19.2. インストール後の問題


19.2.1. リモートグラフィカルデスクトップと XDMCP

X Window System をインストールし、グラフィカルログインマネージャーを使用して Red Hat Enterprise Linux システムにログインする場合は、XDMCP ( X Display Manager Control Protocol )を有効にします。このプロトコルにより、ユーザーはネットワーク接続したワークステーションや X11 ターミナルなどの X 互換クライアントからデスクトップ環境にリモートでログインできるようになります。以下の手順に従うと、XDMCP を有効にできます。

手順19.3 IBM Z 上で XDMCP を有効にする

  1. vinano などのプレーンテキストエディターで /etc/gdm/custom.conf 設定ファイルを開きます。
  2. custom.conf ファイルで、[xdmcp] で始まるセクションを見つけます。このセクションに、以下の行を追加します。
    Enable=true
  3. ファイルを保存して、テキストエディターを終了します。
  4. X Window System を再起動します。これを行うには、システム全体を再起動するか、root で以下のコマンドを使用して GNOME Display Manager を再起動します。
    # systemctl restart gdm.service
    再度ログインプロンプトが表示されるのを待ち、通常のユーザー名とパスワードを使ってログインします。
これで IBM Z サーバーが XDMCP 用に設定されました。クライアントワークステーションで X コマンドを使用してリモート X セッションを開始することで、別のワークステーション(クライアント)から接続できます。以下に例を示します。
$ X :1 -query address
address は、リモート X11 サーバーのホスト名で置き換えます。このコマンドは、XDMCP を使用してリモート X11 サーバーに接続し、X11 サーバーシステムのディスプレイ :1 にリモートグラフィカルログイン画面を表示します(通常は Ctrl-Alt-F8を押してアクセスできます)。
nested X11 サーバーを使用してリモートデスクトップセッションにアクセスすることもできます。これにより、リモートデスクトップが現在の X11 セッションの画面として開きます。Xnest を使用すると、ユーザーはローカルの X11 セッション内にネストされたリモートデスクトップを開くことができます。たとえば、以下のコマンドを使用して Xnest を実行します。address は、リモート X11 サーバーのホスト名に置き換えます。
$ Xnest :1 -query address
XDMCP の詳細は、X Window System のドキュメント() http://www.x.org/releases/X11R7.6/doc/libXdmcp/xdmcp.html を参照してください。

19.2.2. signal 11 エラーが表示される

セグメンテーション違反 と呼ばれる signal 11 エラーとは、割り当てられていないメモリーにプログラムがアクセスを行ったという意味です。インストールされているソフトウェアプログラムのいずれかにバグがあったり、ハードウェアに障害があると signal 11 エラーが発生する場合があります。
インストール時に致命的なシグナル 11 エラーが発生した場合は、最初に最新のインストールイメージを使用していることを確認し、Anaconda に検証して、それらが破損していないことを確認します。signal 11 エラーの原因として不良インストールメディア (書き込みが不適切だったり、傷が付いている光学ディスクなど) がよく見られます。インストールを行う前には、必ずインストールメディアの整合性を確認することが推奨されます。
最新のインストールメディアを取得する方法は、2章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード を参照してください。インストールを開始する前にメディアチェックを実行するには、起動メニューに rd.live.check 起動オプションを追加します。詳細は 「起動メディアの検証」 を参照してください。
これ以外に考えられる原因は、本書では扱いません。詳細は、ハードウェアの製造元のドキュメントを参照してください。
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