13.14. ソフトウェアの選択


インストールするパッケージを指定するには、Installation Summary 画面で Software Selection を選択します。パッケージは ベース環境 に応じてグループ化されています。これらの環境は、特定の目的を持つ事前定義された一連のパッケージです。たとえば、仮想化ホスト 環境には、システム上で仮想マシンを実行するために必要な一連のソフトウェアパッケージが含まれています。インストール時に選択できる環境は一つのみです。
各環境には、アドオン という形で追加パッケージが選択できるようになっています。アドオンは画面の右側に表示され、環境を選び直すとアドオンの一覧も更新されます。アドオンは複数選択が可能です。
アドオン一覧は横線で上下に分割されています。
  • 横線の に表示されるアドオンは、選択した環境に固有のものです。いずれかのアドオンを選択してから環境の選択を変更すると、アドオンの選択は失われます。
  • 横線の に表示されるアドオンは、すべての環境で同じものです。別の環境を選択し直しても、ここでの選択は失われません。

図13.15 サーバーインストールでのソフトウェア選択の例

サーバーインストールでのソフトウェア選択の例
選択できるベース環境およびアドオンの種類は、インストールソースとして使用するインストール ISO イメージの種類によります。たとえば、サーバー バリアントはサーバー用に設計された環境を提供しますが、ワークステーション バリアントには開発者ワークステーションとしてデプロイメントするためのいくつかの選択肢があります。
インストールプログラムでは各環境に含まれているパッケージは表示されません。特定の環境またはアドオンに含まれるパッケージを確認するには、repodata/*-comps- variant を参照してください。 インストールソースとして使用している Red Hat Enterprise Linux インストール DVD の architecture .xml ファイル。このファイルには、使用可能な環境 (<environment> タグでマーク) とアドオン (<group> タグ) を記述した構造が含まれています。
重要
事前に定義された環境やアドオンを使用するとシステムをカスタマイズできますが、手動でのインストールでは、インストールする個別パッケージを選択する方法はありません。どのパッケージをインストールする必要があるかわからない場合、Red Hat は 最小インストール 環境を選択することを推奨します。最小限のインストール では、Red Hat Enterprise Linux の基本バージョンと最小限の追加ソフトウェアのみをインストールします。これにより、システムが脆弱性の影響を受ける可能性が大幅に減ります。システムのインストールが完了し、初めてログインした後、Yum パッケージマネージャーを使用して必要な追加ソフトウェアをインストールできます。Minimal install の詳細については、Red Hat Enterprise Linux 7 Security Guide の Installing the Minimum amount of Packages Required セクションを参照してください。
代わりに、キックスタートファイルを使ってインストールを自動化することによりインストールパッケージをより高度なレベルで管理することもできます。キックスタートファイルの %packages セクションで、環境、グループ、および個々のパッケージを指定できます。キックスタートファイルでインストールするパッケージを選択する方法については 「パッケージの選択」 を参照してください。キックスタートを使ってインストールを自動化する方法については27章キックスタートを使ったインストールを参照してください。
インストールする環境とアドオンを選択したら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

13.14.1. コアとなるネットワークサービス

すべての Red Hat Enterprise Linux インストールには、以下のネットワークサービスが含まれます。
  • rsyslog サービスによる集中ログ
  • SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) による電子メール
  • NFS (Network File System) によるネットワークファイル共有
  • SSH (Secure SHell) によるリモートアクセス
  • mDNS (multicast DNS) によるリソースのアドバタイズ
Red Hat Enterprise Linux システムの自動化プロセスは、システム管理者へのレポートやメッセージの送信に電子メールサービスを利用するものがあります。デフォルトでは、電子メール、ログ記録、印刷などのサービスは他のシステムからの接続は受信しません。
インストール後に電子メール、ファイル共有、ログ記録、印刷、リモートによるデスクトップへのアクセスなどのサービスを提供するように Red Hat Enterprise Linux システムを設定できます。SSH サービスはデフォルトで有効になっています。また、NFS 共有サービスを有効にしなくても、NFS を使って他のシステム上のファイルにアクセスすることもできます。
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