6.2. ネットワークポリシー


6.2.1. ネットワークポリシーについて

開発者は、クラスター内の Pod へのトラフィックを制限するネットワークポリシーを定義できます。

6.2.1.1. ネットワークポリシーについて

デフォルトで、プロジェクトのすべての Pod は他の Pod およびネットワークのエンドポイントからアクセスできます。プロジェクトで 1 つ以上の Pod を分離するには、そのプロジェクトで NetworkPolicy オブジェクトを作成し、許可する着信接続を指定します。プロジェクト管理者は独自のプロジェクト内で NetworkPolicy オブジェクトの作成および削除を実行できます。

Pod が 1 つ以上の NetworkPolicy オブジェクトのセレクターで一致する場合、Pod はそれらの 1 つ以上の NetworkPolicy オブジェクトで許可される接続のみを受け入れます。NetworkPolicy オブジェクトによって選択されていない Pod は完全にアクセス可能です。

ネットワークポリシーは、TCP、UDP、ICMP、および SCTP プロトコルにのみ適用されます。他のプロトコルは影響を受けません。

警告

ネットワークポリシーは、ホストのネットワーク namespace には適用されません。ホストネットワークが有効にされている Pod はネットワークポリシールールによる影響を受けません。ただし、ホストネットワーク化された Pod に接続する Pod はネットワークポリシールールの影響を受ける可能性があります。

ネットワークポリシーは、ローカルホストまたは常駐ノードからのトラフィックをブロックすることはできません。

以下のサンプル NetworkPolicy オブジェクトは、複数の異なるシナリオをサポートすることを示しています。

  • すべてのトラフィックを拒否します。

    プロジェクトに deny by default (デフォルトで拒否) を実行させるには、すべての Pod に一致するが、トラフィックを一切許可しない NetworkPolicy オブジェクトを追加します。

    kind: NetworkPolicy
    apiVersion: networking.k8s.io/v1
    metadata:
      name: deny-by-default
    spec:
      podSelector: {}
      ingress: []
  • OpenShift Dedicated Ingress コントローラーからの接続のみを許可します。

    プロジェクトで OpenShift Dedicated Ingress Controller からの接続のみを許可するには、次の NetworkPolicy オブジェクトを追加します。

    apiVersion: networking.k8s.io/v1
    kind: NetworkPolicy
    metadata:
      name: allow-from-openshift-ingress
    spec:
      ingress:
      - from:
        - namespaceSelector:
            matchLabels:
              network.openshift.io/policy-group: ingress
      podSelector: {}
      policyTypes:
      - Ingress
  • プロジェクト内の Pod からの接続のみを受け入れます。

    重要

    同じ namespace 内の hostNetwork Pod からの Ingress 接続を許可するには、allow-from-hostnetwork ポリシーと allow-same-namespace ポリシーを一緒に適用する必要があります。

    Pod が同じプロジェクト内の他の Pod からの接続を受け入れるが、他のプロジェクトの Pod からの接続を拒否するように設定するには、以下の NetworkPolicy オブジェクトを追加します。

    kind: NetworkPolicy
    apiVersion: networking.k8s.io/v1
    metadata:
      name: allow-same-namespace
    spec:
      podSelector: {}
      ingress:
      - from:
        - podSelector: {}
  • Pod ラベルに基づいて HTTP および HTTPS トラフィックのみを許可します。

    特定のラベル (以下の例の role=frontend) の付いた Pod への HTTP および HTTPS アクセスのみを有効にするには、以下と同様の NetworkPolicy オブジェクトを追加します。

    kind: NetworkPolicy
    apiVersion: networking.k8s.io/v1
    metadata:
      name: allow-http-and-https
    spec:
      podSelector:
        matchLabels:
          role: frontend
      ingress:
      - ports:
        - protocol: TCP
          port: 80
        - protocol: TCP
          port: 443
  • namespace および Pod セレクターの両方を使用して接続を受け入れます。

    namespace と Pod セレクターを組み合わせてネットワークトラフィックのマッチングをするには、以下と同様の NetworkPolicy オブジェクトを使用できます。

    kind: NetworkPolicy
    apiVersion: networking.k8s.io/v1
    metadata:
      name: allow-pod-and-namespace-both
    spec:
      podSelector:
        matchLabels:
          name: test-pods
      ingress:
        - from:
          - namespaceSelector:
              matchLabels:
                project: project_name
            podSelector:
              matchLabels:
                name: test-pods

NetworkPolicy オブジェクトは加算されるものです。 つまり、複数の NetworkPolicy オブジェクトを組み合わせて複雑なネットワーク要件を満すことができます。

たとえば、先の例で定義された NetworkPolicy オブジェクトの場合、同じプロジェト内に allow-same-namespaceallow-http-and-https ポリシーの両方を定義することができます。これにより、ラベル role=frontend の付いた Pod は各ポリシーで許可されるすべての接続を受け入れます。つまり、同じ namespace の Pod からのすべてのポート、およびすべての namespace の Pod からのポート 80 および 443 での接続を受け入れます。

6.2.1.1.1. allow-from-router ネットワークポリシーの使用

次の NetworkPolicy を使用して、ルーターの設定に関係なく外部トラフィックを許可します。

apiVersion: networking.k8s.io/v1
kind: NetworkPolicy
metadata:
  name: allow-from-router
spec:
  ingress:
  - from:
    - namespaceSelector:
        matchLabels:
          policy-group.network.openshift.io/ingress: ""1
  podSelector: {}
  policyTypes:
  - Ingress
1
policy-group.network.openshift.io/ingress:"" ラベルは OVN-Kubernetes をサポートします。
6.2.1.1.2. allow-from-hostnetwork ネットワークポリシーの使用

次の allow-from-hostnetwork NetworkPolicy オブジェクトを追加して、ホストネットワーク Pod からのトラフィックを転送します。

apiVersion: networking.k8s.io/v1
kind: NetworkPolicy
metadata:
  name: allow-from-hostnetwork
spec:
  ingress:
  - from:
    - namespaceSelector:
        matchLabels:
          policy-group.network.openshift.io/host-network: ""
  podSelector: {}
  policyTypes:
  - Ingress

6.2.1.2. OVN-Kubernetes ネットワークプラグインによるネットワークポリシーの最適化

ネットワークポリシーを設計する場合は、以下のガイドラインを参照してください。

  • 同じ spec.podSelector 仕様を持つネットワークポリシーの場合、ingress ルールまたは egress ルールを持つ複数のネットワークポリシーを使用するよりも、複数の Ingress ルールまたは egress ルールを持つ 1 つのネットワークポリシーを使用する方が効率的です。
  • podSelector または namespaceSelector 仕様に基づくすべての Ingress または egress ルールは、number of pods selected by network policy + number of pods selected by ingress or egress rule に比例する数の OVS フローを生成します。そのため、Pod ごとに個別のルールを作成するのではなく、1 つのルールで必要な数の Pod を選択できる podSelector または namespaceSelector 仕様を使用することが推奨されます。

    たとえば、以下のポリシーには 2 つのルールが含まれています。

    apiVersion: networking.k8s.io/v1
    kind: NetworkPolicy
    metadata:
      name: test-network-policy
    spec:
      podSelector: {}
      ingress:
      - from:
        - podSelector:
            matchLabels:
              role: frontend
      - from:
        - podSelector:
            matchLabels:
              role: backend

    以下のポリシーは、上記と同じ 2 つのルールを 1 つのルールとして表現しています。

    apiVersion: networking.k8s.io/v1
    kind: NetworkPolicy
    metadata:
      name: test-network-policy
    spec:
      podSelector: {}
      ingress:
      - from:
        - podSelector:
            matchExpressions:
            - {key: role, operator: In, values: [frontend, backend]}

    同じガイドラインが spec.podSelector 仕様に適用されます。異なるネットワークポリシーに同じ ingress ルールまたは egress ルールがある場合、共通の spec.podSelector 仕様で 1 つのネットワークポリシーを作成する方が効率的な場合があります。たとえば、以下の 2 つのポリシーには異なるルールがあります。

    apiVersion: networking.k8s.io/v1
    kind: NetworkPolicy
    metadata:
      name: policy1
    spec:
      podSelector:
        matchLabels:
          role: db
      ingress:
      - from:
        - podSelector:
            matchLabels:
              role: frontend
    ---
    apiVersion: networking.k8s.io/v1
    kind: NetworkPolicy
    metadata:
      name: policy2
    spec:
      podSelector:
        matchLabels:
          role: client
      ingress:
      - from:
        - podSelector:
            matchLabels:
              role: frontend

    以下のネットワークポリシーは、上記と同じ 2 つのルールを 1 つのルールとして表現しています。

    apiVersion: networking.k8s.io/v1
    kind: NetworkPolicy
    metadata:
      name: policy3
    spec:
      podSelector:
        matchExpressions:
        - {key: role, operator: In, values: [db, client]}
      ingress:
      - from:
        - podSelector:
            matchLabels:
              role: frontend

    この最適化は、複数のセレクターを 1 つのセレクターとして表現する場合に限り適用できます。セレクターが異なるラベルに基づいている場合、この最適化は適用できない可能性があります。その場合は、ネットワークポリシーの最適化に特化して新規ラベルをいくつか適用することを検討してください。

6.2.1.3. 次のステップ

6.2.2. ネットワークポリシーの作成

admin ロールを持つユーザーは、namespace のネットワークポリシーを作成できます。

6.2.2.1. サンプル NetworkPolicy オブジェクト

以下は、サンプル NetworkPolicy オブジェクトにアノテーションを付けます。

kind: NetworkPolicy
apiVersion: networking.k8s.io/v1
metadata:
  name: allow-27107 1
spec:
  podSelector: 2
    matchLabels:
      app: mongodb
  ingress:
  - from:
    - podSelector: 3
        matchLabels:
          app: app
    ports: 4
    - protocol: TCP
      port: 27017
1
NetworkPolicy オブジェクトの名前。
2
ポリシーが適用される Pod を説明するセレクター。ポリシーオブジェクトは NetworkPolicy オブジェクトが定義されるプロジェクトの Pod のみを選択できます。
3
ポリシーオブジェクトが入力トラフィックを許可する Pod に一致するセレクター。セレクターは、NetworkPolicy と同じ namaspace にある Pod を照合して検索します。
4
トラフィックを受け入れる 1 つ以上の宛先ポートのリスト。

6.2.2.2. CLI を使用したネットワークポリシーの作成

クラスターの namespace に許可される Ingress または Egress ネットワークトラフィックを記述する詳細なルールを定義するには、ネットワークポリシーを作成できます。

注記

cluster-admin ロールを持つユーザーでログインしている場合、クラスター内の任意の namespace でネットワークポリシーを作成できます。

前提条件

  • クラスターが、mode: NetworkPolicy が設定された NetworkPolicy オブジェクトをサポートするネットワークプラグイン (OVN-Kubernetes ネットワークプラグインなど) を使用している。
  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • admin 権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。
  • ネットワークポリシーが適用される namespace で作業している。

手順

  1. ポリシールールを作成します。

    1. <policy_name>.yaml ファイルを作成します。

      $ touch <policy_name>.yaml

      ここでは、以下のようになります。

      <policy_name>
      ネットワークポリシーファイル名を指定します。
    2. 作成したばかりのファイルで、以下の例のようなネットワークポリシーを定義します。

      すべての namespace のすべての Pod から Ingress を拒否します。

      これは基本的なポリシーであり、他のネットワークポリシーの設定によって許可されたクロス Pod トラフィック以外のすべてのクロス Pod ネットワーキングをブロックします。

      kind: NetworkPolicy
      apiVersion: networking.k8s.io/v1
      metadata:
        name: deny-by-default
      spec:
        podSelector: {}
        policyTypes:
        - Ingress
        ingress: []

      同じ namespace のすべての Pod から Ingress を許可します。

      kind: NetworkPolicy
      apiVersion: networking.k8s.io/v1
      metadata:
        name: allow-same-namespace
      spec:
        podSelector:
        ingress:
        - from:
          - podSelector: {}

      特定の namespace から 1 つの Pod への上りトラフィックを許可する

      このポリシーは、namespace-y で実行されている Pod から pod-a というラベルの付いた Pod へのトラフィックを許可します。

      kind: NetworkPolicy
      apiVersion: networking.k8s.io/v1
      metadata:
        name: allow-traffic-pod
      spec:
        podSelector:
         matchLabels:
            pod: pod-a
        policyTypes:
        - Ingress
        ingress:
        - from:
          - namespaceSelector:
              matchLabels:
                 kubernetes.io/metadata.name: namespace-y
  2. ネットワークポリシーオブジェクトを作成するには、以下のコマンドを入力します。

    $ oc apply -f <policy_name>.yaml -n <namespace>

    ここでは、以下のようになります。

    <policy_name>
    ネットワークポリシーファイル名を指定します。
    <namespace>
    オプション: オブジェクトが現在の namespace 以外の namespace に定義されている場合は namespace を指定します。

    出力例

    networkpolicy.networking.k8s.io/deny-by-default created

注記

cluster-admin 権限で Web コンソールにログインする場合、YAML で、または Web コンソールのフォームから、クラスターの任意の namespace でネットワークポリシーを直接作成できます。

6.2.2.3. デフォルトの全拒否ネットワークポリシーの作成

これは基本的なポリシーであり、他のデプロイメントされたネットワークポリシーの設定によって許可されたネットワークトラフィック以外のすべてのクロス Pod ネットワークをブロックします。この手順では、デフォルトの deny-by-default ポリシーを適用します。

注記

cluster-admin ロールを持つユーザーでログインしている場合、クラスター内の任意の namespace でネットワークポリシーを作成できます。

前提条件

  • クラスターが、mode: NetworkPolicy が設定された NetworkPolicy オブジェクトをサポートするネットワークプラグイン (OVN-Kubernetes ネットワークプラグインなど) を使用している。
  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • admin 権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。
  • ネットワークポリシーが適用される namespace で作業している。

手順

  1. すべての namespace におけるすべての Pod からの Ingress を拒否する deny-by-default ポリシーを定義する次の YAML を作成します。YAML を deny-by-default.yaml ファイルに保存します。

    kind: NetworkPolicy
    apiVersion: networking.k8s.io/v1
    metadata:
      name: deny-by-default
      namespace: default 1
    spec:
      podSelector: {} 2
      ingress: [] 3
    1
    namespace: default は、このポリシーを default namespace にデプロイします。
    2
    podSelector: は空です。これは、すべての Pod に一致することを意味します。したがって、ポリシーはデフォルト namespace のすべての Pod に適用されます。
    3
    指定された ingress ルールはありません。これにより、着信トラフィックがすべての Pod にドロップされます。
  2. 次のコマンドを入力して、ポリシーを適用します。

    $ oc apply -f deny-by-default.yaml

    出力例

    networkpolicy.networking.k8s.io/deny-by-default created

6.2.2.4. 外部クライアントからのトラフィックを許可するネットワークポリシーの作成

deny-by-default ポリシーを設定すると、外部クライアントからラベル app=web を持つ Pod へのトラフィックを許可するポリシーの設定に進むことができます。

注記

cluster-admin ロールを持つユーザーでログインしている場合、クラスター内の任意の namespace でネットワークポリシーを作成できます。

この手順に従って、パブリックインターネットから直接、またはロードバランサーを使用して Pod にアクセスすることにより、外部サービスを許可するポリシーを設定します。トラフィックは、ラベル app=web を持つ Pod にのみ許可されます。

前提条件

  • クラスターが、mode: NetworkPolicy が設定された NetworkPolicy オブジェクトをサポートするネットワークプラグイン (OVN-Kubernetes ネットワークプラグインなど) を使用している。
  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • admin 権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。
  • ネットワークポリシーが適用される namespace で作業している。

手順

  1. パブリックインターネットからのトラフィックが直接、またはロードバランサーを使用して Pod にアクセスできるようにするポリシーを作成します。YAML を web-allow-external.yaml ファイルに保存します。

    kind: NetworkPolicy
    apiVersion: networking.k8s.io/v1
    metadata:
      name: web-allow-external
      namespace: default
    spec:
      policyTypes:
      - Ingress
      podSelector:
        matchLabels:
          app: web
      ingress:
        - {}
  2. 次のコマンドを入力して、ポリシーを適用します。

    $ oc apply -f web-allow-external.yaml

    出力例

    networkpolicy.networking.k8s.io/web-allow-external created

    このポリシーは、次の図に示すように、外部トラフィックを含むすべてのリソースからのトラフィックを許可します。

外部クライアントからのトラフィックを許可する

6.2.2.5. すべての namespace からアプリケーションへのトラフィックを許可するネットワークポリシーを作成する

注記

cluster-admin ロールを持つユーザーでログインしている場合、クラスター内の任意の namespace でネットワークポリシーを作成できます。

この手順に従って、すべての namespace 内のすべての Pod から特定のアプリケーションへのトラフィックを許可するポリシーを設定します。

前提条件

  • クラスターが、mode: NetworkPolicy が設定された NetworkPolicy オブジェクトをサポートするネットワークプラグイン (OVN-Kubernetes ネットワークプラグインなど) を使用している。
  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • admin 権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。
  • ネットワークポリシーが適用される namespace で作業している。

手順

  1. すべての namespace のすべての Pod から特定のアプリケーションへのトラフィックを許可するポリシーを作成します。YAML を web-allow-all-namespaces.yaml ファイルに保存します。

    kind: NetworkPolicy
    apiVersion: networking.k8s.io/v1
    metadata:
      name: web-allow-all-namespaces
      namespace: default
    spec:
      podSelector:
        matchLabels:
          app: web 1
      policyTypes:
      - Ingress
      ingress:
      - from:
        - namespaceSelector: {} 2
    1
    デフォルトの namespace の app:web Pod にのみポリシーを適用します。
    2
    すべての namespace のすべての Pod を選択します。
    注記

    デフォルトでは、namespaceSelector の指定を省略した場合、namespace は選択されません。つまり、ポリシーは、ネットワークポリシーがデプロイされている namespace からのトラフィックのみを許可します。

  2. 次のコマンドを入力して、ポリシーを適用します。

    $ oc apply -f web-allow-all-namespaces.yaml

    出力例

    networkpolicy.networking.k8s.io/web-allow-all-namespaces created

検証

  1. 次のコマンドを入力して、default namespace で Web サービスを開始します。

    $ oc run web --namespace=default --image=nginx --labels="app=web" --expose --port=80
  2. 次のコマンドを実行して、alpine イメージを secondary namespace にデプロイし、シェルを開始します。

    $ oc run test-$RANDOM --namespace=secondary --rm -i -t --image=alpine -- sh
  3. シェルで次のコマンドを実行し、リクエストが許可されていることを確認します。

    # wget -qO- --timeout=2 http://web.default

    予想される出力

    <!DOCTYPE html>
    <html>
    <head>
    <title>Welcome to nginx!</title>
    <style>
    html { color-scheme: light dark; }
    body { width: 35em; margin: 0 auto;
    font-family: Tahoma, Verdana, Arial, sans-serif; }
    </style>
    </head>
    <body>
    <h1>Welcome to nginx!</h1>
    <p>If you see this page, the nginx web server is successfully installed and
    working. Further configuration is required.</p>
    
    <p>For online documentation and support please refer to
    <a href="http://nginx.org/">nginx.org</a>.<br/>
    Commercial support is available at
    <a href="http://nginx.com/">nginx.com</a>.</p>
    
    <p><em>Thank you for using nginx.</em></p>
    </body>
    </html>

6.2.2.6. namespace からアプリケーションへのトラフィックを許可するネットワークポリシーの作成

注記

cluster-admin ロールを持つユーザーでログインしている場合、クラスター内の任意の namespace でネットワークポリシーを作成できます。

特定の namespace からラベル app=web を持つ Pod へのトラフィックを許可するポリシーを設定するには、次の手順に従います。以下の場合にこれを行うことができます。

  • 運用データベースへのトラフィックを、運用ワークロードがデプロイされている namespace のみに制限します。
  • 特定の namespace にデプロイされた監視ツールを有効にして、現在の namespace からメトリクスをスクレイピングします。

前提条件

  • クラスターが、mode: NetworkPolicy が設定された NetworkPolicy オブジェクトをサポートするネットワークプラグイン (OVN-Kubernetes ネットワークプラグインなど) を使用している。
  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • admin 権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。
  • ネットワークポリシーが適用される namespace で作業している。

手順

  1. ラベルが purpose=production の特定の namespace 内にあるすべての Pod からのトラフィックを許可するポリシーを作成します。YAML を web-allow-prod.yaml ファイルに保存します。

    kind: NetworkPolicy
    apiVersion: networking.k8s.io/v1
    metadata:
      name: web-allow-prod
      namespace: default
    spec:
      podSelector:
        matchLabels:
          app: web 1
      policyTypes:
      - Ingress
      ingress:
      - from:
        - namespaceSelector:
            matchLabels:
              purpose: production 2
    1
    デフォルトの namespace の app:web Pod にのみポリシーを適用します。
    2
    ラベルが purpose=production の namespace 内にある Pod のみにトラフィックを制限します。
  2. 次のコマンドを入力して、ポリシーを適用します。

    $ oc apply -f web-allow-prod.yaml

    出力例

    networkpolicy.networking.k8s.io/web-allow-prod created

検証

  1. 次のコマンドを入力して、default namespace で Web サービスを開始します。

    $ oc run web --namespace=default --image=nginx --labels="app=web" --expose --port=80
  2. 次のコマンドを実行して、prod namespace を作成します。

    $ oc create namespace prod
  3. 次のコマンドを実行して、prod namespace にラベルを付けます。

    $ oc label namespace/prod purpose=production
  4. 次のコマンドを実行して、dev namespace を作成します。

    $ oc create namespace dev
  5. 次のコマンドを実行して、dev namespace にラベルを付けます。

    $ oc label namespace/dev purpose=testing
  6. 次のコマンドを実行して、alpine イメージを dev namespace にデプロイし、シェルを開始します。

    $ oc run test-$RANDOM --namespace=dev --rm -i -t --image=alpine -- sh
  7. シェルで次のコマンドを実行し、リクエストがブロックされていることを確認します。

    # wget -qO- --timeout=2 http://web.default

    予想される出力

    wget: download timed out

  8. 次のコマンドを実行して、alpine イメージを prod namespace にデプロイし、シェルを開始します。

    $ oc run test-$RANDOM --namespace=prod --rm -i -t --image=alpine -- sh
  9. シェルで次のコマンドを実行し、リクエストが許可されていることを確認します。

    # wget -qO- --timeout=2 http://web.default

    予想される出力

    <!DOCTYPE html>
    <html>
    <head>
    <title>Welcome to nginx!</title>
    <style>
    html { color-scheme: light dark; }
    body { width: 35em; margin: 0 auto;
    font-family: Tahoma, Verdana, Arial, sans-serif; }
    </style>
    </head>
    <body>
    <h1>Welcome to nginx!</h1>
    <p>If you see this page, the nginx web server is successfully installed and
    working. Further configuration is required.</p>
    
    <p>For online documentation and support please refer to
    <a href="http://nginx.org/">nginx.org</a>.<br/>
    Commercial support is available at
    <a href="http://nginx.com/">nginx.com</a>.</p>
    
    <p><em>Thank you for using nginx.</em></p>
    </body>
    </html>

6.2.2.7. OpenShift Cluster Manager を使用したネットワークポリシーの作成

クラスターの namespace に許可される Ingress または egress ネットワークトラフィックを記述する詳細なルールを定義するには、ネットワークポリシーを作成できます。

前提条件

  • OpenShift Cluster Manager にログインしている。
  • OpenShift Dedicated クラスターを作成している。
  • クラスターにアイデンティティープロバイダーを設定している。
  • 設定したアイデンティティープロバイダーにユーザーアカウントを追加している。
  • OpenShift Dedicated クラスター内にプロジェクトを作成しました。

手順

  1. OpenShift Cluster Manager で、アクセスするクラスターをクリックします。
  2. コンソールを開く をクリックして、OpenShift Web コンソールに移動します。
  3. アイデンティティープロバイダーをクリックし、クラスターにログインするためのクレデンシャルを指定します。
  4. 管理者の観点から、Networking の下の NetworkPolicies をクリックします。
  5. NetworkPolicy の作成 をクリックします。
  6. ポリシー名 フィールドにポリシーの名前を入力します。
  7. オプション: このポリシーが 1 つ以上の特定の Pod にのみ適用される場合は、特定の Pod のラベルとセレクターを指定できます。特定の Pod を選択しない場合、このポリシーはクラスター上のすべての Pod に適用されます。
  8. オプション: Deny all ingress traffic または Deny all egress traffic チェックボックスを使用して、すべてのイングレストラフィックとエグレストラフィックをブロックできます。
  9. イングレスルールとエグレスルールの任意の組み合わせを追加して、承認するポート、名前空間、または IP ブロックを指定することもできます。
  10. Ingress ルールをポリシーに追加します。

    1. Add ingress rule を選択して新規ルールを設定します。このアクションにより、受信トラフィックを制限する方法を指定できる Add allowed source ドロップダウンメニューを含む新しい Ingress ルール 行が作成されます。ドロップダウンメニューでは、Ingress トラフィックを制限する 3 つのオプションを利用できます。

      • Allow pods from the same namespace では、空間内の Pod へのトラフィックが制限されます。namespace に Pod を指定できますが、このオプションは空のままにすると namespace の Pod からのすべてのトラフィックを許可します。
      • Allow pods from inside the cluster では、ポリシーと同じクラスター内の Pod へのトラフィックが制限されます。インバウンドトラフィックを許可する名前空間と Pod を指定できます。このオプションを空白のままにすると、このクラスター内のすべての名前空間と Pod からのインバウンドトラフィックが許可されます。
      • IP ブロックによるピアの許可 は、指定された Classless Inter-Domain Routing (CIDR) IP ブロックからのトラフィックを制限します。例外オプションを使用して、特定の IP をブロックできます。CIDR フィールドを空白のままにすると、すべての外部ソースからのすべてのインバウンドトラフィックが許可されます。
    2. すべての受信トラフィックをポートに制限できます。ポートを追加しない場合、トラフィックはすべてのポートにアクセスできます。
  11. ネットワークポリシーにエグレスルールを追加します。

    1. Add egress rule 選択して、新しいルールを設定します。このアクションにより、送信トラフィックを制限する方法を指定できる Add allowed destination"* する * ドロップダウンメニューを含む新しい Egress rule 行が作成されます。ドロップダウンメニューには、下りトラフィックを制限する 3 つのオプションがあります。

      • Allow pods from the same namespace では、同じ namespace 内の Pod へのトラフィックが制限されます。namespace に Pod を指定できますが、このオプションは空のままにすると namespace の Pod からのすべてのトラフィックを許可します。
      • Allow pods from inside the cluster では、ポリシーと同じクラスター内の Pod へのトラフィックが制限されます。アウトバウンドトラフィックを許可する namespace および Pod を指定できます。このオプションを空白のままにすると、このクラスター内のすべての名前空間と Pod からのアウトバウンドトラフィックが許可されます。
      • Allow peers by IP block すると、指定された CIDR IP ブロックからのトラフィックが制限されます。例外オプションを使用して、特定の IP をブロックできます。CIDR フィールドを空白のままにすると、すべての外部ソースからのすべてのアウトバウンドが許可されます。
    2. すべてのアウトバウンドトラフィックをポートに制限できます。ポートを追加しない場合、トラフィックはすべてのポートにアクセスできます。

6.2.3. ネットワークポリシーの表示

admin ロールを持つユーザーは、namespace のネットワークポリシーを表示できます。

6.2.3.1. サンプル NetworkPolicy オブジェクト

以下は、サンプル NetworkPolicy オブジェクトにアノテーションを付けます。

kind: NetworkPolicy
apiVersion: networking.k8s.io/v1
metadata:
  name: allow-27107 1
spec:
  podSelector: 2
    matchLabels:
      app: mongodb
  ingress:
  - from:
    - podSelector: 3
        matchLabels:
          app: app
    ports: 4
    - protocol: TCP
      port: 27017
1
NetworkPolicy オブジェクトの名前。
2
ポリシーが適用される Pod を説明するセレクター。ポリシーオブジェクトは NetworkPolicy オブジェクトが定義されるプロジェクトの Pod のみを選択できます。
3
ポリシーオブジェクトが入力トラフィックを許可する Pod に一致するセレクター。セレクターは、NetworkPolicy と同じ namaspace にある Pod を照合して検索します。
4
トラフィックを受け入れる 1 つ以上の宛先ポートのリスト。

6.2.3.2. CLI を使用したネットワークポリシーの表示

namespace のネットワークポリシーを検査できます。

注記

cluster-admin ロールを持つユーザーでログインしている場合、クラスター内の任意のネットワークポリシーを表示できます。

前提条件

  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • admin 権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。
  • ネットワークポリシーが存在する namespace で作業している。

手順

  • namespace のネットワークポリシーを一覧表示します。

    • namespace で定義されたネットワークポリシーオブジェクトを表示するには、以下のコマンドを実行します。

      $ oc get networkpolicy
    • オプション: 特定のネットワークポリシーを検査するには、以下のコマンドを入力します。

      $ oc describe networkpolicy <policy_name> -n <namespace>

      ここでは、以下のようになります。

      <policy_name>
      検査するネットワークポリシーの名前を指定します。
      <namespace>
      オプション: オブジェクトが現在の namespace 以外の namespace に定義されている場合は namespace を指定します。

      以下に例を示します。

      $ oc describe networkpolicy allow-same-namespace

      oc describe コマンドの出力

      Name:         allow-same-namespace
      Namespace:    ns1
      Created on:   2021-05-24 22:28:56 -0400 EDT
      Labels:       <none>
      Annotations:  <none>
      Spec:
        PodSelector:     <none> (Allowing the specific traffic to all pods in this namespace)
        Allowing ingress traffic:
          To Port: <any> (traffic allowed to all ports)
          From:
            PodSelector: <none>
        Not affecting egress traffic
        Policy Types: Ingress

注記

cluster-admin 権限で Web コンソールにログインする場合、YAML で、または Web コンソールのフォームから、クラスターの任意の namespace でネットワークポリシーを直接表示できます。

6.2.3.3. OpenShift Cluster Manager を使用したネットワークポリシーの表示

Red Hat OpenShift Cluster Manager でネットワークポリシーの設定の詳細を表示できます。

前提条件

  • OpenShift Cluster Manager にログインしている。
  • OpenShift Dedicated クラスターを作成している。
  • クラスターにアイデンティティープロバイダーを設定している。
  • 設定したアイデンティティープロバイダーにユーザーアカウントを追加している。
  • ネットワークポリシーを作成しました。

手順

  1. OpenShift Cluster Manager Web コンソールの Administrator パースペクティブから、Networking の下にある NetworkPolicies をクリックします。
  2. 表示するネットワークポリシーを選択します。
  3. ネットワークポリシー の詳細ページで、関連付けられたすべての Ingress および egress ルールを表示できます。
  4. ネットワークポリシーの詳細で YAML を選択して、ポリシー設定を YAML 形式で表示します。

    注記

    これらのポリシーの詳細のみを表示できます。これらのポリシーは編集できません。

6.2.4. ネットワークポリシーの削除

admin ロールを持つユーザーは、namespace からネットワークポリシーを削除できます。

6.2.4.1. CLI を使用したネットワークポリシーの削除

namespace のネットワークポリシーを削除できます。

注記

cluster-admin ロールを持つユーザーでログインしている場合、クラスター内の任意のネットワークポリシーを削除できます。

前提条件

  • クラスターが、mode: NetworkPolicy が設定された NetworkPolicy オブジェクトをサポートするネットワークプラグイン (OVN-Kubernetes ネットワークプラグインなど) を使用している。
  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • admin 権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。
  • ネットワークポリシーが存在する namespace で作業している。

手順

  • ネットワークポリシーオブジェクトを削除するには、以下のコマンドを入力します。

    $ oc delete networkpolicy <policy_name> -n <namespace>

    ここでは、以下のようになります。

    <policy_name>
    ネットワークポリシーの名前を指定します。
    <namespace>
    オプション: オブジェクトが現在の namespace 以外の namespace に定義されている場合は namespace を指定します。

    出力例

    networkpolicy.networking.k8s.io/default-deny deleted

注記

cluster-admin 権限で Web コンソールにログインする場合、YAML で、または Web コンソールの Actions メニューのポリシーから、クラスターの任意の namespace でネットワークポリシーを直接削除できます。

6.2.4.2. OpenShift Cluster Manager を使用したネットワークポリシーの削除

namespace のネットワークポリシーを削除できます。

前提条件

  • OpenShift Cluster Manager にログインしている。
  • OpenShift Dedicated クラスターを作成している。
  • クラスターにアイデンティティープロバイダーを設定している。
  • 設定したアイデンティティープロバイダーにユーザーアカウントを追加している。

手順

  1. OpenShift Cluster Manager Web コンソールの Administrator パースペクティブから、Networking の下にある NetworkPolicies をクリックします。
  2. ネットワークポリシーを削除するには、次のいずれかの方法を使用します。

    • ネットワークポリシー テーブルからポリシーを削除します。

      1. ネットワークポリシー テーブルから、削除するネットワークポリシーの行にあるスタックメニューを選択し、NetworkPolicy の削除 をクリックします。
    • 個々のネットワークポリシーの詳細から アクション ドロップダウンメニューを使用してポリシーを削除します。

      1. ネットワークポリシーの アクション ドロップダウンメニューをクリックします。
      2. メニューから Delete NetworkPolicy を選択します。

6.2.5. ネットワークポリシーを使用したマルチテナント分離の設定

クラスター管理者は、マルチテナントネットワークの分離を実行するようにネットワークポリシーを設定できます。

注記

本セクションで説明されているようにネットワークポリシーを設定すると、OpenShift Dedicated の以前のバージョンの OpenShift SDN のマルチテナントモードと同様のネットワーク分離が行われます。

6.2.5.1. ネットワークポリシーを使用したマルチテナント分離の設定

他のプロジェクト namespace の Pod およびサービスから分離できるようにプロジェクトを設定できます。

前提条件

  • クラスターが、mode: NetworkPolicy が設定された NetworkPolicy オブジェクトをサポートするネットワークプラグイン (OVN-Kubernetes ネットワークプラグインなど) を使用している。
  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • admin 権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。

手順

  1. 以下の NetworkPolicy オブジェクトを作成します。

    1. allow-from-openshift-ingress という名前のポリシー:

      $ cat << EOF| oc create -f -
      apiVersion: networking.k8s.io/v1
      kind: NetworkPolicy
      metadata:
        name: allow-from-openshift-ingress
      spec:
        ingress:
        - from:
          - namespaceSelector:
              matchLabels:
                policy-group.network.openshift.io/ingress: ""
        podSelector: {}
        policyTypes:
        - Ingress
      EOF
      注記

      policy-group.network.openshift.io/Ingress: "" は、OVN-Kubernetes の推奨される namespace セレクターラベルです。

    2. allow-from-openshift-monitoring という名前のポリシー。

      $ cat << EOF| oc create -f -
      apiVersion: networking.k8s.io/v1
      kind: NetworkPolicy
      metadata:
        name: allow-from-openshift-monitoring
      spec:
        ingress:
        - from:
          - namespaceSelector:
              matchLabels:
                network.openshift.io/policy-group: monitoring
        podSelector: {}
        policyTypes:
        - Ingress
      EOF
    3. allow-same-namespace という名前のポリシー:

      $ cat << EOF| oc create -f -
      kind: NetworkPolicy
      apiVersion: networking.k8s.io/v1
      metadata:
        name: allow-same-namespace
      spec:
        podSelector:
        ingress:
        - from:
          - podSelector: {}
      EOF
    4. allow-from-kube-apiserver-operator という名前のポリシー:

      $ cat << EOF| oc create -f -
      apiVersion: networking.k8s.io/v1
      kind: NetworkPolicy
      metadata:
        name: allow-from-kube-apiserver-operator
      spec:
        ingress:
        - from:
          - namespaceSelector:
              matchLabels:
                kubernetes.io/metadata.name: openshift-kube-apiserver-operator
            podSelector:
              matchLabels:
                app: kube-apiserver-operator
        policyTypes:
        - Ingress
      EOF

      詳細は、新規の New kube-apiserver-operator webhook controller validating health of webhook を参照してください。

  2. オプション: 以下のコマンドを実行し、ネットワークポリシーオブジェクトが現在のプロジェクトに存在することを確認します。

    $ oc describe networkpolicy

    出力例

    Name:         allow-from-openshift-ingress
    Namespace:    example1
    Created on:   2020-06-09 00:28:17 -0400 EDT
    Labels:       <none>
    Annotations:  <none>
    Spec:
      PodSelector:     <none> (Allowing the specific traffic to all pods in this namespace)
      Allowing ingress traffic:
        To Port: <any> (traffic allowed to all ports)
        From:
          NamespaceSelector: network.openshift.io/policy-group: ingress
      Not affecting egress traffic
      Policy Types: Ingress
    
    
    Name:         allow-from-openshift-monitoring
    Namespace:    example1
    Created on:   2020-06-09 00:29:57 -0400 EDT
    Labels:       <none>
    Annotations:  <none>
    Spec:
      PodSelector:     <none> (Allowing the specific traffic to all pods in this namespace)
      Allowing ingress traffic:
        To Port: <any> (traffic allowed to all ports)
        From:
          NamespaceSelector: network.openshift.io/policy-group: monitoring
      Not affecting egress traffic
      Policy Types: Ingress

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