第2章 Red Hat Enterprise Linux のダウンロード
Red Hat サブスクリプションをお持ちの場合は、Red Hat カスタマーポータルから Red Hat Enterprise Linux 7 インストール DVD の ISO イメージファイル をダウンロードできます。サブスクリプションをお持ちでない方は、サブスクリプションをご購入頂くか https://access.redhat.com/downloads/ のソフトウェアおよびダウンロードセンターで無料の評価版サブスクリプションを入手してください。
AMD64 および Intel 64 (x86_64)、ARM (Aarch64)、ならびに IBM Power Systems (ppc64) のアーキテクチャーで使用できるインストールメディアには、2 つの基本タイプがあります。
- バイナリー DVD
- 完全なインストールイメージ。これはインストールプログラムを起動して全インストール工程を実施します。パッケージ用の追加リポジトリーを用意する必要はありません。注記バイナリー DVD は IBM Z でもご利用頂くことができます。SCSI DVD ドライブを使ってインストールプログラムを起動する場合に使用できます。また、インストールソースとして使用することもできます。
- boot.iso
- 最小限の起動イメージ。これは、インストールプログラムを起動しますがパッケージ用の追加リポジトリーにアクセスする必要があります。Red Hat ではこのようなリポジトリーは提供しておらず、完全インストール ISO イメージを使用して作成する必要があります。
注記
IBM Java ランタイム環境や追加の仮想化ドライバーなどの追加パッケージが含まれる補助 DVD イメージを利用することもできます。ただし、これについては本ガイドの範囲を超えます。
既にサブスクリプションまたは評価版サブスクリプションをお持ちの場合は、以下の手順に従って Red Hat Enterprise Linux Red Hat Enterprise Linux 7 の ISO イメージファイルを取得します。
手順2.1 Red Hat Enterprise Linux ISO イメージのダウンロード
- カスタマーポータルの https://access.redhat.com/home にアクセスします。ログインしていない場合はページ右側の ログイン をクリックします。プロンプトに従いアカウント認証情報を入力します。
- ページ上部の DOWNLOADS をクリックします。
- Red Hat Enterprise Linux をクリックします。
- Product Variant、Architecture がインストールターゲットに適した選択になっているか確認します。デフォルトでは
Red Hat Enterprise Linux Server
とx86_64
を選択します。どれを選択してよいのか分からない場合は、http://www.redhat.com/en/technologies/linux-platforms/enterprise-linux を参照してください。また、各バリアントで利用可能なパッケージ一覧は、Red Hat Enterprise Linux 7 パッケージマニフェストで確認できます。 - 利用可能なダウンロード一覧が表示されます。特に、最小限のブート ISOイメージと完全インストール用 バイナリー DVD ISO イメージが表示されます。これが上記で説明したメディアです。事前設定済みの仮想マシンイメージなど、これ以外のイメージが表示される場合もあります。これについては本ガイドの対象外になります。
- 使用するイメージファイルを選択します。カスタマーポータルからダウンロードする方法は、2 通りあります。
- Web ブラウザーを使ってイメージ名をクリックし、コンピューターにそのイメージをダウンロードします。
- イメージ名を右クリックして curl などの特殊アプリケーションを使用するとカスタマーポータルからのダウンロードなど中断されたプロセスを再開することができます。つまり、ファイル全体を再度ダウンロードする必要がなく時間や回線容量を節約することができます。などのメニューアイテムをクリックします (メニューアイテムの表示はブラウザーによって異なる)。この操作で、ファイルの URL がクリップボードにコピーされ、別のアプリケーションを使ってファイルをコンピューターにダウンロードできるようになります。インターネット接続が不安定な場合にはこの方法が役に立ちます (接続不安定のため中断されブラウザーでファイル全体をダウンロードできず、またダウンロードリンクに含まれている認証キーの有効期間が短いため中断されたダウンロードプロセスの再開試行が失敗してしまうような場合)。
手順2.2 curl を使用したインストールメディアのダウンロード
- root で以下のコマンドを実行して、curl パッケージがインストールされていることを確認します。
# yum install curl
ご使用の Linux ディストリビューションでは yum を使用していない、または Linux 自体をまったく使用していないなどの場合は curl web site で最適となるソフトウェアパッケージをダウンロードしてください。 - ターミナルウィンドウを開きダウンロード先となるディレクトリーに移動します。次のコマンドを入力します。
$ curl -o filename.iso 'copied_link_location'
filename.iso にはrhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso
などカスタマーポータルで表示される ISO イメージの名前を入力します。カスタマーポータル内のダウンロードリンクには curl でダウンロードしたファイル名にも使用する追加文字が含まれているため入力には注意してください。次のパラメーターの一重引用符は付けたまま copied_link_location にはカスタマーポータルからコピーしたリンクを入力します。上記のコマンドをコピーした場合にはもう一度コピーします。Linux ではウィンドウ内で中央ボタンをクリックするか、Shift+Insert を押すとクリップボードの内容をターミナルウィンドウに貼り付けることができます。最後のパラメーターの後ろに別の一重引用符を付けて、Enter を押してコマンドを実行し、ISO イメージの転送を開始します。一重引用符を使用するのはダウンロードリンクに特殊な文字が含まれていた場合など、特殊文字が誤って解釈されないようにするためです。例2.1 curl での ISO イメージのダウンロード
curl コマンドラインの例を示します。$ curl -o rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso 'https://access.cdn.redhat.com//content/origin/files/sha256/85/85a...46c/rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso?_auth_=141...7bf'
実際のダウンロードリンクには複雑な識別子が含まれるため非常に長い記述になる点に注意してください。 - 転送の完了前にインターネット接続が中断された場合はカスタマーポータル内のダウンロードページを更新し、必要であればログインし直します。新しいダウンロードリンクをコピーし、以前と同じ基本的な curl コマンドラインパラメーターを使用しますが、必ず新しいダウンロードリンクを使用するように
-C -
を追加し、既にダウンロードしたファイルのサイズに基づいて続行すべき場所を自動的に決定するように curl に指示します。例2.2 中断されたダウンロードの再開
選択した ISO イメージが一部しかダウンロードされていない場合に使用する curl コマンドラインの例を示します。$ curl -o rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso 'https://access.cdn.redhat.com//content/origin/files/sha256/85/85a...46c/rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso?_auth_=141...963' -C -
- 必要に応じて、sha256sum などのチェックサムユーティリティーを使用して、ダウンロード完了後にイメージファイルの整合性を検証できます。Download Red Hat Enterprise Linux ページにあるダウンロードにはすべて、以下の参照用チェックサムが含まれます。
$ sha256sum rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso
85a...46c rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso
Microsoft Windows や Mac OS X 向けにも同様のツールがあります。また、インストールの開始時にインストールプログラムを使用してメディアの検証もできます。詳細は「起動メディアの検証」を参照してください。
カスタマーポータルから ISO イメージファイルをダウンロードすると、以下が可能になります。
- 「インストール CD または DVD の作成」 の説明に従って、CD または DVD に書き込む。
- イメージファイルを使って起動可能な USB ドライブを作成する (「USB インストールメディアの作成」を参照)。
- ネットワークインストールできるようにこれをサーバーに配置する。具体的な方法は 「インストールソース - ネットワーク」 を参照してください。
- イメージファイルをハードドライブに配置して、そのドライブをインストールソースとして使用する。詳細は、「インストールソース - ハードドライブ」 を参照してください。
- ネットワーク経由でインストールシステムを起動できるよう、イメージファイル使って Preboot Execution Environment (PXE) サーバーを準備します。手順については 24章ネットワークからのインストールの準備 を参照してください。