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8.3. 最適化プロポーザルの概要

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最適化プロポーザルは、パーティションのワークロードをブローカー間でより均等に分散することで、Kafka クラスターの負荷をより均等にするために提案された変更の概要です各最適化プロポーザルは、そのプロポーザルの生成に使用された 最適化ゴール のセットが基になっており、ブローカーリソースの設定済みの容量制限 の対象になります。

最適化プロポーザルは KafkaRebalance カスタムリソースの Status.Optimization Result プロパティーに含まれます。提供される情報は完全な最適化プロポーザルの概要になります。概要を使用して以下を決定します。

  • 最適化プロポーザルの承認。プロポーザルを Kafka クラスターに適用し、クラスターリバランス操作を開始するよう Cruise Control が指示されます。
  • 最適化プロポーザルの拒否。最適化ゴールを変更し、別のプロポーザルを生成できます。

最適化プロポーザルはすべてドライランです。最適化プロポーザルを最初に生成しないと、クラスターのリバランスを承認できません。生成できる最適化プロポーザルの数に制限はありません。

キャッシュされた最適化プロポーザル

Cruise Control は、設定済みのデフォルト最適化ゴールを基にして キャッシュされた最適化プロポーザル を維持します。キャッシュされた最適化プロポーザルはワークロードモデルから生成され、Kafka クラスターの現在の状況を反映するために 15 分ごとに更新されます。デフォルトの最適化ゴールを使用して最適化プロポーザルを生成する場合、Cruise Control は最新のキャッシュされたプロポーザルを返します。

キャッシュされた最適化プロポーザルの更新間隔を変更するには、Cruise Control デプロイメント設定の proposal.expiration.ms 設定を編集します。更新間隔を短くすると、Cruise Control サーバーの負荷が増えますが、変更が頻繁に行われるクラスターでは、更新間隔を短くするよう考慮してください。

最適化プロポーザルの内容

最適化プロポーザルは 2 つのメインセクションで構成されます。

  • summaryは、KafkaRebalanceリソースのstatusに格納されます。
  • ブローカーの負荷は、データが JSON 文字列として含まれる ConfigMap に保存されます。

サマリーは、提案されたクラスターリバランスの概要を提供し、関係する変更の規模を示します。ブローカーの負荷は提案されたリバランスの前と後の値を表示するため、クラスターの各ブローカーへの影響を確認できます。

サマリー

以下の表は、最適化プロポーザルのサマリーセクションに含まれるプロパティーについて説明しています。

表8.1 最適化プロポーザルに含まれるプロパティー
JSON プロパティー説明

numIntraBrokerReplicaMovements

ディスクとクラスターのブローカーとの間で転送されるパーティションレプリカの合計数。

リバランス操作中のパフォーマンスへの影響度: 比較的高いが、numReplicaMovements よりも低い。

excludedBrokersForLeadership

サポートされていません。空のリストが返されます。

numReplicaMovements

個別のブローカー間で移動されるパーティションレプリカの数。

リバランス操作中のパフォーマンスへの影響度: 比較的高い。

onDemandBalancednessScoreBefore, onDemandBalancednessScoreAfter

最適化プロポーザルの生成前および生成後における、Kafka クラスターの全体的な 分散度 (balancedness) の値。

スコアは、違反した各ソフトゴールの BalancednessScore の合計を 100 から引いて算出されます。Cruise Control は、複数の要因を基にして BalancednessScore を各最適化ゴールに割り当てます。要因には、default.goals またはユーザー提供ゴールのリストでゴールの位置を示す優先順位が含まれます。

Before スコアは、Kafka クラスターの現在の設定を基にします。After スコアは、生成された最適化プロポーザルを基にします。

intraBrokerDataToMoveMB

同じブローカーのディスク間で移動される各パーティションレプリカのサイズの合計 (numIntraBrokerReplicaMovements も参照してください。

リバランス操作中のパフォーマンスへの影響度: 場合による。値が大きいほど、クラスターのリバランスの完了にかかる時間が長くなります。大量のデータを移動する場合、同じブローカーのディスク間で移動する方が個別のブローカー間で移動するよりも影響度が低くなります (dataToMoveMB 参照)。

recentWindows

最適化プロポーザルの基になるメトリクスウインドウの数。

dataToMoveMB

個別のブローカーに移動される各パーティションレプリカのサイズの合計 (numReplicaMovements も参照してください。

リバランス操作中のパフォーマンスへの影響度: 場合による。値が大きいほど、クラスターのリバランスの完了にかかる時間が長くなります。

monitoredPartitionsPercentage

最適化プロポーザルの対象となる Kafka クラスターのパーティションの割合 (パーセント)。excludedTopics の数が影響します。

excludedTopics

KafkaRebalance リソースの spec.excludedTopicsRegex プロパティーに正規表現を指定した場合、その式と一致するすべてのトピック名がここにリストされます。これらのトピックは、最適化プロポーザルではパーティションレプリカとリーダーの移動の計算からは除外されます。

numLeaderMovements

リーダーが別のレプリカに切り替えられるパーティションの数。ZooKeeper 設定の変更を伴います。

リバランス操作中のパフォーマンスへの影響度: 比較的低い。

excludedBrokersForReplicaMove

サポートされていません。空のリストが返されます。

ブローカーの負荷

ブローカーの負荷は、JSON 形式の文字列として ConfigMap (KafkaRebalance カスタムリソースと同じ名前) に保存されます。この JSON 文字列は、各ブローカーのいくつかのメトリクスにリンクする各ブローカー ID のキーを持つ JSON オブジェクトで構成されます。各メトリクスは 3 つの値で構成されます。1 つ目は、最適化プロポーザルの適用前のメトリクスの値です。2 つ目はプロポーザルの適用後に期待される値、3 つ目は、最初の 2 つの値の差 (後の値から前の値を引いた) です。

ConfigMap から JSON 文字列を抽出するには、jq コマンドラインの JSON パーサーツールを使用する次のコマンドを使用できます。

oc get configmap MY-REBALANCE -o json | jq '.["data"]["brokerLoad.json"]|fromjson|.'

以下の表は、最適化プロポーザルのブローカー負荷 ConfigMap に含まれるプロパティーについて説明しています。

JSON プロパティー説明

leaders

パーティションリーダーであるこのブローカーのレプリカ数。

replicas

このブローカーのレプリカ数。

cpuPercentage

定義された容量の割合をパーセントで表す CPU 使用率。

diskUsedPercentage

定義された容量の割合をパーセントで表す ディスク 使用率。

diskUsedMB

絶対ディスク使用量 (MB 単位)

networkOutRate

ブローカーのネットワーク出力レートの合計。

leaderNetworkInRate

このブローカーのすべてのパーティションリーダーレプリカに対するネットワーク入力レート。

followerNetworkInRate

このブローカーのすべてのフォロワーレプリカに対するネットワーク入力レート。

potentialMaxNetworkOutRate

このブローカーが現在ホストしているレプリカすべてのリーダーであった場合に実現される、仮定上の最大ネットワーク出力レート。

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