第7章 64 ビット AMD、Intel、および ARM システムでのインストールの起動
Red Hat Enterprise Linux は、ハードディスクに保存されている ISO イメージから、または
NFS
、FTP
、HTTP
、または HTTPS
メソッドを使用してネットワークからインストールできます。完全インストール用 DVD から起動してインストールする方法が最も簡単な方法になります。これ以外のインストール方法の場合、いくつか別途にセットアップが必要にはなりますが、それぞれ異なる利点があります。たとえば、Red Hat Enterprise Linux を大量のマシンに同時にインストールする場合は、PXE サーバーから起動し、ネットワーク上の共有の場所に配置したソースからのインストールが最適な方法になります。
以下の表では、メディアごとに使用できる起動方法と推奨インストール方法について要約しています。
起動方法 | インストールソース |
---|---|
完全インストール用メディア (DVD または USB) | インストールも起動した完全インストール用メディア自体を使用します |
最小限の起動メディア (CD または USB) | インストールは、ネットワーク上もしくはハードドライブ上に配置しておいた完全インストール用 DVD ISO イメージ、またはこのイメージから抽出したインストールツリーを使用します |
ネットワーク起動 (PXE) | インストールは、ネットワーク上に配置しておいた完全インストール用 DVD ISO イメージ、またはこのイメージから抽出したインストールツリーを使用します |
起動用 CD-ROM の作成方法、起動またはインストール用 USB フラッシュドライブの準備などについて 「USB インストールメディアの作成」 を参照してください。
本章では、以下のトピックについて説明します。
- 「物理メディアからの起動」 では、物理メディア (Red Hat Enterprise Linux DVD、起動用 CD-ROM、USB フラッシュドライブ) を使ってインストールプログラムを起動する方法について説明しています。
- 「PXE を使ったネットワークからの起動」 では、PXE を使用してインストールプログラムを起動する方法を説明します。
- 「ブートメニュー」 には、起動メニューの情報が含まれています。
7.1. インストールプログラムの起動
インストールプログラムを起動するには、まずインストールに必要なリソースがすべて揃っていることを確認します。5章64 ビット AMD、Intel、および ARM システムへのインストールプランの指示どおりに手順を実行している場合は、インストールの開始準備が整っているはずです。開始準備が整っていることを確認したら、Red Hat Enterprise Linux DVD または作成した起動メディアを使ってインストールプログラムを起動します。
重要
起動中にマウスを何回もクリックするなどの過剰な入力があると、インストーラーがインストールプロセスでキーボード入力を無視する原因になる場合があります。
注記
時折、インストール中に ドライバー更新 を必要とするハードウェアコンポーネントがあります。ドライバー更新により、インストールプログラムでは対応していないハードウェアに対応できるようになります。詳細は、6章AMD64 および Intel 64 システムへのインストール中におけるドライバー更新 を参照してください。
7.1.1. 物理メディアからの起動
Red Hat Enterprise Linux DVD、または最小限の起動メディアからインストールプログラムを起動するには、以下の手順に従います。
手順7.1 物理メディアからのインストールプログラムの起動
- インストールに必要のないドライブはすべて取り外します。詳細は、「USB ディスク」 を参照してください。
- コンピューターシステムの電源を入れます。
- コンピューターにメディアを挿入します。
- 起動メディアが挿入された状態でコンピューターの電源をオフにします。
- コンピューターシステムの電源を入れます。メディアから起動するため特定のキーやキーの組み合わせを押さなければならなかったり、メディアから起動するようシステムの BIOS (Basic Input/Output System) を設定しなければならない場合があります。詳細は、システムに同梱されているドキュメントをご覧ください。
しばらくすると、各種の起動オプションの詳細が記載された起動画面が表示されます。最初の 1 分以内に操作を行わない場合には、インストールプログラムが自動的に開始されます。この画面に表示されるオプションの説明は、「ブートメニュー」 を参照してください。
7.1.2. PXE を使ったネットワークからの起動
起動方法 PXE、適切に設定された TFTP サーバー、および PXE に対応するコンピューターのネットワークインターフェイスが必要です。PXE サーバーの設定方法は 24章ネットワークからのインストールの準備 を参照してください。
ネットワークインターフェイスから起動するようコンピューターを設定します。このオプションは BIOS にあり、
Network Boot
または Boot Services
のラベルが付けられる場合があります。また、正しいネットワークインターフェイスから最初に起動するよう BIOS が設定されていることを確認します。BIOS システムの中には、起動デバイスとしてネットワークインタフェースが指定されているにもかかわらず、PXE 規格に対応していないものがあります。詳細はハードウェアのドキュメントをご覧ください。PXE の起動を正しく有効にすると、他のメディアがなくても Red Hat Enterprise Linux インストールシステムを起動できます。
次の手順に従い PXE サーバーからインストールプログラムを起動します。Ethernet など物理的なネットワーク接続を使用する必要があるので注意してください。ワイヤレス接続では正しく動作しません。
手順7.2 PXE を使ってネットワークからインストールプログラムを起動する
- ネットワークケーブルが接続されていることを確認します。コンピューターの電源がオンになっていない場合でも、ネットワークソケットのリンクインジケーターのライトがオンになっているはずです。
- コンピューターのスイッチをオンにします。
- ハードウェアによって PXE サーバーに接続する前にネットワーク設定と診断情報が表示される場合があります。接続すると、PXE サーバーの設定に応じたメニューが表示されます。目的のオプションに該当する数字キーを押します。どのオプションを選択したらよいかわからない場合はサーバーの管理者に問い合わせてください。
これでインストールプログラムが正常に起動し、起動画面が表示されます。この画面には各種の起動オプションの詳細が表示されます。最初の 1 分以内に操作を行わない場合には、インストールプログラムが自動的に開始されます。この画面に表示されるオプションの説明は、「ブートメニュー」 を参照してください。