。
NAMESPACE NAME READY STATUS RESTARTS AGE ... openshift-must-gather-5drcj must-gather-bklx4 2/2 Running 0 72s openshift-must-gather-5drcj must-gather-s8sdh 2/2 Running 0 72s ...
NAMESPACE                      NAME                 READY   STATUS      RESTARTS      AGE
...
openshift-must-gather-5drcj    must-gather-bklx4    2/2     Running     0             72s
openshift-must-gather-5drcj    must-gather-s8sdh    2/2     Running     0             72s
...
				任意で、--run-namespace オプションを使用して、特定の namespace で oc adm must-gather コマンドを実行できます。
			
以下に例を示します。
oc adm must-gather --run-namespace <namespace> \ --image=registry.redhat.io/container-native-virtualization/cnv-must-gather-rhel9:v4.19.6
$ oc adm must-gather --run-namespace <namespace> \
  --image=registry.redhat.io/container-native-virtualization/cnv-must-gather-rhel9:v4.19.6
5.1.1. Red Hat サポート用のクラスターに関するデータの収集 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
					oc adm must-gather CLI コマンドを使用して、クラスターに関するデバッグ情報を収集できます。
				
前提条件
cluster-adminロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。注記OpenShift Dedicated デプロイメントでは、Customer Cloud Subscription (CCS) モデルを使用していないお客様は、
cluster-admin権限が必要なため、oc adm must-gatherコマンドを使用できません。- 
							OpenShift CLI (
oc) がインストールされている。 
手順
- 
							
must-gatherデータを保存するディレクトリーに移動します。 oc adm must-gatherコマンドを実行します。oc adm must-gather
$ oc adm must-gatherCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記このコマンドは、デフォルトでランダムなコントロールプレーンノードを選択するため、Pod は
NotReadyおよびSchedulingDisabled状態のコントロールプレーンノードにスケジュールされる場合があります。このコマンドが失敗する場合 (クラスターで Pod をスケジュールできない場合など)、
oc adm inspectコマンドを使用して、特定リソースに関する情報を収集します。注記収集する推奨リソースは、Red Hat サポートにお問い合わせください。
作業ディレクトリーに作成された
must-gatherディレクトリーから圧縮ファイルを作成します。固有の must-gather データの日付とクラスター ID を必ず提供してください。クラスター ID を確認する方法の詳細は、How to find the cluster-id or name on OpenShift cluster を参照してください。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。tar cvaf must-gather-`date +"%m-%d-%Y-%H-%M-%S"`-<cluster_id>.tar.gz <must_gather_local_dir>
$ tar cvaf must-gather-`date +"%m-%d-%Y-%H-%M-%S"`-<cluster_id>.tar.gz <must_gather_local_dir>1 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
 <must_gather_local_dir>は、実際のディレクトリー名に置き換えます。
- Red Hat カスタマーポータルの カスタマーサポート ページ で、圧縮ファイルをサポートケースに添付します。
 
5.1.2. must-gather フラグ リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
					次の表にリストされているフラグは、oc adm must-gather コマンドで使用できます。
				
| フラグ | コマンドの例 | 説明 | 
|---|---|---|
|   
									  |   
									  |   
									クラスター上の、  | 
|   
									  |   
									  |   収集されたデータが書き込まれるローカルマシン上の特定のディレクトリーを設定します。  | 
|   
									  |   
									  |   
									  | 
|   
									  |   
									  |   
									実行する   | 
|   
									  |   
									  |   
									実行する   | 
|   
									  |   
									  |   使用する特定のノードを設定します。指定しない場合は、デフォルトでランダムマスターが使用されます。  | 
|   
									  |   
									  |   使用する特定のノードセレクターを設定します。クラスターノードのセットで同時にデータをキャプチャーする必要があるコマンドとイメージを指定する場合にのみ関連します。  | 
|   
									  |   
									  |   
									  | 
|   
									  |   
									  |   
									指定された期間よりも新しいログのみを返します。デフォルトはすべてのログです。プラグインが推奨されますが、このサポートには必要はありません。  | 
|   
									  |   
									  |   
									(RFC3339) 形式で表現された特定の日時以降のログのみを返します。デフォルトはすべてのログです。プラグインが推奨されますが、このサポートには必要はありません。  | 
|   
									  |   
									  |   収集したデータをコピーする Pod 上の特定のディレクトリーを設定します。  | 
|   
									  |   
									  |   タイムアウトする前にデータを収集する時間の長さ。秒、分、時間で表されます (例: 3s、5m、2h)。指定する時間は 0 より大きい必要があります。指定されていない場合はデフォルトで 10 分になります。  | 
|   
									  |   
									  |   
									  | 
5.1.3. 特定の機能に関するデータ収集 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
					oc adm must-gather CLI コマンドを --image または --image-stream 引数と共に使用して、特定に機能に関するデバッグ情報を収集できます。must-gather ツールは複数のイメージをサポートするため、単一のコマンドを実行して複数の機能に関するデータを収集できます。
				
| イメージ | 目的 | 
|---|---|
|   
									  |   OpenShift Virtualization のデータ収集。  | 
|   
									  |   OpenShift Serverless のデータ収集。  | 
|   
									  |   Red Hat OpenShift Service Mesh のデータ収集。  | 
|   
									  |   Hosted Control Plane のデータ収集。  | 
|   
									  |   Migration Toolkit for Containers のデータ収集。  | 
|   
									  |   ロギング用のデータ収集。  | 
|   
									  |   Network Observability Operator のデータ収集。  | 
|   
									  |   Red Hat OpenShift GitOps のデータ収集。  | 
|   
									  |   Secrets Store CSI Driver Operator のデータ収集。  | 
OpenShift Dedicated コンポーネントのイメージの最新バージョンを確認するには、Red Hat カスタマーポータルの OpenShift Operator ライフサイクル Web ページを参照してください。
前提条件
- 
							
cluster-adminロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 - 
							OpenShift CLI (
oc) がインストールされている。 
手順
- 
							
must-gatherデータを保存するディレクトリーに移動します。 oc adm must-gatherコマンドを 1 つまたは複数の--imageまたは--image-stream引数と共に実行します。注記- 
										特定の機能データに加えてデフォルトの 
must-gatherデータを収集するには、--image-stream=openshift/must-gather引数を追加します。 
たとえば、以下のコマンドは、デフォルトのクラスターデータと OpenShift Virtualization に固有の情報の両方を収集します。
oc adm must-gather \ --image-stream=openshift/must-gather \ --image=registry.redhat.io/container-native-virtualization/cnv-must-gather-rhel9:v4.19.6
$ oc adm must-gather \ --image-stream=openshift/must-gather \1 --image=registry.redhat.io/container-native-virtualization/cnv-must-gather-rhel9:v4.19.62 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow must-gatherツールを追加の引数と共に使用し、OpenShift Logging およびクラスター内の Cluster Logging Operator に関連するデータを収集できます。OpenShift Logging の場合、以下のコマンドを実行します。oc adm must-gather --image=$(oc -n openshift-logging get deployment.apps/cluster-logging-operator \ -o jsonpath='{.spec.template.spec.containers[?(@.name == "cluster-logging-operator")].image}')$ oc adm must-gather --image=$(oc -n openshift-logging get deployment.apps/cluster-logging-operator \ -o jsonpath='{.spec.template.spec.containers[?(@.name == "cluster-logging-operator")].image}')Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 例5.1 OpenShift Logging の
must-gatherの出力例Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 
										特定の機能データに加えてデフォルトの 
 oc adm must-gatherコマンドを 1 つまたは複数の--imageまたは--image-stream引数と共に実行します。たとえば、以下のコマンドは、デフォルトのクラスターデータと KubeVirt に固有の情報の両方を収集します。oc adm must-gather \ --image-stream=openshift/must-gather \ --image=quay.io/kubevirt/must-gather
$ oc adm must-gather \ --image-stream=openshift/must-gather \1 --image=quay.io/kubevirt/must-gather2 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 作業ディレクトリーに作成された
must-gatherディレクトリーから圧縮ファイルを作成します。固有の must-gather データの日付とクラスター ID を必ず提供してください。クラスター ID を確認する方法の詳細は、How to find the cluster-id or name on OpenShift cluster を参照してください。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。tar cvaf must-gather-`date +"%m-%d-%Y-%H-%M-%S"`-<cluster_id>.tar.gz <must_gather_local_dir>
$ tar cvaf must-gather-`date +"%m-%d-%Y-%H-%M-%S"`-<cluster_id>.tar.gz <must_gather_local_dir>1 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
 <must_gather_local_dir>は、実際のディレクトリー名に置き換えます。
- Red Hat カスタマーポータルの カスタマーサポート ページ で、圧縮ファイルをサポートケースに添付します。
 
5.1.4. ネットワークログの収集 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
クラスター内のすべてのノードでネットワークログを収集できます。
手順
-- gather_network_logsを指定してoc adm must-gatherコマンドを実行します。oc adm must-gather -- gather_network_logs
$ oc adm must-gather -- gather_network_logsCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記デフォルトでは、
must-gatherツールはクラスター内のすべてのノードから OVNnbdbおよびsbdbデータベースを収集します。-- gather_network_logsオプションを追加すると、OVNnbdbデータベースの OVN-Kubernetes トランザクションを含むログが追加されます。作業ディレクトリーに作成された
must-gatherディレクトリーから圧縮ファイルを作成します。固有の must-gather データの日付とクラスター ID を必ず提供してください。クラスター ID を確認する方法の詳細は、How to find the cluster-id or name on OpenShift cluster を参照してください。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。tar cvaf must-gather-`date +"%m-%d-%Y-%H-%M-%S"`-<cluster_id>.tar.gz <must_gather_local_dir>
$ tar cvaf must-gather-`date +"%m-%d-%Y-%H-%M-%S"`-<cluster_id>.tar.gz <must_gather_local_dir>1 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
 <must_gather_local_dir>は、実際のディレクトリー名に置き換えます。
- Red Hat カスタマーポータルの カスタマーサポート ページ で、圧縮ファイルをサポートケースに添付します。
 
5.1.5. must-gather ストレージ制限の変更 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
					oc adm must-gather コマンドを使用してデータを収集する場合、情報のデフォルトの最大ストレージは、コンテナーのストレージ容量の 30% です。30% の制限に達すると、コンテナーが強制終了し、収集プロセスが停止します。すでに収集された情報は、ローカルストレージにダウンロードされます。must-gather コマンドを再度実行するには、ストレージ容量がより大きなコンテナーを使用するか、最大ボリュームの割合を調整する必要があります。
				
コンテナーがストレージ制限に達すると、次の例のようなエラーメッセージが生成されます。
出力例
Disk usage exceeds the volume percentage of 30% for mounted directory. Exiting...
Disk usage exceeds the volume percentage of 30% for mounted directory. Exiting...
前提条件
- 
							
cluster-adminロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 - 
							OpenShift CLI (
oc) がインストールされている。 
手順
volume-percentageフラグを指定してoc adm must-gatherコマンドを実行します。新しい値として 100 を超える値を指定することはできません。oc adm must-gather --volume-percentage <storage_percentage>
$ oc adm must-gather --volume-percentage <storage_percentage>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow