2.4. DataVolume の使用による仮想マシンイメージのインポート


既存の仮想マシンイメージは OpenShift Container Platform クラスターにインポートできます。Container-native Virtualization は DataVolume を使用してデータのインポートおよび基礎となる PersistentVolumeClaim (PVC) の作成を自動化します。

注意

ディスクイメージを PVC にインポートする際に、ディスクイメージは PVC で要求されるストレージの全容量を使用するように拡張されます。この領域を使用するには、仮想マシンのディスクパーティションおよびファイルシステムの拡張が必要になる場合があります。

サイズ変更の手順は、仮想マシンにインストールされるオペレーティングシステムによって異なります。詳細は、該当するオペレーティングシステムのドキュメントを参照してください。

前提条件

2.4.1. CDI がサポートする操作マトリックス

このマトリックスにはエンドポイントに対してコンテンツタイプのサポートされる CDI 操作が表示されます。これらの操作にはスクラッチ領域が必要です。

コンテンツタイプHTTPHTTPSHTTP Basic 認証レジストリーS3 バケットアップロード

kubevirt (QCOW2)

✓ QCOW2
✓ GZ*
✓ XZ*

✓ QCOW2**
✓ GZ*
✓ XZ*

✓ QCOW2
✓ GZ*
✓ XZ*

✓ QCOW2*
□ GZ
□ XZ

✓ QCOW2*
✓ GZ*
✓ XZ*

✓ QCOW2*
✓ GZ*
✓ XZ*

KubeVirt (RAW)

✓ RAW
✓ GZ
✓ XZ

✓ RAW
✓ GZ
✓ XZ

✓ RAW
✓ GZ
✓ XZ

✓ RAW*
□ GZ
□ XZ

✓ RAW
✓ GZ
✓ XZ

✓ RAW*
✓ GZ*
✓ XZ*

Archive+

✓ TAR

✓ TAR

✓ TAR

□ TAR

□ TAR

□ TAR

✓ サポートされる操作

□ サポートされない操作

* スクラッチ領域が必要

**カスタム認証局が必要な場合にスクラッチ領域が必要

+ アーカイブはブロックモード DV をサポートしません。

2.4.2. DataVolume について

DataVolume オブジェクトは、Containerized Data Importer (CDI) プロジェクトで提供されるカスタムリソースです。DataVolume は、基礎となる PersistentVolumeClaim (PVC) に関連付けられるインポート、クローン作成、およびアップロード操作のオーケストレーションを行います。DataVolume は KubeVirt に統合され、仮想マシンが PVC の作成前に起動することを防ぎます。

2.4.3. DataVolume の使用による仮想マシンイメージの Container-native Virtualization オブジェクトへのインポート

インポートされたイメージから仮想マシンを作成するには、仮想マシンを作成する前にイメージの場所を VirtualMachine 設定ファイルに指定します。

前提条件

  • oc として知られる OpenShift Container Platform コマンドラインインターフェース (CLI) のインストール
  • RAW、ISO、または QCOW2 形式の仮想マシンディスクイメージ (オプションで xz または gz を使用して圧縮される)
  • イメージがデータソースにアクセスするために必要な認証情報と共にホストされる HTTP エンドポイント
  • 1 つ以上の利用可能な PersistentVolume

手順

  1. インポートする必要のある仮想ディスクイメージをホストする HTTP ファイルサーバーを特定します。正しい形式での完全な URL が必要になります。

  2. データソースに認証情報が必要な場合、endpoint-secret.yaml ファイルを編集し、更新された設定をクラスターに適用します。

    apiVersion: v1
    kind: Secret
    metadata:
      name: <endpoint-secret>
      labels:
        app: containerized-data-importer
    type: Opaque
    data:
      accessKeyId: "" 1
      secretKey:   "" 2
    1
    オプション: キーまたはユーザー名 (base64 エンコード)
    2
    オプション: シークレットまたはパスワード、base64 エンコード
    $ oc apply -f endpoint-secret.yaml
  3. 仮想マシン設定ファイルを編集し、インポートする必要のあるイメージのデータソースを指定します。この例では、Fedora イメージがインポートされます。

    apiVersion: kubevirt.io/v1alpha3
    kind: VirtualMachine
    metadata:
      creationTimestamp: null
      labels:
        kubevirt.io/vm: vm-fedora-datavolume
      name: vm-fedora-datavolume
    spec:
      dataVolumeTemplates:
      - metadata:
          creationTimestamp: null
          name: fedora-dv
        spec:
          pvc:
            accessModes:
            - ReadWriteOnce
            resources:
              requests:
                storage: 2Gi
            storageClassName: local
          source:
            http:
              url: https://download.fedoraproject.org/pub/fedora/linux/releases/28/Cloud/x86_64/images/Fedora-Cloud-Base-28-1.1.x86_64.qcow2 1
              secretRef: "" 2
              certConfigMap: "" 3
        status: {}
      running: false
      template:
        metadata:
          creationTimestamp: null
          labels:
            kubevirt.io/vm: vm-fedora-datavolume
        spec:
          domain:
            devices:
              disks:
              - disk:
                  bus: virtio
                name: datavolumedisk1
            machine:
              type: ""
            resources:
              requests:
                memory: 64M
          terminationGracePeriodSeconds: 0
          volumes:
          - dataVolume:
              name: fedora-dv
            name: datavolumedisk1
    status: {}
    1
    インポートする必要のあるイメージの HTTP ソース。
    2
    secretRef パラメーターはオプションです。
    3
    certConfigMap はエンドポイントが認証を必要とする場合のみ必要になります。参照される ConfigMap は DataVolume と同じ namespace にある必要があります。
  4. 仮想マシンを作成します。

    $ oc create -f vm-<name>-datavolume.yaml
    注記

    oc create コマンドは、DataVolume および仮想マシンを作成します。CDI コントローラーは適切なアノテーションを使って基礎となる PVC を作成し、インポートプロセスが開始されます。インポートが完了すると、DataVolume のステータスは Succeeded に変更され、仮想マシンの起動が可能になります。

    DataVolume のプロビジョニングはバックグランドで実行されるため、これをモニターする必要はありません。仮想マシンは起動できますが、これはインポートが完了するまで実行されません。

オプションの検証手順

  1. oc get pods を実行し、インポーター Pod を見つけます。この Pod は指定された URL からイメージをダウンロードし、これをプロビジョニングされた PV に保存します。
  2. Succeeded が表示されるまで DataVolume のステータスをモニターします。

    $ oc describe dv <data-label> 1
    1
    仮想マシン設定ファイルに指定された DataVolume のデータラベル。
  3. プロビジョニングが完了し、VMI が起動したことを検証するには、そのシリアルコンソールへのアクセスを試行します。

    $ virtctl console <vm-fedora-datavolume>

2.4.4. テンプレート: DataVolume 仮想マシン設定ファイル

example-dv-vm.yaml

apiVersion: kubevirt.io/v1alpha3
kind: VirtualMachine
metadata:
  labels:
    kubevirt.io/vm: example-vm
  name: example-vm
spec:
  dataVolumeTemplates:
  - metadata:
      name: example-dv
    spec:
      pvc:
        accessModes:
        - ReadWriteOnce
        resources:
          requests:
            storage: 1G
      source:
          http:
             url: "" 1
  running: false
  template:
    metadata:
      labels:
        kubevirt.io/vm: example-vm
    spec:
      domain:
        cpu:
          cores: 1
        devices:
          disks:
          - disk:
              bus: virtio
            name: example-dv-disk
        machine:
          type: q35
        resources:
          requests:
            memory: 1G
      terminationGracePeriodSeconds: 0
      volumes:
      - dataVolume:
          name: example-dv
        name: example-dv-disk
1
インポートする必要のあるイメージの HTTP ソース (該当する場合)。

2.4.5. テンプレート: DataVolume インポート設定ファイル

example-import-dv.yaml

apiVersion: cdi.kubevirt.io/v1alpha1
kind: DataVolume
metadata:
  name: "example-import-dv"
spec:
  source:
      http:
         url: "" 1
         secretRef: "" 2
  pvc:
    accessModes:
      - ReadWriteOnce
    resources:
      requests:
        storage: "1G"
1
インポートする必要のあるイメージの HTTP ソース。
2
secretRef パラメーターはオプションです。
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