第1章 はじめに


Anaconda と呼ばれるインストールユーティリティーで Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。多くの場合、「対話型インストール」 に記載の手順に従うだけで、Anaconda のグラフィカルインターフェイスを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。
高度な要件を必要とするユーザーは、各種のシステム上でグラフィカルインタフェースを使用してインストールの多くの要素を設定して、Red Hat Enterprise Linux をインストールすることもできます。ローカルインターフェイスのないシステムでは、インストールは完全にリモートからアクセスできます。キックスタート ファイルを使用してインストールを自動化したり、対話なしでインストールしたりできます。

1.1. グラフィカルインストール

Red Hat Enterprise Linux インストーラーである Anaconda は、簡単なグラフィカルの手法で Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。このグラフィカルインストールインターフェイスにはヘルプシステムが組み込まれており、Linux をインストールしたことがなくても、ほとんどのインストールを実行できます。ただし、Anaconda を使うと、必要に応じて高度なインストールオプションを使用することもできます。
Anaconda は、その並立的な性質上、他のオペレーティングシステムのインストールプログラムとは異なります。ほとんどのインストーラーは、最初に言語の選択、次にネットワークの設定、それからインストールタイプ、パーティション設定、といったように、リニア形式で進められます。ある時点ですすめる方向は通常、1 つのみです。
Anaconda のグラフィカルインターフェイスでは、最初に選択する必要があるものは言語とロケールのみで、次に中央画面が表示され、任意の順序でインストールの各種オプションを設定できます。ある設定を先に完了してからでないと設定できない箇所もあります。たとえば、ネットワークの場所からインストールする場合には、ネットワークを設定してからしか、インストールするパッケージを選択できません。Anaconda のほとんどのオプションは、任意の順序で設定できます。ネットワークの初期化やディスクの検出などのバックグラウンドタスクが原因で特定オプションの設定ができない場合に、これらの完了を待っている間に別の関係ないオプションを設定することができます。
特に、カスタムのパーティション設定プロセスは他の Linux ディストリビューションとは非常に異なります。これらの違いについては、各画面のサブセクションで説明します。
お使いのハードウェアやインストールを開始するメディアタイプによっては、自動で設定される画面もいくつかあります。その場合でも、検出された設定は変更することが可能です。自動設定されず、インストール前にユーザーの作業が必要となる画面には、感嘆符が付いています。実際のインストールプロセスを開始するには、これらの設定を完了する必要があります。
インストールはテキストモードでも実行できますが、カスタムパーティション設定を含む特定のオプションは使用できません。「テキストモードでのインストール」 を参照してください。IBM Power システムもしくは IBM Z をご使用の場合はそれぞれ 「テキストモードでのインストール」「テキストモードでのインストール」 を参照してください。
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