32.5. Fujitsu PRIMEQUEST システムにおける sadump の使用
Fujitsu PRIMEQUEST システムでは、ハードウェアが提供するスタンドアロンのダンプ(sadump)機能を有効にすることもできます。このユーティリティーは、Red Hat Enterprise Linux の標準部分である kdump と Fujitsu が提供する追加の sadump BIOS ベースの機能を組み合わせて動作します。
注記
予期しない再起動が発生した場合にダンプが確実にキャプチャーされるようにするため、Fujitsu は PRIMEQUEST ハードウェアで常に sadump を有効にすることを推奨します。
通常、Red Hat Enterprise Linux が応答しなくなったため、kdump を処理できない場合に sadump ユーティリティーが呼び出されます。これらの条件には、以下が含まれます。
- kdump を起動する前に Red Hat Enterprise Linux のパニックまたはハングする
- kdump が機能している間にエラー
sadump の使用方法
sadump を使用するには、以下の手順を実施します。
- 使用中のカーネルバージョンに応じて、以下のパッケージをインストールします。
# yum install kernel-debuginfo kernel-debuginfo-common
- sadumpの UEFI の設定詳細は、FUJITSU Server PRIMEQUEST 2000 Series Installation Manual を参照してください。
- sadump向け Red Hat Enterprise Linux の設定詳細は、「sadump 向け Red Hat Enterprise Linux の設定」 を参照してください。
- sadumpの開始詳細は、FUJITSU Server PRIMEQUEST 2000 Series Installation Manual を参照してください。
- メモリーダンプを確認します。詳細は、「メモリーダンプを確認します。」 を参照してください。
32.5.1. sadump 向け Red Hat Enterprise Linux の設定
- sadump で
kdump
が想定どおりに起動されるようにします。- カーネルパニック後に再起動しないように Red Hat Enterprise Linux を設定します。デフォルトでは、Red Hat Enterprise Linux はカーネルパニック後に自動的に再起動されるため、sadump は起動しません。この動作を回避するには、
/etc/sysctl.conf
ファイルを以下のように設定します。kernel.panic=0
- Red Hat Enterprise Linux がマスク不可割り込み(NMI)で kdump を開始するように設定します。sadump を開始する手順では、最初に NMI で kdump を起動する必要があります。
/etc/sysctl.conf
を以下のように設定します。kernel.unknown_nmi_panic=1
- sadump で
kdump
が正常に動作することを確認します。- kdump の後に停止するように Red Hat Enterprise Linux を設定します。デフォルトでは、kdump が失敗すると、Red Hat Enterprise Linux は自動的に再起動するため、sadump が起動しないようになります。この動作を回避するには、
/etc/kdump.conf
ファイルを以下のように設定します。default halt
またはdefault shell
- sadump を開始するように Red Hat Enterprise Linux を設定します。
/etc/kdump.conf
を設定して、System Management Interrupt(SMI)をブロックしないようにし、sadump が起動できるようにします。blacklist kvm-intel