第21章 IBM Z でのパラメーターと設定ファイル
IBM Z アーキテクチャーでは、カスタマイズされたパラメーターファイルを使用して、カーネルとインストールプログラムに起動パラメーターを渡すことができます。このセクションでは、このパラメーターファイルの内容について説明します。
本セクションは、配布されているパラメーターファイルを変更する場合にのみお読みください。次を行う場合は、パラメーターを変更する必要があります。
- キックスタートによる無人インストール
- レスキューモードなど、インストールプログラムの対話式ユーザーインターフェイスからはアクセスできないデフォルト以外のインストール設定の選択。
パラメーターファイルは、インストールプログラム(ローダーおよび Anaconda)の起動前に、非対話式にネットワークを設定するために使用できます。
カーネルパラメーターファイルは、895 文字に行末文字を加えた長さに制限されています。パラメーターファイルには、可変長または固定長のレコードフォーマットのいずれかが使用されます。固定長レコードフォーマットは、レコードの長さまで各行を追加してファイルサイズを増やします。インストールプログラムが LPAR 環境内のすべての指定パラメーターを認識しないという問題が生じた場合は、すべてのパラメーターを 1 行に収めるか、各行を空白文字で開始および終了することを試してください。
パラメーターファイルには、
ro
などのカーネルパラメーターと、vncpassword=test
や vnc
などのインストールプロセスのパラメーターが含まれます。
21.1. 必須パラメーター
以下のパラメーターは必須となるので、パラメーターファイル内に必ず含めてください。また、インストール DVD の
images/
ディレクトリーの generic.prm
ファイルでも提供されます。
ro
- RAM ディスクであり、読み取り専用であるルートファイルシステムをマウントします。
ramdisk_size=size
- RAM ディスク用に予約されているメモリーサイズは、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを格納できるように変更してください。たとえば、
ramdisk_size=40000
です。
generic.prm
ファイルには、追加のパラメーター cio_ignore=all,!condev
も含まれます。この設定は、デバイスが多いシステムで、起動とデバイス検出を高速化します。インストールプログラムは、無視されるデバイスのアクティベーションを透過的に処理します。
重要
スタック全体で cio_ignore サポートが実装されていないことに起因するインストールの問題を回避するには、
cio_ignore=
パラメーターの値をシステムに調整するか、インストールプログラムのブート(IPL)に使用されるパラメーターファイルからパラメーターを完全に削除します。