第5章 64 ビット AMD、Intel、および ARM システムへのインストールプラン
本章では、インストールする上で決定しておく必要のある各種の事項について説明しています。
5.1. アップグレードまたはインストールの選択
現在のシステムを Red Hat Enterprise Linux の次のメジャーバージョンにアップグレードする方法は 2 通りあります。以下の説明をよくお読みの上、ご使用のシステムに適した方法をご利用ください。
- クリーンインストール
- クリーンインストールとは、システムの全データのバックアップ、ディスクパーティションのフォーマット化、インストールメディアからの Red Hat Enterprise Linux のインストール、最後にユーザーのデータ復元の順で行う方法です。注記これは、Red Hat Enterprise Linux のメジャーバージョン間でアップグレードを行う場合は、この方法を推奨しています。
- インプレースアップグレード
- インプレースアップグレードとは、旧バージョンを残したままシステムをアップグレードする方法です。ご使用のシステムで使用できる移行ユーティリティーをインストールして、他のソフトウェアと同様に稼働させておく必要があります。Red Hat Enterprise Linux では、Preupgrade Assistant は現在のシステムを評価し、アップグレード中またはアップグレード後に発生する可能性のある問題を特定します。また、システムに対し若干の修正および変更も行われます。Red Hat Upgrade Tool ユーティリティーはパッケージをダウンロードし、実際のアップグレードを実行します。インプレースアップグレードにはかなりのトラブルシューティングやプラニングが必要になるため、ほかに選択がない場合に限り使用するようにしてください。Preupgrade Assistant の詳細は、29章現在のシステムのアップグレード を参照してください。警告システムのクローンとなるバックアップコピーでのテストを行わないまま実稼働中のシステムにインプレースアップグレードを適用することは絶対に避けてください。