3.4.4. ユーザー設定の変更
ユーザーがすでに存在し、現在のオプションのいずれかを指定する必要がある場合は、usermod コマンドを使用します。usermod を使用するロジックは、useradd と、その構文と同じです。
usermod option(s) username
ユーザーのユーザー名を変更する必要がある場合は、
-l
オプションを新しいユーザー名(または login)で使用します。
例3.10 ユーザーのログインの変更
~]# usermod -l "emily-smith" emily
-l
オプションは、ユーザー名をログインから新しいログインに変更します( emily
-smith
)。それ以外は何も変更しません。特に、新しいユーザー名を反映するために手動で変更した場合を除き、ホームディレクトリー名(/home/emily
)は変わりません。
同様に、ユーザーの UID またはユーザーのホームディレクトリーを変更できます。以下に例を示します。
注記
システムの指定された UID が所有するすべてのファイルを検索して、所有者を変更します。UID を参照するアクセス制御リスト(ACL)で同じことを行います。古い UID で実行中のプロセスがないことを確認することが推奨されます。
例3.11 ユーザーの UID およびホームディレクトリーの変更
~]# usermod -a -u 699 -d /home/dir_2 robert
-a -u
オプションおよび -d
オプションを指定すると、ユーザー robert
の設定が変更されます。これで、ID は 501 ではなく 699 で、ホームディレクトリーは /home/robert
ではなくなりましたが、/home/dir_2
はなくなりました。
usermod コマンドを使用すると、ユーザーのホームディレクトリーの内容を新しい場所に移動するか、パスワードをロックしてアカウントをロックすることもできます。
例3.12 ユーザーの変更
~]# usermod -m -d /home/jane -L jane
このサンプルコマンドでは、一緒に使用する
-m
オプションおよび -d
オプションは、jane
のホームディレクトリーのコンテンツを /home/dir_3
ディレクトリーに移動します。-L
オプションは、パスワードをロックして jane
のアカウントへのアクセスをロックします。
usermod コマンドで使用するオプションの一覧は、man ページの usermod (8)か、コマンドラインで usermod --help を実行します。