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35.4. cgroups-v1 を使用したアプリケーションへの CPU 制限の設定

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コントロールグループバージョン 1 (cgroups-v1) を使用してアプリケーションに対する CPU 制限を設定するには、/sys/fs/ 仮想ファイルシステムを使用します。

前提条件

  • root 権限がある。
  • CPU 消費を制限するアプリケーションがある。
  • systemd システムおよびサービスマネージャーによるシステムの起動時に、デフォルトで cgroups-v1 をマウントするようにシステムを設定している。

    # grubby --update-kernel=/boot/vmlinuz-$(uname -r) --args="systemd.unified_cgroup_hierarchy=0 systemd.legacy_systemd_cgroup_controller"

    これにより、必要なカーネルコマンドラインパラメーターが現在のブートエントリーに追加されます。

手順

  1. CPU 消費を制限するアプリケーションのプロセス ID (PID) を特定します。

    # top
    top - 11:34:09 up 11 min,  1 user,  load average: 0.51, 0.27, 0.22
    Tasks: 267 total,   3 running, 264 sleeping,   0 stopped,   0 zombie
    %Cpu(s): 49.0 us,  3.3 sy,  0.0 ni, 47.5 id,  0.0 wa,  0.2 hi,  0.0 si,  0.0 st
    MiB Mem :   1826.8 total,    303.4 free,   1046.8 used,    476.5 buff/cache
    MiB Swap:   1536.0 total,   1396.0 free,    140.0 used.    616.4 avail Mem
    
      PID USER      PR  NI    VIRT    RES    SHR S  %CPU  %MEM     TIME+ COMMAND
     6955 root      20   0  228440   1752   1472 R  99.3   0.1   0:32.71 sha1sum
     5760 jdoe      20   0 3603868 205188  64196 S   3.7  11.0   0:17.19 gnome-shell
     6448 jdoe      20   0  743648  30640  19488 S   0.7   1.6   0:02.73 gnome-terminal-
        1 root      20   0  245300   6568   4116 S   0.3   0.4   0:01.87 systemd
      505 root      20   0       0      0      0 I   0.3   0.0   0:00.75 kworker/u4:4-events_unbound
    ...

    この top プログラムの出力例は、説明用のアプリケーション sha1sum (PID 6955) が CPU リソースを大量に消費することを示しています。

  2. cpu リソースコントローラーディレクトリーにサブディレクトリーを作成します。

    # mkdir /sys/fs/cgroup/cpu/Example/

    このディレクトリーはコントロールグループを表します。ここに特定のプロセスを配置して、そのプロセスに特定の CPU 制限を適用できます。同時に、いくつかの cgroups-v1 インターフェイスファイルと cpu コントローラー固有のファイルがディレクトリーに作成されます。

  3. オプション: 新しく作成されたコントロールグループを確認します。

    # ll /sys/fs/cgroup/cpu/Example/
    -rw-r—​r--. 1 root root 0 Mar 11 11:42 cgroup.clone_children
    -rw-r—​r--. 1 root root 0 Mar 11 11:42 cgroup.procs
    -r—​r—​r--. 1 root root 0 Mar 11 11:42 cpuacct.stat
    -rw-r—​r--. 1 root root 0 Mar 11 11:42 cpuacct.usage
    -r—​r—​r--. 1 root root 0 Mar 11 11:42 cpuacct.usage_all
    -r—​r—​r--. 1 root root 0 Mar 11 11:42 cpuacct.usage_percpu
    -r—​r—​r--. 1 root root 0 Mar 11 11:42 cpuacct.usage_percpu_sys
    -r—​r—​r--. 1 root root 0 Mar 11 11:42 cpuacct.usage_percpu_user
    -r—​r—​r--. 1 root root 0 Mar 11 11:42 cpuacct.usage_sys
    -r—​r—​r--. 1 root root 0 Mar 11 11:42 cpuacct.usage_user
    -rw-r—​r--. 1 root root 0 Mar 11 11:42 cpu.cfs_period_us
    -rw-r—​r--. 1 root root 0 Mar 11 11:42 cpu.cfs_quota_us
    -rw-r—​r--. 1 root root 0 Mar 11 11:42 cpu.rt_period_us
    -rw-r—​r--. 1 root root 0 Mar 11 11:42 cpu.rt_runtime_us
    -rw-r—​r--. 1 root root 0 Mar 11 11:42 cpu.shares
    -r—​r—​r--. 1 root root 0 Mar 11 11:42 cpu.stat
    -rw-r—​r--. 1 root root 0 Mar 11 11:42 notify_on_release
    -rw-r—​r--. 1 root root 0 Mar 11 11:42 tasks

    この出力例は、特定の設定や制限を表す cpuacct.usagecpu.cfs._period_us などのファイルを示しています。これは、Example コントロールグループのプロセスに設定できます。各ファイル名の前に、そのファイルが属するコントロールグループコントローラーの名前が接頭辞として追加されることに注意してください。

    デフォルトでは、新しく作成されたコントロールグループは、システムの CPU リソース全体へのアクセスを制限なしで継承します。

  4. コントロールグループの CPU 制限を設定します。

    # echo "1000000" > /sys/fs/cgroup/cpu/Example/cpu.cfs_period_us
    # echo "200000" > /sys/fs/cgroup/cpu/Example/cpu.cfs_quota_us
    • cpu.cfs_period_us ファイルは、コントロールグループの CPU リソースへのアクセスを再割り当てする頻度をマイクロ秒 (μs、ここでは "us" で表します) 単位で表します。上限は 1,000,000 マイクロ秒で、下限は 1,000 マイクロ秒です。
    • cpu.cfs_quota_us ファイルは、(cpu.cfs_period_us で定義されるように) コントロールグループのすべてのプロセスを 1 期間中に実行できる合計時間をマイクロ秒単位で表します。1 期間中にコントロールグループ内のプロセスがクォータで指定された時間をすべて使いきると、残りの時間はスロットルされて、次の期間まで実行できなくなります。下限は 1000 マイクロ秒です。

      上記のコマンド例は、CPU 時間制限を設定して、Example コントロールグループでまとめられているすべてのプロセスは、1 秒ごと (cpu.cfs_period_us に定義されている) に、0.2 秒間だけ (cpu.cfs_quota_us に定義されている) 実行できるようにしています。

  5. オプション: 制限を検証します。

    # cat /sys/fs/cgroup/cpu/Example/cpu.cfs_period_us /sys/fs/cgroup/cpu/Example/cpu.cfs_quota_us
    1000000
    200000
  6. アプリケーションの PID を Example コントロールグループに追加します。

    # echo "6955" > /sys/fs/cgroup/cpu/Example/cgroup.procs

    このコマンドによって、特定のアプリケーションが Example コントロールグループのメンバーとなり、Example コントロールグループに設定された CPU 制限を超えないようになります。PID は、システム内の既存のプロセスを表します。この PID 6955 は、プロセス sha1sum /dev/zero & に割り当てられており、cpu コントローラーの使用例を示すために使用されています。

検証

  1. アプリケーションが指定のコントロールグループで実行されていることを確認します。

    # cat /proc/6955/cgroup
    12:cpuset:/
    11:hugetlb:/
    10:net_cls,net_prio:/
    9:memory:/user.slice/user-1000.slice/user@1000.service
    8:devices:/user.slice
    7:blkio:/
    6:freezer:/
    5:rdma:/
    4:pids:/user.slice/user-1000.slice/user@1000.service
    3:perf_event:/
    2:cpu,cpuacct:/Example
    1:name=systemd:/user.slice/user-1000.slice/user@1000.service/gnome-terminal-server.service

    この出力例は、目的のアプリケーションのプロセスが Example コントロールグループで実行され、アプリケーションのプロセスに CPU 制限が適用されることを示しています。

  2. スロットルしたアプリケーションの現在の CPU 使用率を特定します。

    # top
    top - 12:28:42 up  1:06,  1 user,  load average: 1.02, 1.02, 1.00
    Tasks: 266 total,   6 running, 260 sleeping,   0 stopped,   0 zombie
    %Cpu(s): 11.0 us,  1.2 sy,  0.0 ni, 87.5 id,  0.0 wa,  0.2 hi,  0.0 si,  0.2 st
    MiB Mem :   1826.8 total,    287.1 free,   1054.4 used,    485.3 buff/cache
    MiB Swap:   1536.0 total,   1396.7 free,    139.2 used.    608.3 avail Mem
    
      PID USER      PR  NI    VIRT    RES    SHR S  %CPU  %MEM     TIME+ COMMAND
     6955 root      20   0  228440   1752   1472 R  20.6   0.1  47:11.43 sha1sum
     5760 jdoe      20   0 3604956 208832  65316 R   2.3  11.2   0:43.50 gnome-shell
     6448 jdoe      20   0  743836  31736  19488 S   0.7   1.7   0:08.25 gnome-terminal-
      505 root      20   0       0      0      0 I   0.3   0.0   0:03.39 kworker/u4:4-events_unbound
     4217 root      20   0   74192   1612   1320 S   0.3   0.1   0:01.19 spice-vdagentd
    ...

    PID 6955 の CPU 消費が 99% から 20% に減少していることに注意してください。

注記

cpu.cfs_period_us および cpu.cfs_quota_us に対応する cgroups-v2 は、cpu.max ファイルです。cpu.max ファイルは、cpu コントローラーから入手できます。

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