9.2. セキュリティー保護されたルート
セキュアなルートは、複数の TLS 終端タイプを使用してクライアントに証明書を提供できます。以下のセクションでは、カスタム証明書を使用して re-encrypt、edge、および passthrough ルートを作成する方法を説明します。
パブリックエンドポイントを使用して Microsoft Azure にルートを作成する場合、リソース名は制限されます。特定の用語を使用するリソースを作成することはできません。Azure が制限する語のリストは、Azure ドキュメントの Resolve reserved resource name errors を参照してください。
9.2.1. カスタム証明書を使用した re-encrypt ルートの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
oc create route
コマンドを使用し、カスタム証明書と共に reencrypt TLS termination を使用してセキュアなルートを設定できます。
前提条件
- PEM エンコードされたファイルに証明書/キーのペアが必要です。ここで、証明書はルートホストに対して有効となっています。
- 証明書チェーンを完了する PEM エンコードされたファイルの別の CA 証明書が必要です。
- PEM エンコードされたファイルの別の宛先 CA 証明書が必要です。
- 公開する必要のあるサービスが必要です。
パスワードで保護されるキーファイルはサポートされません。キーファイルからパスフレーズを削除するには、以下のコマンドを使用します。
openssl rsa -in password_protected_tls.key -out tls.key
$ openssl rsa -in password_protected_tls.key -out tls.key
手順
この手順では、カスタム証明書および reencrypt TLS termination を使用して Route
リソースを作成します。以下では、証明書/キーのペアが現在の作業ディレクトリーの tls.crt
および tls.key
ファイルにあることを前提としています。また、Ingress Controller がサービスの証明書を信頼できるように宛先 CA 証明書を指定する必要もあります。必要な場合には、証明書チェーンを完了するために CA 証明書を指定することもできます。tls.crt
、tls.key
、cacert.crt
、および (オプションで) ca.crt
を実際のパス名に置き換えます。frontend
を、公開する必要のある Service
リソースに置き換えます。www.example.com
を適切な名前に置き換えます。
reencrypt TLS 終端およびカスタム証明書を使用してセキュアな
Route
リソースを作成します。oc create route reencrypt --service=frontend --cert=tls.crt --key=tls.key --dest-ca-cert=destca.crt --ca-cert=ca.crt --hostname=www.example.com
$ oc create route reencrypt --service=frontend --cert=tls.crt --key=tls.key --dest-ca-cert=destca.crt --ca-cert=ca.crt --hostname=www.example.com
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 結果として生成される
Route
リソースを検査すると、以下のようになります。セキュアなルートの YAML 定義
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 他のオプションは、
oc create route reencrypt --help
を参照してください。
9.2.2. カスタム証明書を使用した edge ルートの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
oc create route
コマンドを使用し、edge TLS termination とカスタム証明書を使用してセキュアなルートを設定できます。edge ルートの場合、Ingress Controller は、トラフィックを宛先 Pod に転送する前に TLS 暗号を終了します。ルートは、Ingress Controller がルートに使用する TLS 証明書およびキーを指定します。
前提条件
- PEM エンコードされたファイルに証明書/キーのペアが必要です。ここで、証明書はルートホストに対して有効となっています。
- 証明書チェーンを完了する PEM エンコードされたファイルの別の CA 証明書が必要です。
- 公開する必要のあるサービスが必要です。
パスワードで保護されるキーファイルはサポートされません。キーファイルからパスフレーズを削除するには、以下のコマンドを使用します。
openssl rsa -in password_protected_tls.key -out tls.key
$ openssl rsa -in password_protected_tls.key -out tls.key
手順
この手順では、カスタム証明書および edge TLS termination を使用して Route
リソースを作成します。以下では、証明書/キーのペアが現在の作業ディレクトリーの tls.crt
および tls.key
ファイルにあることを前提としています。必要な場合には、証明書チェーンを完了するために CA 証明書を指定することもできます。tls.crt
、tls.key
、および (オプションで) ca.crt
を実際のパス名に置き換えます。frontend
を、公開する必要のあるサービスの名前に置き換えます。www.example.com
を適切な名前に置き換えます。
edge TLS termination およびカスタム証明書を使用して、セキュアな
Route
リソースを作成します。oc create route edge --service=frontend --cert=tls.crt --key=tls.key --ca-cert=ca.crt --hostname=www.example.com
$ oc create route edge --service=frontend --cert=tls.crt --key=tls.key --ca-cert=ca.crt --hostname=www.example.com
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 結果として生成される
Route
リソースを検査すると、以下のようになります。セキュアなルートの YAML 定義
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 他のオプションは、
oc create route edge --help
を参照してください。
9.2.3. パススルールートの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
oc create route
コマンドを使用して、パススルー終端を使用したセキュアなルートを設定できます。パススルー終端では、ルーターが TLS 終端を提供せずに、暗号化されたトラフィックが宛先に直接送信されます。したがって、ルート上に鍵や証明書は必要ありません。
前提条件
- 公開する必要のあるサービスが必要です。
手順
Route
リソースを作成します。oc create route passthrough route-passthrough-secured --service=frontend --port=8080
$ oc create route passthrough route-passthrough-secured --service=frontend --port=8080
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 結果として生成される
Route
リソースを検査すると、以下のようになります。パススルー終端を使用したセキュアなルート
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 宛先 Pod は、エンドポイントでトラフィックに証明書を提供します。これは、必須となるクライアント証明書をサポートするための唯一の方法です (相互認証とも呼ばれる)。
9.2.4. 外部管理証明書を使用したルートの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
TLS シークレット内の外部証明書を使用してルートを保護する機能は、テクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行い、フィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
ルート API の .spec.tls.externalCertificate
フィールドを使用して、サードパーティーの証明書管理ソリューションで OpenShift Dedicated ルートを設定できます。シークレットを介して外部で管理されている TLS 証明書を参照できるため、手動での証明書管理が不要になります。外部で管理される証明書を使用するとエラーが減り、証明書の更新がよりスムーズに展開されるため、OpenShift ルーターは更新された証明書を迅速に提供できるようになります。
この機能は、エッジルートと再暗号化ルートの両方に適用されます。
前提条件
-
RouteExternalCertificate
フィーチャーゲートを有効にする必要があります。 -
ルートの作成と更新の両方に使用される
routes/custom-host
サブリソースに対するcreate
権限がある。 -
tls.key
キーとtls.crt
キーの両方を含む、kubernetes.io/tls
タイプの PEM エンコード形式の有効な証明書/キーペアを含むシークレットが必要です。 - 参照されるシークレットは、保護するルートと同じ namespace に配置する必要があります。
手順
次のコマンドを実行して、シークレットと同じ namespace に
role
を作成し、ルーターサービスアカウントに読み取りアクセスを許可します。oc create role secret-reader --verb=get,list,watch --resource=secrets --resource-name=<secret-name> \ --namespace=<current-namespace>
$ oc create role secret-reader --verb=get,list,watch --resource=secrets --resource-name=<secret-name> \
1 --namespace=<current-namespace>
2 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 次のコマンドを実行して、シークレットと同じ namespace に
rolebinding
を作成し、ルーターサービスアカウントを新しく作成されたロールにバインドします。oc create rolebinding secret-reader-binding --role=secret-reader --serviceaccount=openshift-ingress:router --namespace=<current-namespace>
$ oc create rolebinding secret-reader-binding --role=secret-reader --serviceaccount=openshift-ingress:router --namespace=<current-namespace>
1 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
- シークレットとルートの両方が存在する namespace を指定します。
次の例を使用して、
route
を定義し、証明書を含むシークレットを指定する YAML ファイルを作成します。セキュアなルートの YAML 定義
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
- シークレットの実際の名前を指定します。
次のコマンドを実行して
route
リソースを作成します。oc apply -f <route.yaml>
$ oc apply -f <route.yaml>
1 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
- 生成された YAML ファイル名を指定します。
シークレットが存在し、証明書/キーペアがある場合、すべての前提条件が満たされていれば、ルーターは生成された証明書を提供します。
.spec.tls.externalCertificate
が指定されていないと、ルーターはデフォルトで生成された証明書を使用します。
.spec.tls.externalCertificate
フィールドを使用する場合は、.spec.tls.certificate
フィールドまたは .spec.tls.key
フィールドを指定することはできません。