17.2.2.2. 一般的なリソースレコード
以下のリソースレコードは一般的にゾーンファイル内で使用されます。
- A
- Address レコードは、名前に割り当てる IP アドレスを指定します。以下の形式を取ります。
hostname IN A IP-address
hostname IN A IP-addressCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow hostname の値ない場合、レコードは最後に指定された hostname を指します。例17.10 A リソースレコードの使用
server1 IN A 10.0.1.3 IN A 10.0.1.5server1 IN A 10.0.1.3 IN A 10.0.1.5Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - CNAME
- Canonical Name (別名) レコードはある名前を別の名前にマッピングします。このため、このタイプのレコードは、エイリアスレコードと呼ばれることもあります。以下の形式を取ります。
alias-name IN CNAME real-name
alias-name IN CNAME real-nameCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow CNAME レコードは Web サーバー用のwwwのように、共通の命名基準を使用するサービスを指すために最も一般的に使用されます。しかし、それらの使用については複数の制限があります。- CNAME レコードは他の CNAME レコードを指してはいけません。これは主に無限のループの可能性を避けるためです。
- CNAME レコードには、他のリソースレコードタイプ(A、NS、pid など)を含めないでください。ゾーンが署名されている場合、唯一の例外は DNSSEC 関連のレコード(RRSIG、NSEC など)です。
- ホストの完全修飾ドメイン名(FQDN)をポイントする他のリソースレコード(NS、pid、PTR)は CNAME レコードを参照できません。
例17.11「CNAME リソースレコードの使用」 では、A レコードはホスト名を IP アドレスにバインドしますが、CNAME レコードは一般的に使用されるwwwホスト名をその IP アドレスに指定します。例17.11 CNAME リソースレコードの使用
server1 IN A 10.0.1.5 www IN CNAME server1
server1 IN A 10.0.1.5 www IN CNAME server1Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - MX
- Mail Exchange レコードは、このゾーンで制御されている特定のネームスペースに送信されるメールの行き先を指定します。以下の形式を取ります。
IN MX preference-value email-server-name
IN MX preference-value email-server-nameCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow email-server-name は完全修飾型ドメイン名 (FQDN) です。preference-value によってネームスペースのメールサーバーの数値ランキングが可能になり、一部のメールシステムに他のシステムよりも優先度を与えます。最小の preference-value を持つ MX リソースレコードが他よりも優先されます。しかし複数メールサーバーが同じ値を持つ可能性があり、その場合はメールトラフィックをサーバー間で均等に分配することになります。例17.12「リソースレコードの使用」では、example.comドメイン宛のメール受信時には最初のmail.example.comメールサーバーがmail2.example.comメールサーバーよりも優先されます。例17.12 リソースレコードの使用
example.com. IN MX 10 mail.example.com. IN MX 20 mail2.example.com.example.com. IN MX 10 mail.example.com. IN MX 20 mail2.example.com.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - NS
- Nameserver レコードはある特定のゾーン用に正当なネームサーバーを表明します。以下の形式を取ります。
IN NS nameserver-name
IN NS nameserver-nameCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow nameserver-name は完全修飾型ドメイン名 (FQDN) である必要があります。ドメインに対して 2 つのネームサーバーが正当だとして一覧表示されている時には、これらのネームサーバーがセカンダリーネームサーバーであるか、またはその 1 つがプライマリーサーバーであるかどうかは重要でありません。両方とも正当と考慮されます。例17.13 NS リソースレコードの使用
IN NS dns1.example.com. IN NS dns2.example.com.
IN NS dns1.example.com. IN NS dns2.example.com.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - PTR
- Pointer レコードはネームスペースの別の部分を指します。以下の形式を取ります。
last-IP-digit IN PTR FQDN-of-system
last-IP-digit IN PTR FQDN-of-systemCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow last-IP-digit ディレクティブは、IP アドレスの最後の番号で、FQDN-of-system は完全修飾ドメイン名(FQDN)です。 - SOA
- Start of Authority レコードはネームスペースについての信頼できる重要な情報をネームサーバーに表明します。ディレクティブの後に配置されていて、ゾーンファイルでは最初のリソースレコードです。以下の形式を取ります。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ディレクティブは以下の通りです。@シンボルは $ORIGIN ディレクティブ (または$ORIGIN ディレクティブがセットされていない場合は、ゾーン名) をこのSOA リソースレコードで定義されたネームスペースとして配置します。- primary-name-server ディレクティブは、このドメインの正式なプライマリーネームサーバーのホスト名です。
- hostmaster-email ディレクティブは、ネームスペースに関して連絡する相手のメールです。
- serial-number ディレクティブは、
namedサービスがゾーンを再ロードする時間であることを示すためにゾーンファイルが変更される度に増加する数値です。 - time-to-refresh ディレクティブは、ゾーンに対して変更がなされたかどうかをプライマリーネームサーバーに尋ねるまで待機する時間の長さを決定するためにセカンダリーネームサーバーが使用する数値です。
- time-to-retry ディレクティブは、プライマリーネームサーバーが応答しない事態にリフレッシュ要求を出すまで待機する時間の長さを決定するためにセカンダリーネームサーバーによって使用される数値です。time-to-expire ディレクティブ内で指定された時間が経過するまでに、プライマリーネームサーバーがリフレッシュ要求に応答しない場合は、セカンダリーサーバーはそのネームスペースに関する要求での権威としての応答を停止します。
- BIND 4 と 8 では、minimum-TTL ディレクティブは他のネームサーバーがゾーンの情報をキャッシュ化する時間の長さになります。BIND 9 では、これは否定的な回答がキャッシュ化される時間の長さを定義します。ネガティブな応答のキャッシュは最大 3 時間(つまり
3H)に設定できます。
BIND の設定時には、すべての時間は秒で指定されます。しかし、秒以外の時間単位を指定するのに短縮形を使用することができます。たとえば、分 (M)、時間 (H)、日 (D)、および週 (W) です。表17.6「秒表示とその他の時間単位」は、秒単位で、同等の時間 (秒単位) を別の形式で示しています。Expand 表17.6 秒表示とその他の時間単位 秒 他の時間単位 60 1M1800 30M3600 1H10800 3H21600 6H43200 12H86400 1D259200 3D604800 1W31536000 365D例17.14 SOA リソースレコードの使用
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow