10.3.6. ボンド接続の確立


NetworkManager を使用して、2 つ以上の Wired 接続または Infiniband 接続からボンドを作成できます。最初にボンディングする接続を作成する必要はありません。それは、ボンディングを構成するためのプロセスで設定できます。設定プロセスを完了するには、利用可能なインターフェースの MAC アドレスが必要です。
注記
ボンディングに対する NetworkManager のサポートは、NMI _BOND_VLAN_ENABLED ディレクティブで有効にしてから、NetworkManager を再起動する必要があります。NM_CONTROLLED および NM_BOND_VLAN_ENABLED ディレクティブの説明は、「イーサネットインターフェース」 を参照してください。コマンドラインから NetworkManager などのサービスを再起動する方法は、「サービスの再開」 を参照してください。また、グラフィカルツールの場合は、「Service 設定ユーティリティーの使用」 を参照してください。

手順10.9 新しいボンド接続の追加

Bond 接続を設定するには、Network Connections ウィンドウを開き、Add をクリックして、一覧から Bond を選択します。
  1. Notification Area の NetworkManager アプレットアイコンを右クリックし、Edit Connections をクリックします。ネットワーク接続 ウィンドウが表示されます。
  2. Add ボタンをクリックして選択リストを開きます。Bond を選択し、Create をクリックします。ボンド接続 1 の編集 ウィンドウが表示されます。
  3. Bond タブで 追加 をクリックし、このボンド接続で使用するインターフェースのタイプを選択します。作成 ボタンをクリックします。スレーブタイプを選択するダイアログが表示されるのは、最初のスレーブを作成する時のみです。その後は、すべてのスレーブに同じタイプが自動的に使われます。
  4. bond0 スレーブ 1 の編集 ウィンドウが表示されます。ボンディングする最初のインターフェースの MAC アドレスを入力します。最初のスレーブの MAC アドレスがボンドインターフェース用の MAC アドレスとして使用されます。必要な場合は、ボンドの MAC アドレスとして使用するクローンした MAC アドレスを入力します。Apply ボタンをクリックします。
  5. Authenticate ウインドウが表示されます。続行するには root パスワードを入力します。認証 ボタンをクリックします。
  6. ボンディングスレーブの名前が Bonded Connections ウィンドウ に表示されます。追加 ボタンをクリックしてさらにスレーブ接続を追加します。
  7. 設定を確認して、適用 ボタンをクリックします。
  8. 以下の 「Bond タブの設定」 に移動して、ボンディング固有の設定を編集します。

図10.14 新規作成したボンディング接続 1 の編集

新規作成したボンディング接続 1 の編集

手順10.10 既存のボンド接続を編集する

既存のボンド接続を編集するには以下のステップに従います。
  1. Notification Area の NetworkManager アプレットアイコンを右クリックし、Edit Connections をクリックします。ネットワーク接続 ウィンドウが表示されます。
  2. 編集する接続を選択して、編集 ボタンをクリックします。
  3. Bond タブを選択します。
  4. 接続名、自動接続の動作、および可用性のセッティングを設定します。
    編集ダイアログの 3 つの設定は、すべての接続タイプに共通します。
    • 接続名: ネットワーク接続の名前を入力します。この名前は、Network Connections ウィンドウの Bond セクションでこの接続を一覧表示するために使用されます。
    • Connect automatically - このチェックボックスを選択すると、NetworkManager が利用可能なときにこの接続に自動接続します。詳細は、「ネットワークの自動接続」 を参照してください。
    • Available to all users - このボックスを選択すると、システムですべてのユーザーが利用できる接続が作成されます。この設定を変更するには、root 権限が必要になる場合があります。詳しくは、「ユーザーおよびシステム接続」 を参照してください。
  5. 以下の 「Bond タブの設定」 に移動して、ボンディング固有の設定を編集します。

新規 (または修正した) 接続を保存して他の設定を行う

ボンディング接続の編集が完了したら、適用 ボタンをクリックして、カスタマイズされた設定を保存します。正しい設定がある場合は、NetworkManager Notification Area アプレットから新しい接続またはカスタマイズされた接続を選択して接続できます。新しい接続または変更された接続の使用に関する詳細は、「ネットワークへの接続」 を参照してください。
既存の接続をさらに設定をするには、ネットワーク接続 ウィンドウ内でその接続を選択し、編集 をクリックして 編集 ダイアログに戻ります。
そして、以下のいずれかの設定をします。

Bond タブの設定

新しいボンディング接続がすでに追加されている場合(手順は 手順10.9「新しいボンド接続の追加」 を参照)、Bond タブで負荷共有モードと、スレーブ接続の失敗を検出するために使用するリンク監視の種別を設定できます。
モード
ボンドを構成するスレーブ接続でのトラフィック共有に使われるモード。デフォルトは、ラウンドロビン です。802.3ad などの他の負荷分散モードは、ドロップダウンリストから選択することができます。
リンク監視
ネットワークトラフィックを伝送するスレーブの能力を監視する方法。
以下の負荷分散モードが、モード のドロップダウンリストから選択できます。
ラウンドロビン
耐障害性とロードバランシングにラウンドロビンポリシーを設定します。利用可能な最初のインターフェースからそれぞれのボンディングされたスレーブインターフェースで送受信が順次行われます。このモードは、仮想マシンのブリッジの背後では追加のスイッチ設定がないと機能しない可能性があります。
アクティブバックアップ
耐障害性のためアクティブなバックアップポリシーを設定します。ボンディングインターフェースの中で最初に利用可能になったものから送受信が行われます。別のボンディングされたスレーブインターフェースは、アクティブなボンディングされたスレーブインターフェースが失敗した場合にのみ使用されます。これは、InfiniBand デバイスのボンドで利用可能な唯一のモードです。
XOR
XOR (排他的理論和) を設定します。送受信は選択されたハッシュポリシーに基づいて行われます。デフォルトでは、ハッシュはソースの XOR とスレーブインターフェース数による剰余で宛先 MAC アドレスを掛けて導き出します。このモードでは、宛先が特定のピアになっているトラフィックは常に同一インターフェースで送信されます。宛先は MAC アドレスで決められるので、この方法は同一リンクまたはローカルネットワーク上にあるピアが宛先のトラフィックに最適なものです。トラフィックが単一ルーターを通過する必要がある場合は、このトラフィックバランスのモードは最適ではなくなります。
ブロードキャスト
耐障害性にブロードキャストポリシーを設定します。すべての送信は、すべてのスレーブインターフェースで行われます。このモードは、仮想マシンのブリッジの背後では追加のスイッチ設定がないと機能しない可能性があります。
802.3ad
IEEE 802.3ad 動的リンクアグリゲーションのポリシーを設定します。同一の速度とデュプレックス設定を共有するアグリゲーショングループを作成します。アクティブなアグリゲーターのすべてのスレーブで送受信を行います。802.3ad に対応するネットワークスイッチが必要です。
適応送信のロードバランシング
耐障害性とロードバランシングのための適応型送信ロードバランシング (TLB) ポリシーを設定します。発信トラフィックは、各スレーブインターフェースの現在の負荷に従って分散されます。受信トラフィックは、現在のスレーブにより受信されます。受信しているスレーブが失敗すると、別のスレーブが失敗したスレーブの MAC アドレスを引き継ぎます。このモードは、カーネルボンディングモジュールが認識しているローカルアドレスにのみ、適したものになります。このため、仮想マシンのブリッジの背後では使用できません。
適応ロードバランス
耐障害性とロードバランシングに適応型ロードバランシング (ALB) ポリシーを設定します。IPv4 トラフィック用の送受信ロードバランシングが含まれます。ARP ネゴシエーションにより、受信ロードバランシングが可能です。このモードは、カーネルボンディングモジュールが認識しているローカルアドレスにのみ、適したものになります。このため、仮想マシンのブリッジの背後では使用できません。
以下のリンク監視のタイプは、リンク監視 ドロップダウンリストから選択できます。ボンディングされたインターフェースでどのチャンネルボンディングのモジュールパラメーターが最適な動作をするかテストするとよいでしょう。
MII (Media Independent Interface)
インターフェースのキャリア波の状態を監視します。実行方法は、ドライバーへのクエリー、MII レジスターへの直接クエリー、ethtool を使ったデバイスへのクエリーがあります。利用可能な 3 つのオプションは以下のとおりです。
監視周期
ドライバーもしくはMII レジスターへのクエリーの間隔時間 (ミリ秒単位)
接続遅延
up とレポートされたリンクの使用を試みるまでの待機時間 (ミリ秒単位)。リンクが up とレポートされてからすぐに余計な ARP リクエストが失われた場合に、この遅延は使用できます。これが発生するのは、たとえばスイッチ初期化などの間です。
接断遅延
これまでアクティブだったリンクがdownとレポートされた際に、別のリンクに変更するまでの待ち時間 (ミリ秒単位)。アタッチされたスイッチがバックアップモードに変更するまで比較的長い時間がかかる場合に、この遅延は使用できます。
ARP
アドレス解決プロトコル (ARP) は、1 つ以上のピアにプローブしてリンク層接続の動作具合を判断するために使用されます。これは、送信開始時間および最終受信時間を提供しているデバイスドライバーに依存しています。
以下の 2 つのオプションがあります。
監視周期
ARP リクエストを送信する間隔時間 (ミリ秒単位)。
ARP ターゲット
ARP リクエスト送信先の IP アドレスのコンマ区切り。
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