第27章 キックスタートを使ったインストール
27.1. キックスタートを使ったインストールとは
インストールプロセスを部分的または完全に自動化する方法がキックスタートを使ったインストールになります。キックスタートファイルには、システムで使用するタイムゾーン、ドライブのパーティション設定、インストールするパッケージなど、インストールプログラムで入力を求められる一般的な質問に対する答えがすべて格納されます。このため、準備されたキックスタートファイルをインストール開始時に提供することで、ユーザーによる作業を必要としない自動インストールが実行できるようになります。これは、Red Hat Enterprise Linux を多数のシステムに一度にデプロイする場合などに特に便利です。
キックスタートファイルを 1 つのサーバーに置くことで、インストール時に各コンピューターが読み込むことができます。この方法を使用すると、1 つのキックスタートファイルで複数のマシンに Red Hat Enterprise Linux をインストールできるため、ネットワークおよびシステム管理者には理想的な方法になります。
キックスタートスクリプトとその実行のログファイルは、インストールの失敗のデバッグに役立つように
/tmp
ディレクトリーに保存されます。
注記
キックスタートは、Red Hat Enterprise Linux の以前のバージョンではシステムをアップグレードするのに使用できました。Red Hat Enterprise Linux 7 では、この機能は削除されており、システムのアップグレードではなく、特殊なツールにより処理されます。詳細は 29章現在のシステムのアップグレード を参照してください。