19.3.2. Sendmail
Sendmail の主な目的は、他の MTA と同様に、通常
SMTP
プロトコルを使用して、ホスト間で電子メールを安全に転送することです。ただし、Sendmail は高度な設定が可能で、使用されるプロトコルを含め、電子メールの処理方法をほぼすべての方法で制御できます。多くのシステム管理者は、パワーとスケーラビリティーにより Sendmail を MTA として使用することを選択しています。
19.3.2.1. 用途と制約
認識すべき重要な点は、Sendmail ができないことではなく、Sendmail が何であるか、何ができるのかということです。複数の役割を果たすモノリシックなアプリケーションの時代には、Sendmail は組織内で電子メールサーバーを稼働するために必要な唯一のアプリケーションと思われるかもしれません。Sendmail は各ユーザーのディレクトリーにメールを送信し、ユーザー用にアウトバウンドメールを送信できるため、技術的にはこれが当てはまります。Sendmail はメールを各ユーザーのディレクトリーにスプールして、ユーザーに送信メールを配信できるからです。ユーザーは通常、
POP
または IMAP
を使用してメッセージをローカルマシンにダウンロードする MUA を使用してメールと対話したい場合があります。ユーザーは通常、POP または IMAP を使用する MUA で電子メールとやりとりを行い、ローカルマシンにメッセージをダウンロードする方法を望みます。こうした他のアプリケーションを Sendmail と連動させることは可能ですが、実際、それらが存在する理由は異なり、独立して機能することができます。
Sendmail で設定すべき、また設定できるすべての用途の説明は、本セクションの対象外となります。Sendmail には文字どおり数百におよぶ様々なオプションやルールセットがあるため、Sendmail のあらゆる機能や問題修正方法に関する専門的な資料が多くあります。Sendmail リソースの一覧 「その他のリソース」 についてはを参照してください。
本セクションでは、Sendmail でデフォルトでインストールされたファイルを確認し、不要な電子メール(スパム)を停止する方法や LDAP(Lightweight Directory Access Protocol )で Sendmail を拡張する方法など、基本的な設定変更を確認します。