1.4. ネットワークのカスタマイズによる AWS へのクラスターのインストール
OpenShift Container Platform バージョン 4.1 では、カスタマイズされた設定オプションでクラスターを Amazon Web Services (AWS) にインストールできます。ネットワーク設定をカスタマイズすることにより、クラスターは環境内の既存の IP アドレスの割り当てと共存でき、既存の MTU および VXLAN 設定と統合できます。
大半のネットワーク設定パラメーターはインストール時に設定する必要があり、実行中のクラスターで変更できるのは kubeProxy
設定パラメーターのみになります。
前提条件
- OpenShift Container Platform のインストールおよび更新プロセスについての詳細を確認します。
AWS アカウントを設定してクラスターをホストします。
重要AWS プロファイルがご使用のコンピューターに保存されている場合、マルチファクター認証デバイスを使用中に生成した一時的なセッショントークンを使用することはできません。クラスターは継続的に現行の AWS 認証情報を使用して、クラスターの有効期間全体にわたって AWS リソースを作成するため、キーをベースとした有効期間の長い認証情報を使用する必要があります。適切なキーを生成するには、AWS ドキュメントの「Managing Access Keys for IAM Users」を参照してください。キーは、インストールプログラムの実行時に指定できます。
- ファイアウォールを使用する場合、Red Hat Insights にアクセスできるように設定する必要があります。
1.4.1. OpenShift Container Platform のインターネットアクセスおよび Telemetry アクセス
OpenShift Container Platform 4.1 では、Telemetry はクラスターの健全性および更新の正常な実行についてのメトリクスを提供するコンポーネントです。Red Hat がご使用のクラスターが有効なサブスクリプションを使用しているかどうかを判別できるかどうかを含め、サブスクリプション管理を実行できるようにするには、Telemetry サービスを使用し、Red Hat OpenShift Cluster Manager ページにアクセスできる必要があります。
非接続のサブスクリプション管理はオプションとして選択できないため、データを Red Hat に戻すことを選択しないことと、サブスクリプションを有効にすることは両立できません。非接続のサブスクリプション管理のサポートは OpenShift Container Platform の今後のリリースで追加される可能性があります。
マシンには、クラスターをインストールするためにインターネットへの直接のアクセスが必要です。
インターネットへのアクセスは以下を実行するために必要です。
- Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページにアクセスして、インストールプログラムをダウンロードします。
- クラスターのインストールに必要なパッケージを取得するための Quay.io へのアクセス
- クラスターの更新を実行するために必要なパッケージの取得
- サブスクリプション管理を実行するための Red Hat の SaaS (サービスとしてのソフトウェア) ページへのアクセス
1.4.2. SSH プライベートキーの生成およびエージェントへの追加
インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent
プロセスが使用する SSH キーをインストーラーに指定する必要があります。
このキーを使用して、ユーザー core
としてマスターノードに対して SSH を実行できます。クラスターをデプロイする際に、キーは core
ユーザーの ~/.ssh/authorized_keys
一覧に追加されます。
AWS キーペアなどのプラットフォームに固有の方法で設定したキーではなく、ローカルキーを使用する必要があります。
手順
パスワードなしの認証に設定されている SSH キーがコンピューター上にない場合は、これを作成します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。
$ ssh-keygen -t rsa -b 4096 -N '' \ -f <path>/<file_name> 1
- 1
~/.ssh/id_rsa
などの、SSH キーのパスおよびファイル名を指定します。
このコマンドを実行すると、指定した場所にパスワードを必要としない SSH キーが生成されます。
ssh-agent
プロセスをバックグラウンドタスクとして開始します。$ eval "$(ssh-agent -s)" Agent pid 31874
SSH プライベートキーを
ssh-agent
に追加します。$ ssh-add <path>/<file_name> 1 Identity added: /home/<you>/<path>/<file_name> (<computer_name>)
- 1
~/.ssh/id_rsa
などの、SSH プライベートキーのパスおよびファイル名を指定します。
次のステップ
OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストーラーに指定します。クラスターを独自にプロビジョニングするインフラストラクチャーにインストールする場合は、このキーをクラスターのマシンに指定する必要があります。
1.4.3. インストールプログラムの取得
OpenShift Container Platform をインストールする前に、インストールファイルをローカルコンピューターにダウンロードします。
前提条件
- Linux または macOS を使用するコンピューターからクラスターをインストールする必要があります。
- インストールプログラムをダウンロードするには、300 MB のローカルディスク領域が必要です。
手順
- Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの「Infrastructure Provider」ページにアクセスします。Red Hat アカウントがある場合は、認証情報を使ってログインします。アカウントがない場合はこれを作成します。
選択するインストールタイプのページに移動し、オペレーティングシステムのインストールプログラムをダウンロードし、ファイルをインストール設定ファイルを保存するディレクトリーに配置します。
重要インストールプログラムは、クラスターのインストールに使用するコンピューターにいくつかのファイルを作成します。クラスターインストールの完了後は、インストールプログラムおよびインストールプログラムが作成するファイルの両方を保持する必要があります。
インストールプログラムを展開します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。
$ tar xvf <installation_program>.tar.gz
-
Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの「Pull Secret」ページから、インストールプルシークレットを
.txt
ファイルとしてダウンロードするか、またはこれをクリップボードにコピーします。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する、Quay.io などの組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。
1.4.4. インストール設定ファイルの作成
互換性のあるクラウド上で OpenShift Container Platform のインストールをカスタマイズできます。
前提条件
- OpenShift Container Platform インストールプログラム、およびクラスターのプルシークレットを取得すること。
手順
install-config.yaml
ファイルを作成します。次のコマンドを実行します。
$ ./openshift-install create install-config --dir=<installation_directory> 1
- 1
<installation_directory>
には、インストールプログラムが作成するファイルを保存するためにディレクトリー名を指定します。
重要空のディレクトリーを指定します。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットの有効期限は短く設定されているため、インストールディレクトリーを再利用することができません。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してコピーを行ってください。
プロンプト時に、クラウドの設定の詳細情報を指定します。
オプション: クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キーを選択します。
注記インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、
ssh-agent
プロセスが使用する SSH キーをインストールプログラムに指定する必要があります。- ターゲットに設定するプラットフォームとして AWS を選択します。
- Amazon Web Services (AWS) プロファイルをコンピューターに保存していない場合、インストールプログラムを実行するように設定したユーザーの AWS アクセスキー ID およびシークレットアクセスキーを入力します。
- クラスターのデプロイ先とする AWS リージョンを選択します。
- クラスターに設定した Route53 サービスのベースドメインを選択します。
- クラスターの記述名を入力します。
- Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの「Pull Secret」ページから取得したプルシークレットを貼り付けます。
-
install-config.yaml
ファイルを変更します。利用可能なパラメーターについての詳細については、「インストール設定パラメーター」セクションおよび Go ドキュメントを参照できます。 install-config.yaml
ファイルをバックアップし、これを複数のクラスターをインストールするために使用できるようにします。重要install-config.yaml
ファイルはインストールプロセス時に使用されます。このファイルを再利用する必要がある場合は、この段階でこれをバックアップしてください。
1.4.4.1. インストール設定パラメーター
OpenShift Container Platform クラスターをデプロイする前に、Amazon Web Services (AWS) アカウントを記述し、クラスターのプラットフォームをオプションでカスタマイズするためにパラメーターの値を指定します。install-config.yaml
インストール設定ファイルを作成する際に、コマンドラインで必要なパラメーターの値を指定します。クラスターをカスタマイズする場合、install-config.yaml
ファイルを変更して、プラットフォームについての詳細情報を指定できます。
インストール後には、これらのパラメーターを変更することはできません。
パラメーター | 説明 | 値 |
---|---|---|
|
クラウドプロバイダーのベースドメイン。この値は、OpenShift Container Platform クラスターコンポーネントへのルートを作成するために使用されます。クラスターの完全な DNS 名は、 |
|
|
コントロールプレーンマシンをホストするためのクラウドプロバイダー。このパラメーターの値は |
|
|
ワーカーマシンをホストするためのクラウドプロバイダー。このパラメーターの値は |
|
| クラスターの名前。 |
|
| クラスターをデプロイするリージョン。 |
|
| Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの「Pull Secret」ページから取得したプルシークレット。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する、Quay.io などの組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。 |
{ "auths":{ "cloud.openshift.com":{ "auth":"b3Blb=", "email":"you@example.com" }, "quay.io":{ "auth":"b3Blb=", "email":"you@example.com" } } } |
パラメーター | 説明 | 値 |
---|---|---|
| クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キー。 注記
インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、 |
|
|
コンピュートマシンで同時スレッドまたは 重要 同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。 |
|
| ルートボリュームに予約される 1 秒あたりの入出力操作 (IOPS)。 |
整数 (例: |
| ルートボリュームのサイズ (GiB)。 |
整数 (例: |
| ルートボリュームのインスタンスタイプ。 |
有効な AWS EBS インスタンスタイプ (例: |
| コンピュートマシンの EC2 インスタンスタイプ。 |
有効な AWS インスタンスタイプ (例: |
| インストールプログラムがコンピュート MachinePool のマシンを作成するアベイラビリティーゾーン。 |
|
| インストールプログラムがコンピュートリソースを作成する AWS リージョン。 |
有効な AWS リージョン (例: |
| プロビジョニングするコンピュートマシン(ワーカーマシンとしても知られる)の数。 |
|
|
コントロールプレーンマシンで同時スレッドまたは 重要 同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。 |
|
| コントロールプレーンマシンの EC2 インスタンスタイプ。 |
有効な AWS インスタンスタイプ (例: |
| インストールプログラムがコントロールプレーン MachinePool のマシンを作成するアベイラビリティーゾーン。 |
|
| インストールプログラムがコントロールプレーンのリソースを作成する AWS リージョン。 |
有効な AWS リージョン (例: |
| プロビジョニングするコントロールプレーンマシンの数。 |
|
| インストールプログラムが、作成するすべてのリソースに対するタグとして追加するキーと値のマップ。 |
|
1.4.4.2. ネットワーク設定パラメーター
クラスターのネットワーク設定パラメーターは install-config.yaml
設定ファイルで変更できます。以下の表では、これらのパラメーターについて説明しています。
インストール後には、これらのパラメーターを変更することはできません。
パラメーター | 説明 | 値 |
---|---|---|
|
デプロイするネットワークプラグイン。 |
|
|
Pod IP アドレスの割り当てに使用する IP アドレスのブロック。 |
CIDR 形式の IP アドレスの割り当て。デフォルト値は |
|
それぞれの個別ノードに割り当てるサブネットプレフィックスの長さ。たとえば、 |
サブネットプレフィックス。デフォルト値は |
|
サービスの IP アドレスのブロック。 |
CIDR 形式の IP アドレスの割り当て。デフォルト値は |
| クラスターのインストール中に OpenShift Container Platform インストールプログラムによって使用される IP アドレスのブロック。このアドレスブロックは他のネットワークブロックと重複できません。 |
CIDR 形式の IP アドレスの割り当て。デフォルト値は |
1.4.4.3. AWS のカスタマイズされた install-config.yaml
ファイルのサンプル
install-config.yaml
ファイルをカスタマイズして、OpenShift Container Platform クラスターのプラットフォームについての詳細を指定するか、または必要なパラメーターの値を変更することができます。
このサンプルの YAML ファイルは参照用にのみ提供されます。インストールプログラムを使用して install-config.yaml
ファイルを取得し、これを変更する必要があります。
apiVersion: v1 baseDomain: example.com 1 controlPlane: 2 hyperthreading: Enabled 3 4 name: master platform: aws: zones: - us-west-2a - us-west-2b rootVolume: iops: 4000 size: 500 type: io1 type: m5.xlarge 5 replicas: 3 compute: 6 - hyperthreading: Enabled 7 name: worker platform: aws: rootVolume: iops: 2000 size: 500 type: io1 8 type: c5.4xlarge zones: - us-west-2c replicas: 3 metadata: name: test-cluster 9 networking: networking: 10 clusterNetwork: - cidr: 10.128.0.0/14 hostPrefix: 23 machineCIDR: 10.0.0.0/16 networkType: OpenShiftSDN serviceNetwork: - 172.30.0.0/16 platform: aws: region: us-west-2 11 userTags: adminContact: jdoe costCenter: 7536 pullSecret: '{"auths": ...}' 12 sshKey: ssh-ed25519 AAAA... 13
- 1 9 11 12
- 必須。インストールプログラムはこの値の入力を求めるプロンプトを出します。
- 2 6 10
- これらのパラメーターおよび値を指定しない場合、インストールプログラムはデフォルトの値を指定します。
- 3 7
controlPlane
セクションは単一マッピングですが、コンピュートセクションはマッピングのシーケンスになります。複数の異なるデータ構造の要件を満たすには、compute
セクションの最初の行はハイフン-
で始め、controlPlane
セクションの最初の行はハイフンで始めることができません。どちらのセクションも、現時点では単一のマシンプールを定義しますが、OpenShift Container Platform の今後のバージョンでは、インストール時の複数のコンピュートプールの定義をサポートする可能性があります。1 つのコントロールプレーンプールのみが使用されます。- 4 5
- 同時マルチスレッドまたは
hyperthreading
を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。パラメーター値をDisabled
に設定するとこれを無効にすることができます。同時マルチスレッドを無効にする場合は、これをすべてのクラスターマシンで無効にする必要があります。重要同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。同時マルチスレッドを無効にする場合は、マシンに対して
m4.2xlarge
またはm5.2xlarge
などの大規模なインスタンスタイプを使用します。 - 8
- 大規模なクラスターの場合などに etcd の高速のストレージを設定するには、ストレージタイプを
io1
として設定し、iops
を2000
に設定します。 - 13
- クラスター内のマシンにアクセスするために使用する
sshKey
値をオプションで指定できます。注記インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、
ssh-agent
プロセスが使用する SSH キーをインストールプログラムに指定する必要があります。
1.4.5. 高度なネットワーク設定パラメーターの変更
高度なネットワーク設定パラメーターは、クラスターのインストール前にのみ変更することができます。高度な設定のカスタマイズにより、クラスターを既存のネットワーク環境に統合させることができます。 これを実行するには、MTU または VXLAN ポートを指定し、kube-proxy 設定のカスタマイズを許可し、openshiftSDNConfig
パラメーターに異なる mode
を指定します。
OpenShift Container Platform マニフェストファイルの直接の変更はサポートされていません。
前提条件
-
install-config.yaml
ファイルを生成し、これに対する変更を完了します。
手順
以下のコマンドを使用してマニフェストを作成します。
$ ./openshift-install create manifests --dir=<installation_directory> 1
- 1
<installation_directory>
については、クラスターのinstall-config.yaml
ファイルが含まれるディレクトリーの名前を指定します。
cluster-network-03-config.yml
という名前のファイルを<installation_directory>/manifests/
ディレクトリーに作成します。$ touch <installation_directory>/manifests/cluster-network-03-config.yml 1
- 1
<installation_directory>
については、クラスターのmanifests/
ディレクトリーが含まれるディレクトリー名を指定します。
ファイルの作成後は、以下のように 3 つのネットワーク設定ファイルが
manifests/
ディレクトリーに置かれます。$ ls <installation_directory>/manifests/cluster-network-* cluster-network-01-crd.yml cluster-network-02-config.yml cluster-network-03-config.yml
エディターで
cluster-network-03-config.yml
ファイルを開き、必要な Operator 設定を記述する CR を入力します。apiVersion: operator.openshift.io/v1 kind: Network metadata: name: cluster spec: 1 clusterNetwork: - cidr: 10.128.0.0/14 hostPrefix: 23 serviceNetwork: - 172.30.0.0/16 defaultNetwork: type: OpenShiftSDN openshiftSDNConfig: mode: NetworkPolicy mtu: 1450 vxlanPort: 4789
- 1
spec
フィールドのパラメーターは例です。CR にネットワーク Operator の設定を指定します。
ネットワーク Operator は CR にパラメーターのデフォルト値を提供するため、
Network.operator.openshift.io
CR には変更が必要なパラメーターのみを指定する必要があります。-
cluster-network-03-config.yml
ファイルを保存し、テキストエディターを終了します。 -
オプション:
manifests/cluster-network-03-config.yml
ファイルをバックアップします。インストールプログラムは、クラスターの作成時にmanifests/
ディレクトリーを削除します。
1.4.6. クラスターネットワーク Operator のカスタムリソース (CR、Custom Resource)
Network.operator.openshift.io
カスタムリソース (CR) のクラスターネットワーク設定は、Cluster Network Operator (CNO) の設定内容を保存します。
以下の CR は、CNO のデフォルト設定を表示し、設定可能なパラメーターと有効なパラメーターの値の両方について説明しています。
Cluster Network Operator CR
apiVersion: operator.openshift.io/v1 kind: Network metadata: name: cluster spec: clusterNetwork: 1 - cidr: 10.128.0.0/14 hostPrefix: 23 serviceNetwork: 2 - 172.30.0.0/16 defaultNetwork: type: OpenShiftSDN 3 openshiftSDNConfig: 4 mode: NetworkPolicy 5 mtu: 1450 6 vxlanPort: 4789 7 kubeProxyConfig: 8 iptablesSyncPeriod: 30s 9 proxyArguments: iptables-min-sync-period: 10 - 30s
- 1 2 3
install-config.yaml
ファイルに指定されます。- 4
- OpenShift Container Platform SDN 設定の一部を上書きする必要がある場合にのみ指定します。
- 5
OpenShiftSDN
の分離モードを設定します。許可される値はMultitenant
、Subnet
、またはNetworkPolicy
です。デフォルト値はNetworkPolicy
です。- 6
- VXLAN オーバーレイネットワークの MTU。この値は通常は自動的に設定されますが、クラスターにあるノードすべてが同じ MTU を使用しない場合、これを最小のノード MTU 値よりも 50 小さくする必要があります。
- 7
- すべての VXLAN パケットに使用するポート。デフォルト値は
4789
です。別の VXLAN ネットワークの一部である既存ノードと共に仮想化環境で実行している場合は、これを変更する必要がある可能性があります。たとえば、OpenShift SDN オーバーレイを VMware NSX-T 上で実行する場合は、両方の SDN が同じデフォルトの VXLAN ポート番号を使用するため、VXLAN の別のポートを選択する必要があります。Amazon Web Services (AWS) では、VXLAN にポート
9000
とポート9999
間の代替ポートを選択できます。 - 8
- このオブジェクトのパラメーターは、
kube-proxy
設定を指定します。パラメーターの値を指定しない場合 、ネットワーク Operator は表示されるデフォルトのパラメーター値を適用します。 - 9
iptables
ルールの更新期間。デフォルト値は30s
です。有効なサフィックスには、s
、m
、およびh
などが含まれ、これらについては、Go time package ドキュメントで説明されています。- 10
iptables
ルールを更新する前の最小期間。このパラメーターにより、更新の頻度が高くなり過ぎないようにできます。有効なサフィックスには、s
、m
、およびh
が含まれ、これらについては、Go time package で説明されています。
1.4.7. クラスターのデプロイ
互換性のあるクラウドに OpenShift Container Platform をインストールできます。
インストールプログラムは、初期インストール時に 1 回だけ実行することができます。
前提条件
- クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを設定します。
- OpenShift Container Platform インストールプログラム、およびクラスターのプルシークレットを取得します。
手順
インストールプログラムを実行します。
$ ./openshift-install create cluster --dir=<installation_directory> \ 1 --log-level info 2
重要空のディレクトリーを指定します。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットの有効期限は短く設定されているため、インストールディレクトリーを再利用することができません。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してコピーを行ってください。
プロンプト時に値を指定します。
オプション: クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キーを選択します。
注記インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、
ssh-agent
プロセスが使用する SSH キーをインストールプログラムに指定する必要があります。- ターゲットに設定するプラットフォームとして AWS を選択します。
- Amazon Web Services (AWS) プロファイルをコンピューターに保存していない場合、インストールプログラムを実行するように設定したユーザーの AWS アクセスキー ID およびシークレットアクセスキーを入力します。
- クラスターのデプロイ先とする AWS リージョンを選択します。
- クラスターに設定した Route53 サービスのベースドメインを選択します。
- クラスターの記述名を入力します。
- Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの「Pull Secret」ページから取得したプルシークレットを貼り付けます。
注記ホストに設定した AWS アカウントにクラスターをデプロイするための十分なパーミッションがない場合、インストールプログラムは停止し、不足しているパーミッションが表示されます。
クラスターのデプロイメントが完了すると、Web コンソールへのリンクや
kubeadmin
ユーザーの認証情報を含む、クラスターにアクセスするための指示がターミナルに表示されます。重要インストールプログラムが生成する Ignition 設定ファイルには、24 時間が経過すると期限切れになる証明書が含まれます。最初の証明書のローテーションが正常に実行されるようにするには、クラスターを動作が低下していない状態で 24 時間実行し続ける必要があります。
重要インストールプログラム、またはインストールプログラムが作成するファイルを削除することはできません。これらはいずれもクラスターを削除するために必要になります。
-
オプション: クラスターのインストールに使用した IAM アカウントから
AdministratorAccess
ポリシーを削除するか、または無効にします。
1.4.8. OpenShift コマンドラインインターフェースのインストール
oc
として知られる OpenShift コマンドラインインターフェース (CLI) をダウンロードし、インストールすることができます。
以前のバージョンの oc
をインストールしている場合、これを使用して OpenShift Container Platform 4.1 のすべてのコマンドを実行することはできません。新規バージョンの oc
をダウンロードし、インストールする必要があります。
手順
- Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページから、選択するインストールタイプのページに移動し、Download Command-line Tools をクリックします。
表示されているサイトから、オペレーティングシステムの圧縮されたファイルをダウンロードします。
注記oc
は Linux、Windows、または macOS にインストールできます。- 圧縮ファイルを展開して、指定のパスにあるディレクトリーに配置します。
1.4.9. クラスターへのログイン
クラスター kubeconfig
ファイルをエクスポートし、デフォルトシステムユーザーとしてクラスターにログインできます。kubeconfig
ファイルには、クライアントを正しいクラスターおよび API サーバーに接続するために CLI で使用されるクラスターについての情報が含まれます。このファイルはクラスターに固有のファイルであり、OpenShift Container Platform のインストール時に作成されます。
前提条件
- OpenShift Container Platform クラスターのデプロイ。
-
oc
CLI のインストール。
手順
kubeadmin
認証情報をエクスポートします。$ export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig 1 $ oc whoami system:admin
- 1
<installation_directory>
については、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
次のステップ
- クラスターをカスタマイズします。
- 必要な場合は、Telemetry をオプトアウトすることができます。